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132話
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アナside
ジョウキが倒れた瞬間、私は思わず周りも気にせずにジョウキの元へと駆け寄っていた。
A「ジョウキ…!ジョウキ!大丈夫?ジョウキってば!」
ジョウキの肩を軽く叩きながら呼ぶが、ジョウキの目はぼんやりとしていて視点をとらえていない。
すると、うわ言のようにジョウキは私の名前をボソッとつぶやいた。
J「アナ…?」
私はジョウキの頬を両手で包み込みジョウキに問いかけた。
A「ジョウキ…だ…大丈夫なの!?」
ジョウキは私の声に応える代わりにゆっくりと手を伸ばし私の頬を優しく撫でる。
そして…片方の眉をクイっと上げてこう言った。
J「アナ…やっと見つけた…」
そして、ジョウキはまた、まぶたを閉じて意識を失った。
A「ジョウキ!」
私がジョウキの身体を揺さぶろうとするとハヤセがそっと横に来て私の手を止めた。
H「大丈夫だよ。熱があるからホテルで休ませよう。マネージャー、ジョウキとアナを先にホテルまで送ってあげてください!」
「そうだな!分かった!アナちゃん、ジョウキを運ぶの手伝ってもらえるかな?」
A「はい…」
衣装のままのジョウキを2人で抱え、私とマネージャーさんはホテルへと向かった。
ホテルに着きベッドにジョウキを寝かせる。
「アナちゃん…申し訳ないんだけどあとはジョウキのことお願いしていいかな?」
A「え…!?」
「俺は他のメンバーも迎えに行かなきゃいけないんだよ…だから…お願いできる?」
A「わ…分かりました…」
私の言葉を聞いてマネージャーさんは部屋を飛び出るような勢いでまた会場へと戻った。
汗でベトベトなままの衣装で眠るジョウキを見て、私は開けっぱなしになっているジョウキのトランクを見る。
しょうがないよね…このまま寝かせるわけにはいかないもん。
私はトランクに入っていたTシャツと短パンを手に取りベッドの横へと置いた。
そして、シャワールームにいきタオルをお湯で湿らせる。
こんな状況だもの放っておくわけにはいかないもんね。
私は水を含んだタオルをギュッと絞りベッドへと戻った。
相変わらず苦しそうな息遣いをするジョウキの胸元のボタンを震える手でゆっくりとひとつひとつ開けていく。
汗ばんだ胸元をタオルで拭くとジョウキはうめき声のような声を出す。
身体を冷やしすぎると良くないと思い素早く衣装を全部脱がし、Tシャツと短パンを着させた。
はぁ…心臓バクバクしてコッチが熱でそうだ。
そして、近くのスーパーでゆず茶を買って部屋へ戻ると寝ているはずのジョウキの声がして私は思わず固まった。
J「誰…?」
ジョウキが冷静に問いかけながらコッチに来るのが分かった。
そして、私の姿を見たジョウキの動きは一瞬…止まった。
J「アナ…」
ジョウキは私に飛び込んできそうな勢いで私の所へ走ってきた。
A「ちょ、ちょっと待って!ストップ!ストップ!スト~ップ!!」
私は咄嗟に全力で拒んでしまい、ジョウキの泣きそうな顔見て自分の行動を少し後悔した。
ジョウキでもね… 私は感動的な再会の前にちゃんとジョウキと向き合わなきゃだめでしょ。
私はあの時逃げだしたから。
A「え…あ!こ…これ!ゆず茶…とりあえずこれ飲んでから…ね?」
私は部屋の奥へと入りマグカップにお湯を入れてゆず茶を淹れた。
無言のままベッドに座るジョウキの姿が鏡越しにチラっと見える。
ヤバイな…緊張で…心臓が口から出そうだ…そう思いながらマグカップをジョウキに差し出す。
A「はい。これ飲んで?」
私はベッドに座るジョウキとちょうど、向かい同士になるように隣のベッドに腰掛けた。
ジョウキはマグカップの中で揺れるゆず茶をフーフーっと冷ましながら飲む。
J「うんまぁ…」
A「良かった…ねぇ…熱はどう?」
私は立ち上がりジョウキの横へと移動して手のひらをジョウキのおでこに乗せた。
A「だいぶ熱下がったね…みんなももうすぐ戻って来るみたいだから…」
私がそう言ってジョウキのおでこから手を離すとジョウキにガシっと手首を掴まれた。
A「え…。」
J「え…じゃないだろ。今までどこにいたんだよ…何、平気な顔して俺の前に座ってんだよ…」
ジョウキの目は真っ直ぐすぎて直視したら心の中を全部読まれてしまいそうだった。
A「ごめんね…あんな逃げるようなマネして…」
J「俺言ったよな?アナが好きだって。海外の仕事から帰ってきたら答えを聞かせてほしいって。なのに…ずるいよ…あんなの…」
A「ごめん…」
私はジョウキの言葉になにも次の言葉が浮かばなくて謝ることしかできない。
J「アナがいなくなったこの数ヶ月間…俺はどんな気持ちだったと思う?どこにいるかも分からないアナを当てもなく探し回ったんだぞ?」
A「うん…ご…ごめん…」
気づけば私の目から涙が流れていた。
私が酷いことしたのになんで私が泣くのよ…
そう思えば思うほど涙がとめどなく溢れてしまう。
ジョウキが私の頬に手を伸ばし親指で涙をスッと拭う。
