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32話

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ジュンサクサイド


それからの生活はマジで…地獄だった。


テイヤくんには会えないわ…


スマホはセイジ先生に没収され決まった時間しか使わせてもらえないわ…


毎日毎日毎日…俺の嫌いな勉強漬けだわで…


俺の性欲が溜まる一方で…5日目を迎える頃には夢で誘うテイヤくんを見て、俺は密かに夢精してさすがに凹んだ。


隣には大きい体をさらに大きく広げて大の字で眠るセイジ先生。


はぁ…過去の俺…なんで勉強しなかったんだよ!!


俺は過去に勉強をサボった事を激しく後悔した。


そんな生活を1週間過ごした頃、セイジ先生の鬼のような指導の元、必死でペンを走らせ勉強に取り組んでいると突然、インターホンがなった。 


S「誰か来たぞ。」


俺はペンを置き玄関に出るとそこにはスクールカウンセラーのイズミ先生が笑顔で立っていた。


J「イズミ先生!?どうしたんですか!?」


俺の叫び声を聞いてセイジ先生が慌てて部屋の中から出てくる。


I「はい!これ差し入れ!作り置きのおかず沢山作ってきたから冷蔵庫に入れて置いてくださいね?セイジ先生!」

S「お…俺がですか?」

I「当たり前じゃないですか!セイジ先生のために作ったんですから!あ…でもジュンサクくんも食べていいからね?栄養満点だから!」

J「ありがとうございます。」


セイジ先生がイズミ先生から荷物を受け取り、部屋の中に入っていくのを見届けると、イズミ先生は俺の腕を引っ張り、セイジ先生の様子を伺いながら俺にこっそりと何かを渡した。


J「え?イズミ先生?」

I「セイジ先生がいないときに1人で見なさい。分かったわね?頑張るのよ?じゃ!」


そう言ってイズミ先生は紫色の小さな封筒を俺に渡し、笑顔で帰って行った。


部屋の中に戻るとセイジ先生は大量のタッパーを冷蔵庫と冷凍庫に詰めている。


S「イズミ先生はもう帰ったのか?」

J「はい…セイジ先生って…イズミ先生と付き合ってるんですか?」

S「そそそそそそそそんなんじゃない。イズミ先生がいいいいいいい一方的におおおおおおお俺のことがすすすすすささ好きだとううううううるさいだけだ。」

J「そう…ですか。」


俺はそう言ったものの…


こんな分かりやすく動揺する人はじめて見たなと思いながらセイジ先生の顔を見つめていると、いつもの厳しい目はどこへやら…


セイジ先生は少し優しい目になっていて頬が緩んでいるのを俺は見逃さなかった。


S「悪い…ちょっと出てくる。」


セイジ先生はそう言って冷蔵庫に詰め終えると慌てて俺の部屋から出て行った。 


なんだよ…イズミ先生が一方的にとか言いながら自分だって慌てて追いかけてんじゃん。


セイジ先生も好きなら好きって正直に言えばいいのに素直じゃないねぇ~と思いながら俺は久しぶりに1人になり、さっきイズミ先生から渡された封筒をポケットから取り出して開けた。


するとそこには…


J「これ…可愛い…」


青色の手作りのブレスレットが入っていて中には小さなメモが入っていた。



ジュンサクへ
お勉強頑張ってる?
ジュンサクに会いたい。
いつも窓を見ながらジュンサクの事を想ってるよ。
少しでも俺のことをそばに感じてほしくて、俺とお揃いのブレスレットを作った。
これつけて頑張ってね。
大好き。
テイヤより



そう書かれてあり、俺は嬉しさのあまり頬が緩む。


思わずテイヤくんの部屋の前にある窓を開けようと手を掛けて俺はやめた。


ここを開けちゃうと、きっともっとテイヤくんに会いたくなる。


俺…もう少し…頑張る。


頑張ってからテイヤくんに会いに行く。


もっと近くでテイヤくんを感じれるように、俺は自分の腕にテイヤくんからのブレスレットをお守りとして付けた。


つづく
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