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190話
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ジョウキside
アナが手術をしてから1年が過ぎた。
手術後、順調にアナの傷口と病状は落ち着き、医師の承認がおりてすぐ嬉しそうな顔をして日本に帰国した。
空港まで迎えに行ったら、ファンに見つかったらどうすんの!?って鼻の穴全開で怒ってたけど、そんなアナの顔も可愛くて仕方なかった。
手術の際にに剃ったアナの髪はだいぶ伸びたが、本人は短いのが気に入ったようで今はベリーショートで桜色の髪色だ。
俺は個人的には個性的な髪型よりも黒髪ロングストレートが好きなんだけどな…なんて言ったら「じゃ、そんな女と付き合えば?」 なーんて真顔で言うようになっちゃってさ?
泣き虫で可愛かったアナはどこに行っちゃったんだう?っと最近、全然構ってもらえなくなった俺は寂しくて毎日拗ねている。
そして、俺は久しぶりにあのジャケットに袖を通して襟を整えながらみんなに愚痴る。
J「俺にベッタリだったのはイギリスから帰ってきてから2ヶ月ぐらいだけだよ?そのあとなんて俺のことなんて二の次だもん…」
すると、綺麗にセットされた髪の毛に満足気なハヤセくんが言った。
H「しょ~がないじゃん?アナはそれだけ責任感が強いってことなんじゃないの?」
T「そうだよ。むしろ、それがアナのいいところ。やっぱ、ジョウキにアナを任せたのが間違いだったかな?」
トウヤくんはこの日のために染め直したブルーの髪を揺らしながら俺に言った。
M「ジョウキそんなことばっか言ってたら本当にアナに捨てられるよ?」
マハロくんはスマホで誰かとやり取りをしながらそう話す。
N「ジョウキは昔から独占欲強かったからな~。」
R「これじゃ、ほんとアナも大変だろうな…?」
S「お前より俺の方がアナのこと幸せに出来ると思う。」
ノアくんとレンくん、そしてショウくんは俺をそう言っていつものように揶揄い楽しんでいる。
J「そんな縁起でもないこと言わないでくださいよ。」
俺がそう嘆いているとマハロくんが手をあげる。
M「あ、ユナ!こっちこっち!」
ユナは黒いゆったりとしたロングドレスを靡かせ、蝶ネクタイをしたゴナがやって来た。
M「ユナ、ここまで2人で大丈夫だった?」
Y「ごめんお待たせして。うん!大丈夫!」
背の高いユナはロングドレスがよく似合っていてゴナはますますマセガキになっている。
J「じゃ、そろそろ行きますか?」
俺が先頭に立ち中に入って行くと、そこはもう沢山の人で賑わっておりフラッシュがあちこちで光っている。
G「あっ!!あそこにいたよ!!」
いつの間にかマハロくんの腕に抱っこされていたゴナが嬉しそうに指を差した。
その指の方を視線で辿って行くと、俺はいつもの印象とは違う愛おしい人を見つけ驚いた。
シャンパンゴールドのドレスがよく似合っていて、俺は周りにいるメディアの人達に構うことなく、取材されている彼女のところに人をかき分けて行った。
そして、眩しいくらいのフラッシュが光る中…俺は彼女と目が合う。
今朝までショートカットだったはずの彼女はいつの間にか俺の好きな黒髪ロングのストレートヘアになっていてサラサラと靡かせている。
そんな彼女を見た俺は彼女の目の前に向かう。
俺に気づいたメディア達がサッと場所をあけた。
俺は彼女を見つめて微笑むとゆっくり膝まづき…彼女の手を取りながらこう言った。
J「アナさん…cherryblossom-C&Jのグランドオープンおめでとうございます…」
A「…あ…ありがとうございます…」
アナはオーナーデザイナーとしてcherry blossomの姉妹アパレルブランド-cherry blossomC&Jを日本でオープンさせた。
そして、アナの後ろにはこのジャケットを着た俺を筆頭に、他のメンバーの写真が壁に大きく飾られている。
まさか、イギリスでの仕事がcherry blossom-C&Jのグローバルアンバサダーだったなんて俺もびっくりした。
そして、俺は背中に隠してあった108本の赤い薔薇の花束をアナの目の前に差し出した。
A「うわぁ…綺麗…」
J「この薔薇は全部で108本あります。あなたはこの意味を…知ってますか…?」
俺がそう問いかけると…アナの瞳から涙がポタポタと溢れ出した。
つづく
アナが手術をしてから1年が過ぎた。
手術後、順調にアナの傷口と病状は落ち着き、医師の承認がおりてすぐ嬉しそうな顔をして日本に帰国した。
空港まで迎えに行ったら、ファンに見つかったらどうすんの!?って鼻の穴全開で怒ってたけど、そんなアナの顔も可愛くて仕方なかった。
手術の際にに剃ったアナの髪はだいぶ伸びたが、本人は短いのが気に入ったようで今はベリーショートで桜色の髪色だ。
俺は個人的には個性的な髪型よりも黒髪ロングストレートが好きなんだけどな…なんて言ったら「じゃ、そんな女と付き合えば?」 なーんて真顔で言うようになっちゃってさ?
