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69話
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アナside
私とユナはいつも通り手慣れた手つきでドレスを仕上げていく。
隣にいる男2人は手伝うと言いながら結局は5分もしたら飽きてカーペットの上で雑誌を見ながらゴロゴロしてる。
そんな2人をみてふと頭に過ったのはあのセナさんの顔だった。
A「ねぇ…今更なんだけど…このドレスさセナさんが提案したものなのに私達が勝手にイジっちゃって良かったのかな?」
私がそう言うとトウヤとマハロが同時にこっちへ顔を向けた。
T「うん…納得したみたいだよ?当日のスタイリストもセナがやることになったみたいだし!」
Y「え…あの子がスタイリストなの…」
私の事があり、あからさまに嫌な顔をするユナを私が肘で突っつくとユナはあっ!とした顔をして2人の様子を伺う。
M「セナとなんかあった?」
マハロが座り直し私達に問いかける。
A「ないない!この前もろくに話さないままだったし!ねぇ?」
Y「そ、そうそう!ちょっと気が強いから絡みづらいなって思っただけ!」
A「ユナ…!」
ついつい言ってしまったユナの本音に私は苦笑いしか出てこない。
すると目の前に座るマハロが少し怖い顔をして私達に言った。
M「気が強い?んなわけないじゃん!この前のは…きっと納得がいってなかっただけで…本当のセナは優しくて思いやりがあって、いつも目の前の事に一生懸命な子なんだよ?2人がそんな風にセナの事思ってたとかちょっと…ショックだし…!!」
珍しくいつも笑顔を絶やさないマハロが声を荒げ怖い顔してそう言い、そんなマハロの様子を少し切な気そうな目でユナは見つめていた。
A「ごめん!そうだね…何も知らないのに勝手なイメージでそんな事言って…」
ユナはマハロの言葉に何も言わず、淡々とドレスを縫い始める。
そんなユナに気づいたのかマハロはハッとした顔をして笑いながら言った。
M「俺こそごめん!仕事仲間のことだからつい…本当ごめん!あはは~」
T「マハロ…俺もびっくりしたし!!」
M「トウヤもごめんごめん!ユナもごめんね?」
マハロはいつもの優しい顔でユナに微笑むが、ユナはマハロと目を合わせようとせず、手元を見たまま作業を続け軽く一瞬、微笑むだけだった。
A「ユナはさ作業に集中するといつもこんなんだから!あはは~気にしないで~!」
そう言いながらユナの脇腹を肘で突っついたがユナは無表情のまま特に表情を変えることはなかった。
T「ユナもしかしてセナとマハロにヤキモチ焼いてんの?」
そう言ったトウヤの笑顔に私ははじめてイラつきを覚えた。
気まずい空気の中、ドレスもなんとか仕上がった頃には完全に2人の男子は寝落ちしていた。
A「ユナありがとう~助かった~!ってか、2人とも寝ちゃったね?」
私がいつもより幼い顔になった2人の男を指差しながら言うとユナはドレスを縫い始めて初めて口を開いた。
Y「マハロさ…たまにの休みなんだから家でゆっくりすればいいのにね?わざわざ連絡されたり会いたいって言われたらその気になっちゃうよね…」
どうやらユナはさっきのマハロの言葉がまだ引っかかっている様子だった。
A「あのさ…ユナ?マハロの事なんだけど…」
Y「ないよ。私は今を楽しんでるだけ…私にはゴナがいれば何もいらない…だからマハロとは…ない…。」
長い付き合いだからユナの目を見れば分かるその言葉が本気なのかどうなのか。
だから、ユナの声が少し震えていたのは気づかなかった事にするよ…?
A「そっか…じゃゴナと一緒に暮らせるように頑張らなきゃね!ウチの会社でのこの立場なら裁判でなんとかなりそうなんだけど…」
Y「もっと確実にしなきゃ…ジロが口出し出来ないぐらいにならなきゃ…」
A「わかった!私も協力するからさ!とりあえず…もう夕方だしお腹すいた。飲みに行かない?」
私がお腹を撫でながら言うとユナはいつもの笑顔に戻り私と肩を組んだ。
Y「行きますか!じゃ、このお二人さん…起こす?」
ユナはいつものユナに戻り、トウヤとマハロを交互に指を指しながら口を尖らしてふざけてる。
A「いや、むしろ起きてもらわなきゃこっちが困りますからね!!あとはあの面白いお兄さんも誘う?」
Y「あぁ~ハヤセ?いいね~ってかむしろ、ハヤセは強制参加だからね。」
私のノリにユナも乗っかりメールでユナのお兄様の店へ強制的に来るようハヤセにメールを送った。
そして、寝ている男子2人を起こすと色気ダダ漏れで2人が起き上がる。
A.Y「おはようございます//」
T「ん?おはよ…あぁ~腹減ったな…?」
M「……。」
起き上がったマハロの顔に元気がなくて私は顔を覗き込む。
あ、さてはマハロ!寝起き悪いタイプだな~?
