75 / 85
75話
しおりを挟む
ユウアは何を思って俺に抱いてくれとせがんでいるのだろうか…俺の気持ちに彼女は気づいているのだろうか…
不思議と頭の中は冷静でそんな事を考えながらユウアの温もりを感じる。
好きな女に迫られてまで理性を保てるほど俺は出来た男じゃない。
俺はユウアの細い体に添わせるように手を置き、ユウアを抱えてそのままソファに押し倒した。
ソファに倒れ込んだユウアから漏れた声が…完全に俺の理性を吹き飛ばした。
何度も甘く重なる唇…
ユウアの唇を甘噛みすれば恥ずかしそうに微笑むユウア。
その姿があまりにも綺麗で俺は目が離せない。
唇でユウアに触れるたびに体がピクリと反応し愛おしさが混み合ってきてつい、チカラ加減を間違えてユウアを壊してしまいそうになる。
俺はきっと心のどこかでユウアとこうなる事を望んでいた…
それなのにユウアに触れれば触れるほど、俺たちの終わりが近づいてくるようで幸せよりも深い虚しさが押し寄せる…
そして、俺はそれをかき消すかのように優しくユウアに触れる。
ユウアの目には微かに涙が滲み、俺がユウアを揺らすたびにその涙が目尻からこぼれた。
甘く切ないユウアの声が俺の鼓膜を刺激して脳を麻痺させる。
Y「オサ…」
ユウアは小さな声でそう囁くと同時に大きく体を震わせそのまま意識を手放した。
なんて綺麗なんだろう…
俺はそのままユウアを上から見下ろす。
もう2度と見ることのないこの光景を目に焼き付けるかのように。
俺は生まれたままの姿のユウアを抱きかかえベッドへとそっと寝かし、布団をかけてそっとベッドルームの扉を閉め、ユウアの温もりを忘れるかのように熱めのシャワーを浴び続けた…
そして、ついさっきまで愛し合っていたはずのソファに俺はため息と一緒に身を委ね…眠りについた。
…このまま時が止まればいいのに…
翌朝
俺が目覚めたときにはユウアはもう身支度をしていた。
その後ろ姿を見るだけで昨日のことを思い出し胸が締め付ける。
O「おはよ…」
Y「おはよ~オサくん早く準備して朝ごはん来ちゃうよ?」
いつも通りのユウアに少し落胆する俺は一体、ユウアのどんな反応を望んでいたのだろう。
顔を洗い服を着替えるとモーニングのルームサービスが運ばれてきた。
Y「わぁ~すごい!オサくん早く早く!」
そう、ユウアに急かされて座るテーブル。
ユウアは昨日のことなんて何もなかったかのような顔をしてモグモグとご飯を食べている。
O「ねぇ…ユウアさ?昨日の夜のこと…覚えてる?」
俺がそう問いかけると
Y「えへへ~覚えてるよ?飲み過ぎちゃってさ~ごめんね?あれはなかったことにしよ?お互い大人だし…ね?」
憎いほどの笑顔でユウアはそう言った。
ユウア…なかったことになんて俺は出来ないよ…
そんな事を頭では思っているのに俺の口は全く違う事を口走る。
O「うん。俺もそのつもりだったから気にしないで。」
心にもない事を自分で言って自分で傷付く。
でも、俺たちの関係ではきっとこの答えが正解だと思う。
これ意外の事をユウアに言ったところで、ユウアを苦しめて困らせるだけだと知っているから。
Y「だよね?よかった。じゃ、みんなにお土産買って帰ろっか!」
大好きなはずのユウアの満面の笑みがさらに俺の心臓をえぐった。
つづく
不思議と頭の中は冷静でそんな事を考えながらユウアの温もりを感じる。
好きな女に迫られてまで理性を保てるほど俺は出来た男じゃない。
俺はユウアの細い体に添わせるように手を置き、ユウアを抱えてそのままソファに押し倒した。
ソファに倒れ込んだユウアから漏れた声が…完全に俺の理性を吹き飛ばした。
何度も甘く重なる唇…
ユウアの唇を甘噛みすれば恥ずかしそうに微笑むユウア。
その姿があまりにも綺麗で俺は目が離せない。
