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「僕の恋人の誕生日」
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エニシサイド
最近、実家を出て一人暮らしを始めた僕の恋人。
スーパーで食材を購入し終えた僕は足早に恋人の家へと向かった。
愛しい恋人の香りで包まれるそこに僕は合鍵で入る。
すると、恋人の部屋は静まり返り、恋人はソファに座ったままスヤスヤと寝息を立てていた。
キッチンに荷物を置き、愛しい恋人の横にしゃがみ込み顔を覗き込む。
E「…疲れてるんだね。ヒュウ…また痩せたんじゃない…?」
眠っている僕の恋人に話しかけながら優しく頬をなでる。
なんて愛おしい寝顔なんだろうか…
そんな事を思っていると
H「うぅ~ん~あっ!来てたんだね?寝ちゃってた…」
僕の恋人は眠そうな目をこすりながら眠そうに微笑みかけた。
E「ごめん。起こしちゃったね?」
H「ううん。すごい会いたかったよ!」
僕の恋人は子どもみたいに僕の腰に抱きつき、僕は恋人の柔らかな髪を撫でた。
少し痩せた僕の恋人は僕の腕のなかにすっぽりとおさまる。
E「僕も会いたかったよ?今日は何が食べたい?」
H「そうだな…ミートソースとチキンソテーかな?」
E「ミートソースとチキンソテー好きだね?」
H「えへへ~まぁ、エニシの方が好きだけど…なんちゃって~。」
僕の可愛い恋人はエクボを見せて僕に甘える。
E「もぉ~はいはい。じゃ、ご飯の準備しなきゃだから大人しく待っててね?」
H「はぁ~い!ラジャ~!」
そんな風にあしらってはみたものの…本当は僕も恋人とずっとくっ付いていたい。
でも、今日は特別な日だから…
僕はキッチンに行き、気合を入れて料理を作り始めた。
僕は彼と付き合うようになってから自然と料理が得意分野になっていた。
僕が料理をしていると僕の恋人はいつも嬉しそうに僕を眺めてる。
H「なんか今日はご機嫌だね?」
E「そうかな?僕、いつもそんなに不機嫌?」
H「そうじゃない~けど~なんか今日はいつもと違う。」
E「そう?いつもと一緒だよ?もうすぐご飯出来るから早く手洗ってきて。」
H「はぁ~い!」
僕の恋人はニコニコしながら洗面所へ向かう。
その可愛い後ろ姿がまた、愛しくて僕の口元が緩む。
E「ご機嫌なのはヒュウだって同じじゃん?」
そうつぶやきながら俺は思わず1人で笑ってしまった。
H「なに1人でニヤニヤしてんの?」
E「あっ…なんでもない!早く座って。」
僕は記念日に買ったペアのグラスを出し、赤ワインを注ぐ。
僕の恋人はお酒に弱いから本音はあまり飲まないでほしいけど、今日は特別な日だから僕の方から恋人のグラスにワインを注ぐ。
H「ワインなんて珍しくない?どうしたの?」
E「たまにはいいじゃん。ね?」
僕の恋人に無理やりグラスを持たせるとポカンとした顔をして僕を見つめる。
H「う~ん?」
E「はいっ!では…!お誕生日おめでとうございます!乾杯~!」
H「乾杯~!って!!あっ…僕…自分の誕生日…忘れてた…」
E「やっぱり…誕生日忘れてたんだね?」
H「うんwww」
E「最近、忙しかったもんね?ご飯、食べよっか!」
H「うん!ってか!うま~い!エニシのご飯は最高!」
E「ヒュウは自分の誕生日よりご飯が大事なのかよ?」
H「違うよ! エニシが作ったご飯だから大事なんだよ!」
E「はいはい。あとでコーヒー飲もうね?ケーキも作ったから。」
H「まじぃ!?じゃ、今日は僕がコーヒー淹れちゃうよ!楽しみだな~」
E「あんまり期待はしなでね。デザート作りは苦手って知ってるだろ?」
H「えぇ~めっちゃ期待してる~」
E「あははは~。あとでちゃんと実家にも電話しなきゃね?」
H「え?なんで?」
ポカンとした顔で僕を見つめるその姿が可愛くて微笑ましい。
E「なんでって…誕生日は今まで産んで育ててくれたご両親に感謝する日でもあるんだよ?一人暮らし始めて初めての誕生日だろ?」
H「うん。そうだね。僕さエニシのそういうとこ…マジで好き…」
きっと、僕の方がずっとヒュウの事好きだよ…だって一緒にいるだけでこんなにも幸せなんだもん。
なんて思いながら僕は僕の恋人を見つめる。
E「ちゃんと電話するんだよ?あと、プレゼントなんだけど…まだ、買ってないんだ…何か欲しいのある?」
