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28話
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トルハside
重いジュンペイを抱えて部屋に戻り、荷物を持って駐車場に降りた。
ジュンペイは体調が悪そうなのに自ら運転席に向かい、運転席の扉を開けようとするのでさすがに俺が止めた。
T「今日は俺が運転するから…ジュンペイは後ろで休んでなよ。」
J「そ…そんな訳にはいきません!坊っちゃんに運転させて私が後部座席に座るなんて!」
T「でも、今の状態では運転はさせられない。今日は運転手もいないし。後部座席が嫌なら助手席に座れ。」
俺はそう言いながらジュンペイを避けて運転席に乗り込むと、ジュンペイは仕方なさそうな顔をして助手席に座った。
久しぶりに座る運転席…
俺がエンジンをかけて座席を動かし自分の位置にセッティングしていると、横にいるジュンペイは身体がふわふわと揺れてシートベルトを1人で付けれないでいた。
T「はぁ~もう~何やってんの。」
俺はジュンペイの方へ手を伸ばしシートベルトを手に取ろうとした瞬間…
ジュンペイが顔をあげるもんだから思わず唇が重なってしまいそうになり、俺の心臓が跳ね上がる。
昨日と…同じシチュエーションじゃんこれ…
ドキ…ドキ…ドキ…
自分の心臓に耳を傾け俺はジュンペイの言葉を思い出す。
「トルハくん…いつか告白の返事…聞かせてね…」
その言葉が頭の中をよぎりジュンペイの目を見つめると、ジュンペイの目はいつもより虚で目尻が下がっていた。
俺のために俺の父親の会社の為に勇気を出して頑張ってくれたジュンペイ。
俺も…勇気出さなきゃ…
そう思ったら身体が自然に動いていて…
俺はジュンペイの柔らかな唇に口付けをしていた。
心地よい温もりが唇から伝わってきてお互いの呼吸が混ざり合う。
ジュンペイはピクッと身体を震わせると俺の服をギュッと掴んだ。
啄むようにジュンペイの唇を可愛がると、俺はゆっくりと離れジュンペイの頬を包み込み撫でながら自分の気持ちを伝えた。
T「俺もジュンペイが好きだよ…だから俺と付き合って。」
J「ぼ…坊っちゃん…」
T「付き合ってよ…返事は?まさか、嫌なの!?」
J「い…嫌なわけないじゃないですか…!!坊っちゃん…私の望み通りです。」
震えた声でそう伝えるとジュンペイは優しくニコッと微笑み、下から掬い上げるように俺の唇を塞いだ。
つづく
重いジュンペイを抱えて部屋に戻り、荷物を持って駐車場に降りた。
ジュンペイは体調が悪そうなのに自ら運転席に向かい、運転席の扉を開けようとするのでさすがに俺が止めた。
T「今日は俺が運転するから…ジュンペイは後ろで休んでなよ。」
J「そ…そんな訳にはいきません!坊っちゃんに運転させて私が後部座席に座るなんて!」
T「でも、今の状態では運転はさせられない。今日は運転手もいないし。後部座席が嫌なら助手席に座れ。」
俺はそう言いながらジュンペイを避けて運転席に乗り込むと、ジュンペイは仕方なさそうな顔をして助手席に座った。
久しぶりに座る運転席…
俺がエンジンをかけて座席を動かし自分の位置にセッティングしていると、横にいるジュンペイは身体がふわふわと揺れてシートベルトを1人で付けれないでいた。
T「はぁ~もう~何やってんの。」
俺はジュンペイの方へ手を伸ばしシートベルトを手に取ろうとした瞬間…
ジュンペイが顔をあげるもんだから思わず唇が重なってしまいそうになり、俺の心臓が跳ね上がる。
昨日と…同じシチュエーションじゃんこれ…
ドキ…ドキ…ドキ…
自分の心臓に耳を傾け俺はジュンペイの言葉を思い出す。
「トルハくん…いつか告白の返事…聞かせてね…」
その言葉が頭の中をよぎりジュンペイの目を見つめると、ジュンペイの目はいつもより虚で目尻が下がっていた。
俺のために俺の父親の会社の為に勇気を出して頑張ってくれたジュンペイ。
俺も…勇気出さなきゃ…
そう思ったら身体が自然に動いていて…
俺はジュンペイの柔らかな唇に口付けをしていた。
心地よい温もりが唇から伝わってきてお互いの呼吸が混ざり合う。
ジュンペイはピクッと身体を震わせると俺の服をギュッと掴んだ。
啄むようにジュンペイの唇を可愛がると、俺はゆっくりと離れジュンペイの頬を包み込み撫でながら自分の気持ちを伝えた。
T「俺もジュンペイが好きだよ…だから俺と付き合って。」
J「ぼ…坊っちゃん…」
T「付き合ってよ…返事は?まさか、嫌なの!?」
J「い…嫌なわけないじゃないですか…!!坊っちゃん…私の望み通りです。」
震えた声でそう伝えるとジュンペイは優しくニコッと微笑み、下から掬い上げるように俺の唇を塞いだ。
つづく
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