ジョウキの目をみると彼の目にも大粒の涙があふれだしていた。
つづく
ジョウキが倒れた瞬間、私は思わず周りも気にせずにジョウキの元へと駆け寄っていた。
A「ジョウキ…!ジョウキ!大丈夫?ジョウキってば!」
ジョウキの肩を軽く叩きながら呼ぶが、ジョウキの目はぼんやりとしていて視点をとらえていない。
すると、うわ言のようにジョウキは私の名前をボソッとつぶやいた。
J「アナ…?」
私はジョウキの頬を両手で包み込みジョウキに問いかけた。
A「ジョウキ…だ…大丈夫なの!?」
ジョウキは私の声に応える代わりにゆっくりと手を伸ばし私の頬を優しく撫でる。
そして…片方の眉をクイっと上げてこう言った。
J「アナ…やっと見つけた…」
そして、ジョウキはまた、まぶたを閉じて意識を失った。
A「ジョウキ!」
私がジョウキの身体を揺さぶろうとするとハヤセがそっと横に来て私の手を止めた。
H「大丈夫だよ。熱があるからホテルで休ませよう。マネージャー、ジョウキとアナを先にホテルまで送ってあげてください!」
「そうだな!分かった!アナちゃん、ジョウキを運ぶの手伝ってもらえるかな?」
A「はい…」
衣装のままのジョウキを2人で抱え、私とマネージャーさんはホテルへと向かった。
ホテルに着きベッドにジョウキを寝かせる。
「アナちゃん…申し訳ないんだけどあとはジョウキのことお願いしていいかな?」
A「え…!?」
「俺は他のメンバーも迎えに行かなきゃいけないんだよ…だから…お願いできる?」
A「わ…分かりました…」
私の言葉を聞いてマネージャーさんは部屋を飛び出るような勢いでまた会場へと戻った。
汗でベトベトなままの衣装で眠るジョウキを見て、私は開けっぱなしになっているジョウキのトランクを見る。
しょうがないよね…このまま寝かせるわけにはいかないもん。
私はトランクに入っていたTシャツと短パンを手に取りベッドの横へと置いた。
そして、シャワールームにいきタオルをお湯で湿らせる。
こんな状況だもの放っておくわけにはいかないもんね。
私は水を含んだタオルをギュッと絞りベッドへと戻った。
相変わらず苦しそうな息遣いをするジョウキの胸元のボタンを震える手でゆっくりとひとつひとつ開けていく。
汗ばんだ胸元をタオルで拭くとジョウキはうめき声のような声を出す。
身体を冷やしすぎると良くないと思い素早く衣装を全部脱がし、Tシャツと短パンを着させた。
はぁ…心臓バクバクしてコッチが熱でそうだ。
そして、近くのスーパーでゆず茶を買って部屋へ戻ると寝ているはずのジョウキの声がして私は思わず固まった。
J「誰…?」
ジョウキが冷静に問いかけながらコッチに来るのが分かった。
そして、私の姿を見たジョウキの動きは一瞬…止まった。
J「アナ…」
ジョウキは私に飛び込んできそうな勢いで私の所へ走ってきた。
A「ちょ、ちょっと待って!ストップ!ストップ!スト~ップ!!」
私は咄嗟に全力で拒んでしまい、ジョウキの泣きそうな顔見て自分の行動を少し後悔した。
ジョウキでもね… 私は感動的な再会の前にちゃんとジョウキと向き合わなきゃだめでしょ。
私はあの時逃げだしたから。
A「え…あ!こ…これ!ゆず茶…とりあえずこれ飲んでから…ね?」
私は部屋の奥へと入りマグカップにお湯を入れてゆず茶を淹れた。
無言のままベッドに座るジョウキの姿が鏡越しにチラっと見える。
ヤバイな…緊張で…心臓が口から出そうだ…そう思いながらマグカップをジョウキに差し出す。
A「はい。これ飲んで?」
私はベッドに座るジョウキとちょうど、向かい同士になるように隣のベッドに腰掛けた。
ジョウキはマグカップの中で揺れるゆず茶をフーフーっと冷ましながら飲む。
J「うんまぁ…」
A「良かった…ねぇ…熱はどう?」
私は立ち上がりジョウキの横へと移動して手のひらをジョウキのおでこに乗せた。
A「だいぶ熱下がったね…みんなももうすぐ戻って来るみたいだから…」
私がそう言ってジョウキのおでこから手を離すとジョウキにガシっと手首を掴まれた。
A「え…。」
J「え…じゃないだろ。今までどこにいたんだよ…何、平気な顔して俺の前に座ってんだよ…」
ジョウキの目は真っ直ぐすぎて直視したら心の中を全部読まれてしまいそうだった。
A「ごめんね…あんな逃げるようなマネして…」
J「俺言ったよな?アナが好きだって。海外の仕事から帰ってきたら答えを聞かせてほしいって。なのに…ずるいよ…あんなの…」
A「ごめん…」
私はジョウキの言葉になにも次の言葉が浮かばなくて謝ることしかできない。
J「アナがいなくなったこの数ヶ月間…俺はどんな気持ちだったと思う?どこにいるかも分からないアナを当てもなく探し回ったんだぞ?」
A「うん…ご…ごめん…」
気づけば私の目から涙が流れていた。
私が酷いことしたのになんで私が泣くのよ…
そう思えば思うほど涙がとめどなく溢れてしまう。
ジョウキが私の頬に手を伸ばし親指で涙をスッと拭う。
ジョウキの目をみると彼の目にも大粒の涙があふれだしていた。
つづく
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