H「プレゼント?そうだな…」
E「僕があげれるものだから大した物はプレゼントできないけど…」
H「あっ!そうだ!エニシからしかもらえないプレゼントがあった!」
少しニヤニヤしている恋人に僕が問いかけた…
E「えっ?なに?」
H「毎日俺の為に飯を作ること!」
E「えっ?そうじゃなくて!誕生日プレゼントだよ?」
H「うん。そうだよ?」
E「なにそれ~いつも作ってるじゃん?」
H「これからはいつもじゃなくて毎日だよ?」
E「毎日…?…でもさ…」
H「僕たち一緒に住まない?」
僕の恋人は僕の言葉に重ねるようにして言った。
E「え…?」
H「僕が忙しいと会える時間少ないし、エニシの部屋少し狭いから引っ越そうか悩んでたじゃん。だから僕の部屋で一緒にどうかな…と思って。」
E「…今のって…プロポーズですか?」
H「うん。まぁ…そうなるかな?ダメ?」
E「…………………。」
H「もぉ~なんか言ってよ!!」
E「…聞こえなかったから…もう一回…」
H「はぁ~!?なんでだよぉ~!!絶対に聞こえてたじゃんか~!!」
E「ねぇ~お願い!!」
H「ムリ。もう、恥ずかしい////」
E「お願いお願いお願~い!」
H「もぉ~!しかたないな~!いくよ?心の準備…できた…?」
E「うん。」
H「僕はまだ出来てない…」
あぁ~可愛い。
なんて僕の恋人は可愛いのだろう。
本当に可愛すぎる。
E「もぉ~はやく~!」
H「分かった分かった!」
僕はじっと恋人を見つめて胸に手を当てた。
H「…僕と結婚してください。」
E「はい。喜んで…」
H「じゃ、ここはもう予約済みだからね?ちゃんとシルシ付けておかないとだな…」
僕の恋人はそう言って恥ずかしそうに僕の左手薬指にキスを落とした。
僕の恋人の仕事が忙しいと二人の時間が少なくなると、僕たちはこんな当たり前な日常に幸せを感じる。
好きな人がいるという事
その人がそばにいてくれるという事
その人に愛されるという事
その人が元気に生きてるという事
当たり前のようで
当たり前ではない
ヒュウ…産まれてきてくれてありがとう。
そして、お誕生日おめでとう
ヒュウにとって素敵な一年になりますように…
僕はそう祈りながら腕の中で眠る可愛い恋人にキスを落とした。
おわり
最近、実家を出て一人暮らしを始めた僕の恋人。
スーパーで食材を購入し終えた僕は足早に恋人の家へと向かった。
愛しい恋人の香りで包まれるそこに僕は合鍵で入る。
すると、恋人の部屋は静まり返り、恋人はソファに座ったままスヤスヤと寝息を立てていた。
キッチンに荷物を置き、愛しい恋人の横にしゃがみ込み顔を覗き込む。
E「…疲れてるんだね。ヒュウ…また痩せたんじゃない…?」
眠っている僕の恋人に話しかけながら優しく頬をなでる。
なんて愛おしい寝顔なんだろうか…
そんな事を思っていると
H「うぅ~ん~あっ!来てたんだね?寝ちゃってた…」
僕の恋人は眠そうな目をこすりながら眠そうに微笑みかけた。
E「ごめん。起こしちゃったね?」
H「ううん。すごい会いたかったよ!」
僕の恋人は子どもみたいに僕の腰に抱きつき、僕は恋人の柔らかな髪を撫でた。
少し痩せた僕の恋人は僕の腕のなかにすっぽりとおさまる。
E「僕も会いたかったよ?今日は何が食べたい?」
H「そうだな…ミートソースとチキンソテーかな?」
E「ミートソースとチキンソテー好きだね?」
H「えへへ~まぁ、エニシの方が好きだけど…なんちゃって~。」
僕の可愛い恋人はエクボを見せて僕に甘える。
E「もぉ~はいはい。じゃ、ご飯の準備しなきゃだから大人しく待っててね?」
H「はぁ~い!ラジャ~!」
そんな風にあしらってはみたものの…本当は僕も恋人とずっとくっ付いていたい。
でも、今日は特別な日だから…
僕はキッチンに行き、気合を入れて料理を作り始めた。
僕は彼と付き合うようになってから自然と料理が得意分野になっていた。
僕が料理をしていると僕の恋人はいつも嬉しそうに僕を眺めてる。
H「なんか今日はご機嫌だね?」
E「そうかな?僕、いつもそんなに不機嫌?」
H「そうじゃない~けど~なんか今日はいつもと違う。」
E「そう?いつもと一緒だよ?もうすぐご飯出来るから早く手洗ってきて。」
H「はぁ~い!」
僕の恋人はニコニコしながら洗面所へ向かう。
その可愛い後ろ姿がまた、愛しくて僕の口元が緩む。
E「ご機嫌なのはヒュウだって同じじゃん?」
そうつぶやきながら俺は思わず1人で笑ってしまった。
H「なに1人でニヤニヤしてんの?」
E「あっ…なんでもない!早く座って。」
僕は記念日に買ったペアのグラスを出し、赤ワインを注ぐ。
僕の恋人はお酒に弱いから本音はあまり飲まないでほしいけど、今日は特別な日だから僕の方から恋人のグラスにワインを注ぐ。
H「ワインなんて珍しくない?どうしたの?」
E「たまにはいいじゃん。ね?」
僕の恋人に無理やりグラスを持たせるとポカンとした顔をして僕を見つめる。
H「う~ん?」
E「はいっ!では…!お誕生日おめでとうございます!乾杯~!」
H「乾杯~!って!!あっ…僕…自分の誕生日…忘れてた…」
E「やっぱり…誕生日忘れてたんだね?」
H「うんwww」
E「最近、忙しかったもんね?ご飯、食べよっか!」
H「うん!ってか!うま~い!エニシのご飯は最高!」
E「ヒュウは自分の誕生日よりご飯が大事なのかよ?」
H「違うよ! エニシが作ったご飯だから大事なんだよ!」
E「はいはい。あとでコーヒー飲もうね?ケーキも作ったから。」
H「まじぃ!?じゃ、今日は僕がコーヒー淹れちゃうよ!楽しみだな~」
E「あんまり期待はしなでね。デザート作りは苦手って知ってるだろ?」
H「えぇ~めっちゃ期待してる~」
E「あははは~。あとでちゃんと実家にも電話しなきゃね?」
H「え?なんで?」
ポカンとした顔で僕を見つめるその姿が可愛くて微笑ましい。
E「なんでって…誕生日は今まで産んで育ててくれたご両親に感謝する日でもあるんだよ?一人暮らし始めて初めての誕生日だろ?」
H「うん。そうだね。僕さエニシのそういうとこ…マジで好き…」
きっと、僕の方がずっとヒュウの事好きだよ…だって一緒にいるだけでこんなにも幸せなんだもん。
なんて思いながら僕は僕の恋人を見つめる。
E「ちゃんと電話するんだよ?あと、プレゼントなんだけど…まだ、買ってないんだ…何か欲しいのある?」
H「プレゼント?そうだな…」
E「僕があげれるものだから大した物はプレゼントできないけど…」
H「あっ!そうだ!エニシからしかもらえないプレゼントがあった!」
少しニヤニヤしている恋人に僕が問いかけた…
E「えっ?なに?」
H「毎日俺の為に飯を作ること!」
E「えっ?そうじゃなくて!誕生日プレゼントだよ?」
H「うん。そうだよ?」
E「なにそれ~いつも作ってるじゃん?」
H「これからはいつもじゃなくて毎日だよ?」
E「毎日…?…でもさ…」
H「僕たち一緒に住まない?」
僕の恋人は僕の言葉に重ねるようにして言った。
E「え…?」
H「僕が忙しいと会える時間少ないし、エニシの部屋少し狭いから引っ越そうか悩んでたじゃん。だから僕の部屋で一緒にどうかな…と思って。」
E「…今のって…プロポーズですか?」
H「うん。まぁ…そうなるかな?ダメ?」
E「…………………。」
H「もぉ~なんか言ってよ!!」
E「…聞こえなかったから…もう一回…」
H「はぁ~!?なんでだよぉ~!!絶対に聞こえてたじゃんか~!!」
E「ねぇ~お願い!!」
H「ムリ。もう、恥ずかしい////」
E「お願いお願いお願~い!」
H「もぉ~!しかたないな~!いくよ?心の準備…できた…?」
E「うん。」
H「僕はまだ出来てない…」
あぁ~可愛い。
なんて僕の恋人は可愛いのだろう。
本当に可愛すぎる。
E「もぉ~はやく~!」
H「分かった分かった!」
僕はじっと恋人を見つめて胸に手を当てた。
H「…僕と結婚してください。」
E「はい。喜んで…」
H「じゃ、ここはもう予約済みだからね?ちゃんとシルシ付けておかないとだな…」
僕の恋人はそう言って恥ずかしそうに僕の左手薬指にキスを落とした。
僕の恋人の仕事が忙しいと二人の時間が少なくなると、僕たちはこんな当たり前な日常に幸せを感じる。
好きな人がいるという事
その人がそばにいてくれるという事
その人に愛されるという事
その人が元気に生きてるという事
当たり前のようで
当たり前ではない
ヒュウ…産まれてきてくれてありがとう。
そして、お誕生日おめでとう
ヒュウにとって素敵な一年になりますように…
僕はそう祈りながら腕の中で眠る可愛い恋人にキスを落とした。
おわり
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