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イカせたくない2話
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エニシサイド
チラッと時計を見れば、僕が体操座りをしてもう既に2時間が過ぎようとしている。
スマホを両手に持ち睨めっこをしても僕の恋人から「同窓会の場所に着いたよ~」のひと言の報告もない。
僕は恋人のトークページを開き親指を動かす。
22:45【メール:エニシ】
ヒュウ、もう会場に着いてるよね?
なんで連絡くれないの?
22:50【メール:エニシ】
ちゃんと着いたか心配するじゃん。
22:52【メール:エニシ】
メールくらいできるでしょ?もう帰ってくる?
3通続けて送りスマホを離さずに僕は既読がつくのをじっと待つ。
N「そんな事してたらヒュウも同窓会楽しめないじゃん。ほら、こっちで俺たちと飲もう?」
E「ヒュウが酔っ払ったら迎えに行かなきゃだから。」
G「タクシーで帰ってくるだろ?」
E「なんで僕と離れて2時間も経つのにヒュウは平気なの……僕は死んじゃいそうなのに…」
N「こりゃ、ヒュウがため息つく意味がよくわかるわ~」
G「付き合ってなかったらエニシはヒュウのストーカーだな。」
2人にバカにされながらも僕はそんな事はさらさら気にする事もなくじっとスマホの画面を見つめる。
メールを送って30分が過ぎた…
時間も23時半が近くなりそろそろもう帰ってきてもいいんじゃないかな…なんて思うが一向に既読が付かない。
E「スマホ壊れたかも。」
N「え?急に?」
E「うん…」
N「どうなったの?画面つかないとか?」
E「ううん…既読がつかない。」
N「………ん?」
G「それ読んでないだけだろ。」
僕にとったら一大事なのに2人は僕のことをアホだの、また始まっただの言ってバカにして笑ってる…
僕のマンションで、僕のソファで、僕のワイングラスで、僕の高級ワイン飲んで、僕のお気に入りのポテトチップス食ってくるくせに。
そうだ…シンデレラタイムになったら電話しよう…
僕の可愛いシンデレラちゃんもう魔法のとける時間だから帰っておいで~って余裕ある風に言うんだ。#それバブル期
寂しさと不安と見えない誰かへの嫉妬から、僕の頭を半分おかしくなり時計の針だけがカチカチと動いていく。
そして、ふたつの針が頂点を指してすぐ…
僕は恋人に電話をかけた。
プルル~プルル~プルル~
何度コールしても出ない…
僕のイライラは募り今にも爆発しそうだ。
しかし、着信が繋がる事はなく諦めかけて電話を切ろうとした時…
ようやく着信が繋がった。
E「もしもしヒュウ?今どこ?何時に帰ってくる?遅くない?」
甘いことを言ってやるなんて思っていた僕にはそんな余裕はなく立て続けに言葉を並べた。
しかし、僕の恋人からの返事は…ない。
E「もしもーし。聞こえてるよね?何で無視すんの?無視するって事は僕に後ろめたいことでも……」
「あ!あの!」
僕の言葉を遮るように見知らぬ男の声が僕の耳に飛び込んできて、僕の心臓はドキーーーッンと飛び出しそうになった。
E「…どちら様ですか?」
「あ…ヒュウの同級生でヒュウ、飲み過ぎちゃったみたいで…今俺の膝の上で眠ってて…」
その言葉を聞いた瞬間…
スマホの画面にヒビが入るのが自分でも分かった…
つづく
チラッと時計を見れば、僕が体操座りをしてもう既に2時間が過ぎようとしている。
スマホを両手に持ち睨めっこをしても僕の恋人から「同窓会の場所に着いたよ~」のひと言の報告もない。
僕は恋人のトークページを開き親指を動かす。
22:45【メール:エニシ】
ヒュウ、もう会場に着いてるよね?
なんで連絡くれないの?
22:50【メール:エニシ】
ちゃんと着いたか心配するじゃん。
22:52【メール:エニシ】
メールくらいできるでしょ?もう帰ってくる?
3通続けて送りスマホを離さずに僕は既読がつくのをじっと待つ。
N「そんな事してたらヒュウも同窓会楽しめないじゃん。ほら、こっちで俺たちと飲もう?」
E「ヒュウが酔っ払ったら迎えに行かなきゃだから。」
G「タクシーで帰ってくるだろ?」
E「なんで僕と離れて2時間も経つのにヒュウは平気なの……僕は死んじゃいそうなのに…」
N「こりゃ、ヒュウがため息つく意味がよくわかるわ~」
G「付き合ってなかったらエニシはヒュウのストーカーだな。」
2人にバカにされながらも僕はそんな事はさらさら気にする事もなくじっとスマホの画面を見つめる。
メールを送って30分が過ぎた…
時間も23時半が近くなりそろそろもう帰ってきてもいいんじゃないかな…なんて思うが一向に既読が付かない。
E「スマホ壊れたかも。」
N「え?急に?」
E「うん…」
N「どうなったの?画面つかないとか?」
E「ううん…既読がつかない。」
N「………ん?」
G「それ読んでないだけだろ。」
僕にとったら一大事なのに2人は僕のことをアホだの、また始まっただの言ってバカにして笑ってる…
僕のマンションで、僕のソファで、僕のワイングラスで、僕の高級ワイン飲んで、僕のお気に入りのポテトチップス食ってくるくせに。
そうだ…シンデレラタイムになったら電話しよう…
僕の可愛いシンデレラちゃんもう魔法のとける時間だから帰っておいで~って余裕ある風に言うんだ。#それバブル期
寂しさと不安と見えない誰かへの嫉妬から、僕の頭を半分おかしくなり時計の針だけがカチカチと動いていく。
そして、ふたつの針が頂点を指してすぐ…
僕は恋人に電話をかけた。
プルル~プルル~プルル~
何度コールしても出ない…
僕のイライラは募り今にも爆発しそうだ。
しかし、着信が繋がる事はなく諦めかけて電話を切ろうとした時…
ようやく着信が繋がった。
E「もしもしヒュウ?今どこ?何時に帰ってくる?遅くない?」
甘いことを言ってやるなんて思っていた僕にはそんな余裕はなく立て続けに言葉を並べた。
しかし、僕の恋人からの返事は…ない。
E「もしもーし。聞こえてるよね?何で無視すんの?無視するって事は僕に後ろめたいことでも……」
「あ!あの!」
僕の言葉を遮るように見知らぬ男の声が僕の耳に飛び込んできて、僕の心臓はドキーーーッンと飛び出しそうになった。
E「…どちら様ですか?」
「あ…ヒュウの同級生でヒュウ、飲み過ぎちゃったみたいで…今俺の膝の上で眠ってて…」
その言葉を聞いた瞬間…
スマホの画面にヒビが入るのが自分でも分かった…
つづく
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