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76話

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マハロside

A「ユナが気づかない訳が無いじゃん…もしかしてそれでゴナを取り戻そうとか考えてる?」

アナの問いかけに俺はギクっとして下を向くしかなかった。

A「虐待があるかどうかは証拠がないから分からないでしょ?常にゴナの体にアザがあったわけでもないし…何よりもし、そんな事が起きてたらユナが…手に負えないよ…」

M「ユナが手に負えないって…?」

A「マハロはまだ知らない。ユナがキレたらどうなるか…もし、それが本当なら血を見る事件がおきてもおかしくない…」

アナからユナの意外な一面を聞かされた俺は少し驚く。

M「え…でもじゃ、どうすればいいんだよ…」

A「実はね?会社であるプロジェクトがあってそれをユナに任せるつもりなの。母親であるユナにピッタリなプロジェクト!それを今、パパにプレゼンしててね?それが通れば金銭面的にも更に安定するし時間にも余裕ができる。そうなればジロさんと話し合ってゴナを引き取れるかもしれないの。私だってマハロに負けないくらいユナの事…考えてるよ?」

アナはいつもとは違うキリッとした目つきで話してるかと思ったらふわっと笑っていつものアナに戻った。

きっとトウヤとジョウキはアナのそういうとこに惹かれたのかな…?俺はこの時初めてそう思った。

M「じゃ、俺がしたことは無意味ってこと…?だねw」

A「そんな事ない相手を知ればどう動けばいいかが分かる。だから2人のことを調べて間違いはないよ!」

M「そっか、なんかごめんね?1人で突っ走っちゃってさ…」

A「それだけユナのこと好きってことでしょ…?」

M「うん。大切にしたいって初めて思えた人なんだ…」

やっぱりマハロならユナのことそう言ってくれると思ってたよ。

私はそれが自分の事のように嬉しくて顔がほころぶ。

A「ちょっとやめてよ!こっちが恥ずかしい。あ!ユナがもう少ししたらくるけどマハロも一緒にご飯でも食べて帰る?」

M「あぁ~今日はやめとく!明日のMVに向けてジムで絞ってくるよ!」

A「そっか!明日、よろしくお願いします!」

M「こちらこそ!じゃ、明日ね~」

A「はぁ~い気をつけて!」

アナはわざわざ玄関まで出てきて俺を見送ってくれた。

エレベーターに乗る前にチラッと振り返ってアナの玄関をみると、まだ笑顔で手を振ってくれていた。

うん…こりゃ2人がベタ惚れになっても仕方ない。

まぁ、ユナには敵わないけどね?

下に降りていくエレベーターに乗りながらそんなことを思っているとエレベーターの扉が開いた。

Y「なに1人でニヤニヤしてんの?」

そこにはユナが立っていて思わず俺は固まった。


つづく
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