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テイヤサイド
入学式に参加するとそこには朝、言葉を交わしたジュンサクが新入生の列の中にいて俺たちの間を通り入場してきた。
やっぱり1年生だったんだ…
そう思っていると生徒会長であるマモルの祝辞が始まった。
家や俺の前だと信じられないほど甘々でベタベタで鼻の下伸ばしてデレデレなのに…
今、新入生へ向けて言葉を述べているときはほんと…
T「別人…」
そんなマモルを見て校内の女子達は目を輝かせている。
俺はそんな様子を面白がりながら見ていると、前に座る新入生の中で落ち着きがなくキョロキョロとしてる頭に目がついた。
あの子…落ち着きないな…
視野に入るその丸っこい後頭部を見ているとチラッとその頭が後ろを振り返った瞬間…
バチっと目があった。
T「あれ…ジュンサクじゃん…」
ジュンサクもあっ!というような顔をして俺を見てニコッと笑う。
俺は笑いを堪えながら顎で前を向くように合図をするが、ジュンサクはお構いなしで俺の方を見ていた。
マモルの祝辞も終盤を迎える頃…
通路にいたセイジ先生に気づかれたジュンサクは思いっきり注意をされ、周りから笑いが起きた。
それに気づいたのだろう…
マモルの言葉が一瞬止まったものの…
マモルは表情を何ひとつ変えることなく何もなかったかのように無事、祝辞を読み終えた。
やばいな…あの様子だとマモル…ブチギレだな…
俺は内心そんな事を思いながらパイプ椅子に座り直した。
入学式が終わりホームルームを終えた俺達は短縮授業のため帰宅する。
しかし、マモルは生徒会長として生徒会の話し合いがあると言って放課後、残ることになっていた。
マモルは俺にも残れってうるさかったけどそんなの残る訳がない!!
帰りにコンビニによって昼飯とコーラとお菓子を買って家に帰ってゲームするんだ!!
そう固く心に決め、隣のクラスのマモルから逃げるように終礼と同時に廊下をダッシュする。
「きゃーーーテイヤ様!!!!」
「かっこいいーーーーーー!!!!」
「ぎゃーーーーーーー!!!!!!」
ただ、走っているだけなのにそんな反応されて正直面倒くさい。
マモルはきゃーきゃー言われて満更でもなさそうだけど、俺はあんまりそういうのは好きじゃないんだ。
ただ、静かに学生生活を満喫したいと思っていたから…
でも、まぁそんなのこの高校に入学して2日で諦めたけど。
階段を2段飛ばしで駆け下り、2年生の教室を通り過ぎ1年生の教室を通り過ぎようとした時、そこには物凄い人だかりが出来ていて俺は足止めを食らった。
「ぎゃースマホ番号教えて!」
「私が先よ!」
あらゆる所からそんな声が飛び交い…
まるで…2年前の自分を見ているようだと呆然とその様子を見ていた。
M「あ!テイヤ!生徒会の仕事手伝え!」
上の階から顔を覗かせたマモルの大声が聞こえて俺は焦る。
T「ちょ!ちょっとキミ達ごめんね!ここ通して!」
そう叫ぶとその人だかりの視線は一瞬にして俺へと向けられ…思わず俺は後退りする。
おぉ…すげぇ…迫力…
シーンとその場が鎮まりかえったのも束の間…
「ぎゃーテイヤ先輩が話しかけてくれた!!」
「テイヤ先輩握手してください!!」
「私が先なの触らないで!!」
彼女たちの標的は誰かから俺へと変わった。
やばい…だから今まで自分から話しかけたりしなかったのに…
どうしよう…こ…怖いよ…
後退りも限界で後ろには階段があり、思わず俺は階段に尻もちをつくように転んだ。
T「痛っ…」
そんな俺にお構いなしの彼女たちは転んだ俺を囲むように覆いかぶさり、押し寄せ揉みくちゃにされた。
