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第四話
しおりを挟むユサの店に入った途端にユサは眉間にシワを寄た。
Y「ここはサボりの来る場所じゃねぇぞ?」
A「はぁ~あ。ねぇ、パンケーキが食べたい。」
私のおねだりの理由に気づいたのかユサははぁ~と大きなため息をつきながらキッチンへと向かった。
ユサを待っている間にスマホを見ると…何年振りだろう?キヒヤからのメールが入っていた。
K「教室の落書きみたけど大丈夫?」
普通に考えて大丈夫なわけない…あんな事書かれて傷つかない人がどこにいるんだろう。
しかも散々私のこと避けておいて、今さら大丈夫とか心配してるような素振り見せないでほしい。
そう思いながらもキヒヤの事がまだ 諦めきれない私はキヒヤに返信してしまう。
A「大丈夫じゃない。私いじめられてるみたい。もう、学校行かない。辞める。」
授業中のはずなのにキヒヤからのメッセージはすぐに返ってきた。
なんなのほんと…もう…私に構わないでよ…
キヒヤも私のこと嫌いだから避けてるんでしょ?そう思いながら私らキヒヤからの返信を見つめる。
K「誰にいじめられてるんだよ?」
はぁ…おそらくあなたの彼女ですよ。
ラノンは私が聞かれた事に対してちゃんと返事をしなかったのが気に入らなかったんでしょうね。
そう分かっているのに私は何故かその事実をキヒヤに言えなかった。
A「もういいから…放っといて。」
私はそうキヒヤにメールを送るとスマホをカバンの中に入れた。
すると、しばらくしてパンケーキを持ったユサが私のところへときて、私の向かい側の椅子に座った。
A「これこれ~!!美味しそう!」
私がフォークとナイフを持ってパンケーキを切ろうとすると、ユサがお皿をパッと自分の方へと引いて私の手元からパンケーキを離した。
思わず私がユサの顔を見るとユサは何故か苦しそうな顔をして私に言った。
Y「泣くか食うかどっちかにしろ。」
そう言われて初めて気づいた…自分が泣いている事に…
ユサは私の隣へと移動し、私の頭を撫でながらグイッと私の頭を自分の胸へと抱き寄せた。
Y「ウチで社員として働くか?」
何もまだ話してないユサからの問いかけに私は思わず顔をあげる。
すると、ユサは私の頬に流れる涙を親指で拭いながら話した。
Y「さっき、アノンが来る前にミネトから連絡あったよ。全部聞いた。嫌なら…学校なんか辞めてもいいんじゃねぇ?アノンが本当に嫌なら学校辞めてウチで働けば?」
A「ユサ…」
Y「俺も夕方だけじゃなく昼間も手伝ってもらえたら助かるし。」
ユサはいつも自分の意見を強要したりしない…いつも私が選びやすいように言葉に余裕を持たせて話してくれる。
A「ユサ…」
Y「うん?」
A「もう一回ぎゅっとして。」
私がそう言うとユサは呆れたように笑いながらぎゅっーっと強く抱きしめ髪を撫でてくれた。
その体温は本当に温かくて…
私の傷ついた心を包み込むように癒してくれた。
つづく
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