そう思いながら私は2人を誘った。
A「今からユナのお兄さんの店へ行こうと思うんだけど…2人も一緒にどう?」
T「いいねぇ~!行く行く~!ね?マハロ!」
トウヤははぴょんと立った寝癖を直しながら言った。
M「あ…ごめん…俺夜は予定あるから…帰るね…」
マハロはそう言って慌てた様子で私達よりも一足先に部屋を出た。
私はユナの様子も気になったがハヤセにも声を掛けてる事もあり、私はトウヤとユナを連れてタクシーに乗った。
つづく
私とユナはいつも通り手慣れた手つきでドレスを仕上げていく。
隣にいる男2人は手伝うと言いながら結局は5分もしたら飽きてカーペットの上で雑誌を見ながらゴロゴロしてる。
そんな2人をみてふと頭に過ったのはあのセナさんの顔だった。
A「ねぇ…今更なんだけど…このドレスさセナさんが提案したものなのに私達が勝手にイジっちゃって良かったのかな?」
私がそう言うとトウヤとマハロが同時にこっちへ顔を向けた。
T「うん…納得したみたいだよ?当日のスタイリストもセナがやることになったみたいだし!」
Y「え…あの子がスタイリストなの…」
私の事があり、あからさまに嫌な顔をするユナを私が肘で突っつくとユナはあっ!とした顔をして2人の様子を伺う。
M「セナとなんかあった?」
マハロが座り直し私達に問いかける。
A「ないない!この前もろくに話さないままだったし!ねぇ?」
Y「そ、そうそう!ちょっと気が強いから絡みづらいなって思っただけ!」
A「ユナ…!」
ついつい言ってしまったユナの本音に私は苦笑いしか出てこない。
すると目の前に座るマハロが少し怖い顔をして私達に言った。
M「気が強い?んなわけないじゃん!この前のは…きっと納得がいってなかっただけで…本当のセナは優しくて思いやりがあって、いつも目の前の事に一生懸命な子なんだよ?2人がそんな風にセナの事思ってたとかちょっと…ショックだし…!!」
珍しくいつも笑顔を絶やさないマハロが声を荒げ怖い顔してそう言い、そんなマハロの様子を少し切な気そうな目でユナは見つめていた。
A「ごめん!そうだね…何も知らないのに勝手なイメージでそんな事言って…」
ユナはマハロの言葉に何も言わず、淡々とドレスを縫い始める。
そんなユナに気づいたのかマハロはハッとした顔をして笑いながら言った。
M「俺こそごめん!仕事仲間のことだからつい…本当ごめん!あはは~」
T「マハロ…俺もびっくりしたし!!」
M「トウヤもごめんごめん!ユナもごめんね?」
マハロはいつもの優しい顔でユナに微笑むが、ユナはマハロと目を合わせようとせず、手元を見たまま作業を続け軽く一瞬、微笑むだけだった。
A「ユナはさ作業に集中するといつもこんなんだから!あはは~気にしないで~!」
そう言いながらユナの脇腹を肘で突っついたがユナは無表情のまま特に表情を変えることはなかった。
T「ユナもしかしてセナとマハロにヤキモチ焼いてんの?」
そう言ったトウヤの笑顔に私ははじめてイラつきを覚えた。
気まずい空気の中、ドレスもなんとか仕上がった頃には完全に2人の男子は寝落ちしていた。
A「ユナありがとう~助かった~!ってか、2人とも寝ちゃったね?」
私がいつもより幼い顔になった2人の男を指差しながら言うとユナはドレスを縫い始めて初めて口を開いた。
Y「マハロさ…たまにの休みなんだから家でゆっくりすればいいのにね?わざわざ連絡されたり会いたいって言われたらその気になっちゃうよね…」
どうやらユナはさっきのマハロの言葉がまだ引っかかっている様子だった。
A「あのさ…ユナ?マハロの事なんだけど…」
Y「ないよ。私は今を楽しんでるだけ…私にはゴナがいれば何もいらない…だからマハロとは…ない…。」
長い付き合いだからユナの目を見れば分かるその言葉が本気なのかどうなのか。
だから、ユナの声が少し震えていたのは気づかなかった事にするよ…?
A「そっか…じゃゴナと一緒に暮らせるように頑張らなきゃね!ウチの会社でのこの立場なら裁判でなんとかなりそうなんだけど…」
Y「もっと確実にしなきゃ…ジロが口出し出来ないぐらいにならなきゃ…」
A「わかった!私も協力するからさ!とりあえず…もう夕方だしお腹すいた。飲みに行かない?」
私がお腹を撫でながら言うとユナはいつもの笑顔に戻り私と肩を組んだ。
Y「行きますか!じゃ、このお二人さん…起こす?」
ユナはいつものユナに戻り、トウヤとマハロを交互に指を指しながら口を尖らしてふざけてる。
A「いや、むしろ起きてもらわなきゃこっちが困りますからね!!あとはあの面白いお兄さんも誘う?」
Y「あぁ~ハヤセ?いいね~ってかむしろ、ハヤセは強制参加だからね。」
私のノリにユナも乗っかりメールでユナのお兄様の店へ強制的に来るようハヤセにメールを送った。
そして、寝ている男子2人を起こすと色気ダダ漏れで2人が起き上がる。
A.Y「おはようございます//」
T「ん?おはよ…あぁ~腹減ったな…?」
M「……。」
起き上がったマハロの顔に元気がなくて私は顔を覗き込む。
あ、さてはマハロ!寝起き悪いタイプだな~?
そう思いながら私は2人を誘った。
A「今からユナのお兄さんの店へ行こうと思うんだけど…2人も一緒にどう?」
T「いいねぇ~!行く行く~!ね?マハロ!」
トウヤははぴょんと立った寝癖を直しながら言った。
M「あ…ごめん…俺夜は予定あるから…帰るね…」
マハロはそう言って慌てた様子で私達よりも一足先に部屋を出た。
私はユナの様子も気になったがハヤセにも声を掛けてる事もあり、私はトウヤとユナを連れてタクシーに乗った。
つづく
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