つづく
入学式に参加するとそこには朝、言葉を交わしたジュンサクが新入生の列の中にいて俺たちの間を通り入場してきた。
やっぱり1年生だったんだ…
そう思っていると生徒会長であるマモルの祝辞が始まった。
家や俺の前だと信じられないほど甘々でベタベタで鼻の下伸ばしてデレデレなのに…
今、新入生へ向けて言葉を述べているときはほんと…
T「別人…」
そんなマモルを見て校内の女子達は目を輝かせている。
俺はそんな様子を面白がりながら見ていると、前に座る新入生の中で落ち着きがなくキョロキョロとしてる頭に目がついた。
あの子…落ち着きないな…
視野に入るその丸っこい後頭部を見ているとチラッとその頭が後ろを振り返った瞬間…
バチっと目があった。
T「あれ…ジュンサクじゃん…」
ジュンサクもあっ!というような顔をして俺を見てニコッと笑う。
俺は笑いを堪えながら顎で前を向くように合図をするが、ジュンサクはお構いなしで俺の方を見ていた。
マモルの祝辞も終盤を迎える頃…
通路にいたセイジ先生に気づかれたジュンサクは思いっきり注意をされ、周りから笑いが起きた。
それに気づいたのだろう…
マモルの言葉が一瞬止まったものの…
マモルは表情を何ひとつ変えることなく何もなかったかのように無事、祝辞を読み終えた。
やばいな…あの様子だとマモル…ブチギレだな…
俺は内心そんな事を思いながらパイプ椅子に座り直した。
入学式が終わりホームルームを終えた俺達は短縮授業のため帰宅する。
しかし、マモルは生徒会長として生徒会の話し合いがあると言って放課後、残ることになっていた。
マモルは俺にも残れってうるさかったけどそんなの残る訳がない!!
帰りにコンビニによって昼飯とコーラとお菓子を買って家に帰ってゲームするんだ!!
そう固く心に決め、隣のクラスのマモルから逃げるように終礼と同時に廊下をダッシュする。
「きゃーーーテイヤ様!!!!」
「かっこいいーーーーーー!!!!」
「ぎゃーーーーーーー!!!!!!」
ただ、走っているだけなのにそんな反応されて正直面倒くさい。
マモルはきゃーきゃー言われて満更でもなさそうだけど、俺はあんまりそういうのは好きじゃないんだ。
ただ、静かに学生生活を満喫したいと思っていたから…
でも、まぁそんなのこの高校に入学して2日で諦めたけど。
階段を2段飛ばしで駆け下り、2年生の教室を通り過ぎ1年生の教室を通り過ぎようとした時、そこには物凄い人だかりが出来ていて俺は足止めを食らった。
「ぎゃースマホ番号教えて!」
「私が先よ!」
あらゆる所からそんな声が飛び交い…
まるで…2年前の自分を見ているようだと呆然とその様子を見ていた。
M「あ!テイヤ!生徒会の仕事手伝え!」
上の階から顔を覗かせたマモルの大声が聞こえて俺は焦る。
T「ちょ!ちょっとキミ達ごめんね!ここ通して!」
そう叫ぶとその人だかりの視線は一瞬にして俺へと向けられ…思わず俺は後退りする。
おぉ…すげぇ…迫力…
シーンとその場が鎮まりかえったのも束の間…
「ぎゃーテイヤ先輩が話しかけてくれた!!」
「テイヤ先輩握手してください!!」
「私が先なの触らないで!!」
彼女たちの標的は誰かから俺へと変わった。
やばい…だから今まで自分から話しかけたりしなかったのに…
どうしよう…こ…怖いよ…
後退りも限界で後ろには階段があり、思わず俺は階段に尻もちをつくように転んだ。
T「痛っ…」
そんな俺にお構いなしの彼女たちは転んだ俺を囲むように覆いかぶさり、押し寄せ揉みくちゃにされた。
つづく
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