二人の王子様はどっちが私の王様？

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アナside 

しばらくするとゴナはそのまま泣き疲れて眠ってしまった。

A「ユナさっきはごめん…。泣いたのバレないようにしたつもりだったのに…」

Y「ゴナね…誰に似たのかそういう事には敏感でね…？」

私の横で眠るゴナはスヤスヤと寝息を立てていて、その音が心地いい。

A「うん…。」

Y「アナが前にマハロとゴナのアザの事で虐待じゃないかって話してたことがあったんでしょ？」

ユナは少し微笑みながら言った。

A「あぁ…うん」

Y「あれ実はね？この子、いつも二階の自分の部屋から飛び降て私の元に来るために家から脱走してたの…。その時にいつもアザを作ってたんだ。しかもそれがね？決まって私が落ち込んだり…悲しんだりしてる時だったの…。それを繰り返すからジロの奥さんも、もうお手上げだって…言われてね。ゴナとの関係が悪くなっていったの。この子には何か不思議な力があるのかもね？」

ユナはゴナの頭を何度も撫でながらそう言った。

A「ゴナには…私のこと全てお見通しなのかな…」

私がため息まじりに言うとユナは少し笑った。

A「なんで笑うのよ…？」

Y「ゴナ、小さな頃からアナと結婚する気満々だからじゃない？ジョウキに本気でヤキモチ妬いてたし…未だにジョウキだけ呼び捨てで。この際、ジョウキなんてやてめてゴナにしといたら？」

ユナは笑いながらそう言った。

A「ホント…もうそうしよかな…。ユナにまで変な嘘をつかせてごめんね？私、もう真実を知っても手術を受けないとか言わないから…安心して…」

私がそう言うとユナは私の肩を持ちじっと私の目をみた。

A「な…なによ…」

Y「それならよかった…でも、私が言ったことが嘘なのかどうかは…ジョウキ本人にちゃんと確かめなさい。手術前に連絡…してみれば？」

ユナはそう言って私の肩を解放した。

しばらくするとパパ達も戻り、病室は賑やかになった。

パパはゴナを抱っこしてデレデレしている。

父「いまや、ゴナはキッズブランドを支えるモデルだからな～！何か欲しいものがあったらおじさんが買ってあげよう！」

パパはゴナに本当に甘い。

私が言うのもなんだけど…激甘…だ。

G「なにもいらないよぉ？あ！そうだ！おれ！いもうとがほしい！おにいちゃんになりたい！」

ゴナのその言葉を聞いてユナは飲んでいたコーヒーを吹き出した。

「ユナさん大丈夫ですか？」

リツはそう言ってハンカチをユナに手渡す。

Y「す…すいません大丈夫です！」

父「あぁ～残念ながらそれはおじさんにどうする事もできんな～！あはは～！」

母「ユナちゃんとマハロくんならどっちに似ても美人さんでイケメンね～！！おばさん楽しみだな～♪」

そんなことを言うママに苦笑いを浮かべるユナがいた。

私はあの時、ジョウキがいなきゃ生きてる意味なんてないって言ったけど…それはきっと間違ってた。

生きるのに意味なんて必要ない。

生きていくことに意味がある。

私はそれ気づいた。

ジョウキは私にとってはじめての友達であり…

初恋の人…

それは何があっても変わらない事実で私はそれを胸に刻んでこれから生きていくことにした。

つづく