泣き虫で可愛かったアナはどこに行っちゃったんだう?っと最近、全然構ってもらえなくなった俺は寂しくて毎日拗ねている。
そして、俺は久しぶりにあのジャケットに袖を通して襟を整えながらみんなに愚痴る。
J「俺にベッタリだったのはイギリスから帰ってきてから2ヶ月ぐらいだけだよ?そのあとなんて俺のことなんて二の次だもん…」
すると、綺麗にセットされた髪の毛に満足気なハヤセくんが言った。
H「しょ~がないじゃん?アナはそれだけ責任感が強いってことなんじゃないの?」
T「そうだよ。むしろ、それがアナのいいところ。やっぱ、ジョウキにアナを任せたのが間違いだったかな?」
トウヤくんはこの日のために染め直したブルーの髪を揺らしながら俺に言った。
M「ジョウキそんなことばっか言ってたら本当にアナに捨てられるよ?」
マハロくんはスマホで誰かとやり取りをしながらそう話す。
N「ジョウキは昔から独占欲強かったからな~。」
R「これじゃ、ほんとアナも大変だろうな…?」
S「お前より俺の方がアナのこと幸せに出来ると思う。」
ノアくんとレンくん、そしてショウくんは俺をそう言っていつものように揶揄い楽しんでいる。
J「そんな縁起でもないこと言わないでくださいよ。」
俺がそう嘆いているとマハロくんが手をあげる。
M「あ、ユナ!こっちこっち!」
ユナは黒いゆったりとしたロングドレスを靡かせ、蝶ネクタイをしたゴナがやって来た。
M「ユナ、ここまで2人で大丈夫だった?」
Y「ごめんお待たせして。うん!大丈夫!」
背の高いユナはロングドレスがよく似合っていてゴナはますますマセガキになっている。
J「じゃ、そろそろ行きますか?」
俺が先頭に立ち中に入って行くと、そこはもう沢山の人で賑わっておりフラッシュがあちこちで光っている。
G「あっ!!あそこにいたよ!!」
いつの間にかマハロくんの腕に抱っこされていたゴナが嬉しそうに指を差した。
その指の方を視線で辿って行くと、俺はいつもの印象とは違う愛おしい人を見つけ驚いた。
シャンパンゴールドのドレスがよく似合っていて、俺は周りにいるメディアの人達に構うことなく、取材されている彼女のところに人をかき分けて行った。
そして、眩しいくらいのフラッシュが光る中…俺は彼女と目が合う。
今朝までショートカットだったはずの彼女はいつの間にか俺の好きな黒髪ロングのストレートヘアになっていてサラサラと靡かせている。
そんな彼女を見た俺は彼女の目の前に向かう。
俺に気づいたメディア達がサッと場所をあけた。
俺は彼女を見つめて微笑むとゆっくり膝まづき…彼女の手を取りながらこう言った。
J「アナさん…cherryblossom-C&Jのグランドオープンおめでとうございます…」
A「…あ…ありがとうございます…」
アナはオーナーデザイナーとしてcherry blossomの姉妹アパレルブランド-cherry blossomC&Jを日本でオープンさせた。
そして、アナの後ろにはこのジャケットを着た俺を筆頭に、他のメンバーの写真が壁に大きく飾られている。
まさか、イギリスでの仕事がcherry blossom-C&Jのグローバルアンバサダーだったなんて俺もびっくりした。
そして、俺は背中に隠してあった108本の赤い薔薇の花束をアナの目の前に差し出した。
A「うわぁ…綺麗…」
J「この薔薇は全部で108本あります。あなたはこの意味を…知ってますか…?」
俺がそう問いかけると…アナの瞳から涙がポタポタと溢れ出した。
つづく
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