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144話

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ジョウキside

次の日の朝

俺はユナと一緒にヒスイさんの家へと向かうためにマハロくんの部屋を訪れた。

J「おはよ…」

Y「きのう眠れたの…?」 

J「いや…」

Y「そう…マハロ申し訳ないけどゴナのことよろしくね?」

ユナはため息混じりに困った顔で俺を見て、ゆっくりと振り返りゴナを抱っこしたマハロくんに微笑みかけた。

M「任せといて!ゴナ!今日はハヤセくんと3人でピクニック行こうな!」 

G「うん♪おれハヤセくんだいしゅき!ママあってらっしゃ~い!!」

Y「いってきます!じゃ、ジョウキ行こう…」

そうして俺とユナはタクシーでレンさんの家へと向かった。

ユナに続いてタクシーから降りるとそこには俺が仰反るようなお城が聳え立っていた。

J「マジかよ…こんなお城みたいな家に住んでんのかよ…」

Y「言ったでしょ?アナは世界的一流ブランドの社長令嬢だって。ちなみにヒスイさんはウチの副社長だからね…?」

J「ますます気が重くなってきたわ…」

Y「しっかりしなさいよ!ジョウキがそんなんでどうすんの!?ちゃんとヒスイさんを説得させてアナを連れて帰るんでしょ!」

J「はい…そうです。すいません…。」

Y「じゃ!いくよ!」

そう言ってユナは勢いよく息を吸い込み、大きな門の横にあるインターホンを押した。

すると、中から優しそうな顔の男性が微笑みながら出てきて重そうな門を開けてくれた。

Y「リツさんお久しぶりです。ご無沙汰しております。」

「ユナさんお元気そうで。キッズブランドでのご活躍しっかりと伺ってますよ…。」

そう言ってリツさんという男性はユナに優しい笑顔を向けた。

Y「ありがとうございます。あ…こちらヒスイさんがお呼びで一緒にお連れしました橘ジョウキさんです。こちらはヒスイさんの秘書のリツさん…」

J「は…初めまして橘ジョウキと申します…」

「初めましてリツと申します。では…ヒスイ様もお待ちですので中の方にどうぞ…」

そう言ってリツさんは中へと案内してくれた。

門からこれだけ歩かなきゃ玄関に着かないって家って…マジかよ…俺はオドオドしながら歩き、ようやく着いた玄関の扉をリツさんがゆっくりと開けると、吹き抜けの空間にお屋敷でしか見たことのない螺旋階段が恐ろしくなるほどの存在感を醸し出していた。

「こちらでヒスイ様がお待ちです…」

そう言って扉の前に立たされた俺とユナ。

俺は自分に気合いを入れ扉を叩いた。

扉の向こうから低い声で返事が聞こえたので俺は重い扉を開けてゆっくりと中に入った。

すると大きな革張りのソファに座るヒスイさんがいた。

緊張のせいか自分の体に力が入って強張るのが分かる。 

「こちらにどうぞ…」

そう言ってヒスイさんは自分の向かい側にあるソファを示す。

俺とユナは軽く会釈をしソファに向かった。

J「あ…あの…昨日は大変失礼な態度をとってしまい申し訳ございませんでした…改めてご挨拶をさせて頂きます…橘ジョウキと申します。」

「いや、私こそカッとなってしまい申し訳ない…アナの兄です。とりあえず座って話そうか。」

J「はい…」

ヒスイさんに促され俺とユナはソファに座った。

つづく
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