唇でユウアに触れるたびに体がピクリと反応し愛おしさが混み合ってきてつい、チカラ加減を間違えてユウアを壊してしまいそうになる。
俺はきっと心のどこかでユウアとこうなる事を望んでいた…
それなのにユウアに触れれば触れるほど、俺たちの終わりが近づいてくるようで幸せよりも深い虚しさが押し寄せる…
そして、俺はそれをかき消すかのように優しくユウアに触れる。
ユウアの目には微かに涙が滲み、俺がユウアを揺らすたびにその涙が目尻からこぼれた。
甘く切ないユウアの声が俺の鼓膜を刺激して脳を麻痺させる。
Y「オサ…」
ユウアは小さな声でそう囁くと同時に大きく体を震わせそのまま意識を手放した。
なんて綺麗なんだろう…
俺はそのままユウアを上から見下ろす。
もう2度と見ることのないこの光景を目に焼き付けるかのように。
俺は生まれたままの姿のユウアを抱きかかえベッドへとそっと寝かし、布団をかけてそっとベッドルームの扉を閉め、ユウアの温もりを忘れるかのように熱めのシャワーを浴び続けた…
そして、ついさっきまで愛し合っていたはずのソファに俺はため息と一緒に身を委ね…眠りについた。
…このまま時が止まればいいのに…
翌朝
俺が目覚めたときにはユウアはもう身支度をしていた。
その後ろ姿を見るだけで昨日のことを思い出し胸が締め付ける。
O「おはよ…」
Y「おはよ~オサくん早く準備して朝ごはん来ちゃうよ?」
いつも通りのユウアに少し落胆する俺は一体、ユウアのどんな反応を望んでいたのだろう。
顔を洗い服を着替えるとモーニングのルームサービスが運ばれてきた。
Y「わぁ~すごい!オサくん早く早く!」
そう、ユウアに急かされて座るテーブル。
ユウアは昨日のことなんて何もなかったかのような顔をしてモグモグとご飯を食べている。
O「ねぇ…ユウアさ?昨日の夜のこと…覚えてる?」
俺がそう問いかけると
Y「えへへ~覚えてるよ?飲み過ぎちゃってさ~ごめんね?あれはなかったことにしよ?お互い大人だし…ね?」
憎いほどの笑顔でユウアはそう言った。
ユウア…なかったことになんて俺は出来ないよ…
そんな事を頭では思っているのに俺の口は全く違う事を口走る。
O「うん。俺もそのつもりだったから気にしないで。」
心にもない事を自分で言って自分で傷付く。
でも、俺たちの関係ではきっとこの答えが正解だと思う。
これ意外の事をユウアに言ったところで、ユウアを苦しめて困らせるだけだと知っているから。
Y「だよね?よかった。じゃ、みんなにお土産買って帰ろっか!」
大好きなはずのユウアの満面の笑みがさらに俺の心臓をえぐった。
つづく
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
【R18】エリートビジネスマンの裏の顔
白波瀬 綾音
恋愛
御社のエース、危険人物すぎます───。
私、高瀬緋莉(27)は、思いを寄せていた業界最大手の同業他社勤務のエリート営業マン檜垣瑤太(30)に執着され、軟禁されてしまう。
同じチームの後輩、石橋蓮(25)が異変に気付くが……
この生活に果たして救いはあるのか。
※サムネにAI生成画像を使用しています
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
ミックスド★バス~家のお風呂なら誰にも迷惑をかけずにイチャイチャ?~
taki
恋愛
【R18】恋人同士となった入浴剤開発者の温子と営業部の水川。
お互いの部屋のお風呂で、人目も気にせず……♥
えっちめシーンの話には♥マークを付けています。
ミックスド★バスの第5弾です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる