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僕は今日から恋人の唇を管理する後編
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エニシサイド
恐る恐るキッチンを覗けば不機嫌に唇を尖らせている僕の恋人がいた。
僕の顔を見ると目を逸らして意味もなく冷蔵庫を開ける僕の恋人。
そんな恋人を後ろから抱きしめるが黙って何も言わない。
E「ヒュウ、ごめんね?気づかなくて。」
H「なにが。」
E「リップクリームのこと。」
H「別にいいよ。怒ってないし。ギンタとナエスズみたいにリップクリーム塗り合いっこしたいなんて僕は全然思ってないし。」
うん…
これは…
全然よくないし…
むしろめちゃくちゃ怒ってるし…
ギンタとナエスズみたいにリップクリーム塗り合いっこしたかった…
って事だよね…
E「僕はしたいな…ヒュウとリップクリームの塗り合いっこ…」
僕がそういうと慌てて顔だけ振り返り、僕を見つめる恋人。
H「ほんと!?ほんとにエニシも塗り合いっこしたい!?」
目をキラキラと輝かせる僕の恋人が可愛くて、思わず笑いがこみ上げてくるのを僕はグッと我慢する。
今は笑たらあかんとき…今は笑たらあかんときやぞ…と心の中で呪文を唱えながら。
E「当たり前じゃん…僕をヒュウの唇の管理人にしてくれる?」
僕は笑いがこみ上げてきそうなのをグッと堪えてそう言えば…
僕の恋人は飛びっきりの笑顔を見せてクルっと僕の方に向きを変えてギュッと僕に抱きついてきた。
H「エニシ大好き。」
そして、それから僕は恋人の唇の管理人となり、僕の恋人の唇がカサカサしてきた頃にリプクリームを取り出しては、恋人の可愛い唇に丁寧に優しく塗ってあげるようになった。
その時の僕の恋人ったら僕にされるがままで…まるで子供みたいに僕に身を任せてくるからそれはもう、可愛くてきっと僕は恋人の唇管理人が天職だと思う。
G「最近、ヒュウ嬉しそうにしてんじゃん?エニシにリップクリーム塗られるのが相当嬉しいんだろな?」
E「そうかな?」
なんて話していると僕の恋人が僕の横に座ってゴソゴソとポケットから何かを取り出した。
何気なくその手元に目をやると僕の恋人の手にはリプクリームが持たれていて、僕は二度見した。
え…
なんで…?
僕が塗ってあげるのに… 僕がヒュウの唇管理人なのに…
なんでヒュウは…
自分のポケットにあるリップクリームで?
なんで僕がいるのに僕の横で…
自分で自分の唇にリップクリーム…塗ってるの?
僕に塗られるの…嫌になっちゃった?
もしかして、僕はヒュウの唇管理人をクビにされたのですかぁぁぁあぁぁあ!?
僕がショックのあまり恋人がリップクリームを塗ってる姿をじっと横で見ていると。
H「ん?エニシもリップクリーム塗る?」
そう言ってニコッと僕に微笑んだ僕の可愛い恋人。
その笑顔にチクチクと僕の胸を痛み…泣きそうだ。
僕は本当に唇の管理人を解雇されたの…?
E「ヒュウ…なんで………」
僕がそう言いかけると…
僕の恋人は僕の襟元をキュッと掴んで自分の方に引き寄せ…
僕の唇に…
ぶちゅっとハムハムとキスをした。
え…?
え?
えぇぇぇ!?
H「えへへ~エニシもこれでリップクリーム塗れたね?」
無邪気な顔して僕の顔を覗き込む恋人に僕の顔だけが真っ赤に染まっていく。
E「ヒュウ////何やってんの!?」
H「ん?エニシの唇の管理人。ホントは僕もなりたかったんだ。これからはこうやってエニシの唇にリップクリームたーくさん塗ってあげるね。」
E「ヒュウ////」
G「おいおい。それお外では絶対にするなよ。」
ギンタは呆れ顔で、僕たちはそんなギンタを気にする事なく…
何度も何度も唇を重ねてリップバームを塗り合った。
そして、その横で…
こっそりとナエスズが僕たちを真似てギンタに全く同じことをしていたのは…
見なかったことにするね。
終わり
恐る恐るキッチンを覗けば不機嫌に唇を尖らせている僕の恋人がいた。
僕の顔を見ると目を逸らして意味もなく冷蔵庫を開ける僕の恋人。
そんな恋人を後ろから抱きしめるが黙って何も言わない。
E「ヒュウ、ごめんね?気づかなくて。」
H「なにが。」
E「リップクリームのこと。」
H「別にいいよ。怒ってないし。ギンタとナエスズみたいにリップクリーム塗り合いっこしたいなんて僕は全然思ってないし。」
うん…
これは…
全然よくないし…
むしろめちゃくちゃ怒ってるし…
ギンタとナエスズみたいにリップクリーム塗り合いっこしたかった…
って事だよね…
E「僕はしたいな…ヒュウとリップクリームの塗り合いっこ…」
僕がそういうと慌てて顔だけ振り返り、僕を見つめる恋人。
H「ほんと!?ほんとにエニシも塗り合いっこしたい!?」
目をキラキラと輝かせる僕の恋人が可愛くて、思わず笑いがこみ上げてくるのを僕はグッと我慢する。
今は笑たらあかんとき…今は笑たらあかんときやぞ…と心の中で呪文を唱えながら。
E「当たり前じゃん…僕をヒュウの唇の管理人にしてくれる?」
僕は笑いがこみ上げてきそうなのをグッと堪えてそう言えば…
僕の恋人は飛びっきりの笑顔を見せてクルっと僕の方に向きを変えてギュッと僕に抱きついてきた。
H「エニシ大好き。」
そして、それから僕は恋人の唇の管理人となり、僕の恋人の唇がカサカサしてきた頃にリプクリームを取り出しては、恋人の可愛い唇に丁寧に優しく塗ってあげるようになった。
その時の僕の恋人ったら僕にされるがままで…まるで子供みたいに僕に身を任せてくるからそれはもう、可愛くてきっと僕は恋人の唇管理人が天職だと思う。
G「最近、ヒュウ嬉しそうにしてんじゃん?エニシにリップクリーム塗られるのが相当嬉しいんだろな?」
E「そうかな?」
なんて話していると僕の恋人が僕の横に座ってゴソゴソとポケットから何かを取り出した。
何気なくその手元に目をやると僕の恋人の手にはリプクリームが持たれていて、僕は二度見した。
え…
なんで…?
僕が塗ってあげるのに… 僕がヒュウの唇管理人なのに…
なんでヒュウは…
自分のポケットにあるリップクリームで?
なんで僕がいるのに僕の横で…
自分で自分の唇にリップクリーム…塗ってるの?
僕に塗られるの…嫌になっちゃった?
もしかして、僕はヒュウの唇管理人をクビにされたのですかぁぁぁあぁぁあ!?
僕がショックのあまり恋人がリップクリームを塗ってる姿をじっと横で見ていると。
H「ん?エニシもリップクリーム塗る?」
そう言ってニコッと僕に微笑んだ僕の可愛い恋人。
その笑顔にチクチクと僕の胸を痛み…泣きそうだ。
僕は本当に唇の管理人を解雇されたの…?
E「ヒュウ…なんで………」
僕がそう言いかけると…
僕の恋人は僕の襟元をキュッと掴んで自分の方に引き寄せ…
僕の唇に…
ぶちゅっとハムハムとキスをした。
え…?
え?
えぇぇぇ!?
H「えへへ~エニシもこれでリップクリーム塗れたね?」
無邪気な顔して僕の顔を覗き込む恋人に僕の顔だけが真っ赤に染まっていく。
E「ヒュウ////何やってんの!?」
H「ん?エニシの唇の管理人。ホントは僕もなりたかったんだ。これからはこうやってエニシの唇にリップクリームたーくさん塗ってあげるね。」
E「ヒュウ////」
G「おいおい。それお外では絶対にするなよ。」
ギンタは呆れ顔で、僕たちはそんなギンタを気にする事なく…
何度も何度も唇を重ねてリップバームを塗り合った。
そして、その横で…
こっそりとナエスズが僕たちを真似てギンタに全く同じことをしていたのは…
見なかったことにするね。
終わり
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