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63話
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アナside
私はシャワーを浴びてユナに電話した。
A「もしもし…」
Y「ん?アミ?こんな時間にどうした?」
A「怖い…助けて…」
Y「何!?どうしたの!?」
ユナの声が心配にそうな声になり、私は申し訳なさと安心感に包まれる。
A「記憶が…記憶が時々頭の中をよぎるの…」
Y「え!?なんか思い出したの!?」
A「はっきりは思い出せないけど…ジョジョって名前が…ずっと頭の中をよぎる…」
Y「え…それって…アナ?不安ならそっち行くよ!?」
A「ううん…ごめん…ユナの声聞いたら落ち着いた…。明日、MVの衣装作り手伝ってくれる…?」
Y「当たり前でしょ!!今日はもう寝なさい…」
A「うん…ありがとう…」
私はユナとの電話を切りベッドへと入った。
私は記憶が頭によぎると同時に恐怖感にも襲われる。
そんなヒドイ過去だったのかな…?
私の過去って…そんな事を思いながら私はゆっくりと目を閉じるとすぐに夢の中へと引き込まれた。
ぼんやりと暗闇に包まれ、私はある男の子の声でふと目を開ける。
するとそこには学生服の男の子が私の前に立っていた。
「チエリ…これ…やるよ!」
そう言った男の子の手には小さなウサギのキーホルダーとクマのキーホルダーあった。
これってジョウキと私が持っているキーホルダーだった。
チエリって…この子…今、私の事…チエリって呼んだよね?
そんな戸惑いを抱えながらも私はその男の子からもらったウサギのキーホルダーを握りしめる。
「チエリとお揃い。そのウサギは俺の分身でこのクマはチエリの分身。もし、辛くなったら…このウサギにジョジョ助けて!って願うんだよ。そうすれば俺は絶対に飛んでいくから…ね?」
そう言って目の前に立っている男の子は私の頭を撫でた。
この子がジョジョ?
このウサギのキーホルダーはこの子からもらったんだ。
もしかして改名する前の私の本当の名前はチエリって名前だったの?
私はその男の子に微笑み軽く頷くと同時に暗闇へとまた落ちた。
そしてまぶたをゆっくり開けると現実の世界へと引き戻された。
A「夢だったんだ…あんな夢…初めてみた…顔…よく見えなかったな…」
ふと、横にある時計を見ると針は9時を示してる。
ユナが来る前に準備しなきゃ!そう思い慌ててベッドから飛び起き顔を洗って軽くメイクをしようとドレッサーの前に座るとインターホンが鳴った。
ユナ来ちゃったか。
まぁ、ユナだけだしすっぴんでいいや。
私はそう思いながらインターホンで確認することもなく玄関の扉をゆっくりと開けた。
A「おはよ…え?なんで!?」
なんとそこにはユナだけではなく、マハロとトウヤが並んで立っていた。
Y「え?あ…た…たまたま偶然そこで会っちゃったのよね?ねぇ?マハロ?」
M「そ…そうそう!本当に偶然!ね?トウヤ?」
明らかにぎごちなく顔が引きつっているユナとマハロに引き換え、トウヤは落ち着いた顔で私をじっと見ていた。
T「来ちゃダメだった?」
トウヤのいつもの優しい笑顔はそこになく、うつむき悲しそうな目をするトウヤに私の胸がギュッとなった。
A「いや…な…中へどうぞ。」
Y.M「おじゃまします!!」
ユナとマハロは遠慮する事なく私の部屋の奥へと入って行く。
T「アナ…突然来てごめんね。」
トウヤは申し訳なさそうな顔をして顔の前で手を合わせる。
A「いいよ…ほらトウヤも入って?」
私はトウヤを招き入れて2人に遅れてリビングへと入ると、ソファにはリラックス中のマハロとユナがいた。
M「さすがお嬢様!いい部屋に住んでるな?」
私がココアを入れるためキッチンで準備してるとマハロがリビングからそう話しかけてきた。
A「そんな事ないでしょ…」
M「確かジョウキのマンションもこの近くだよね?」
悪気ないマハロの言葉に私の心臓がビクリと返事をする。
A「え?そうなんだ…」
ズルイ私はトウヤの表情を少し確認してなんとか平然を装ってトボけた。
T「偶然、会ったりしないの?ジョウキと…」
トウヤから出たその言葉が私の心臓を更に早め小さな罪悪感に包まれる。
A「え?全然しないよ?」
T「でも、衣装合わせの時とかなんか2人見てると仲良くみえたけど?」
A「え?そんな事ないでしょ?」
T「あんな必死なジョウキ初めてみたし。ジョウキがあそこまで感情をあらわにするなんて中々ないからさ?仲良いのかなって。2人で会ったりしてんのかな?って…」
いつもと違うトゲがあるトウヤの言葉に違和感を感じて、私は助けを求めるようにチラッとユナに視線をやるとマハロが何かを察したかのように言った。
M「あ!そうだ!トウヤなんか、甘いもの食べたいよね!?そこのコンビニまで買いに行かない?おつかい!」
そう言ってマハロはユナの代わりに私に助けてくれトウヤを半ば強引に外へと連れて行った。
ユナと2人になった部屋でユナが私に話しかけた。
Y「アナ…昨日トウヤとなんかあった?」
A「いや…ないけど…」
Y「実はね?昨日いきなりトウヤから連絡きてアナの住所聞かれてさ?さすがに勝手に教える訳にもいかないから…今日一緒に連れてきたんだけど…その時のトウヤ…余裕ない感じだったから…」
そう言ったユナも困り果てた顔をしていて私は昨日、連絡しなかったことにトウヤが心配をして怒ってるんだとこの時思い込んでいた。
つづく
私はシャワーを浴びてユナに電話した。
A「もしもし…」
Y「ん?アミ?こんな時間にどうした?」
A「怖い…助けて…」
Y「何!?どうしたの!?」
ユナの声が心配にそうな声になり、私は申し訳なさと安心感に包まれる。
A「記憶が…記憶が時々頭の中をよぎるの…」
Y「え!?なんか思い出したの!?」
A「はっきりは思い出せないけど…ジョジョって名前が…ずっと頭の中をよぎる…」
Y「え…それって…アナ?不安ならそっち行くよ!?」
A「ううん…ごめん…ユナの声聞いたら落ち着いた…。明日、MVの衣装作り手伝ってくれる…?」
Y「当たり前でしょ!!今日はもう寝なさい…」
A「うん…ありがとう…」
私はユナとの電話を切りベッドへと入った。
私は記憶が頭によぎると同時に恐怖感にも襲われる。
そんなヒドイ過去だったのかな…?
私の過去って…そんな事を思いながら私はゆっくりと目を閉じるとすぐに夢の中へと引き込まれた。
ぼんやりと暗闇に包まれ、私はある男の子の声でふと目を開ける。
するとそこには学生服の男の子が私の前に立っていた。
「チエリ…これ…やるよ!」
そう言った男の子の手には小さなウサギのキーホルダーとクマのキーホルダーあった。
これってジョウキと私が持っているキーホルダーだった。
チエリって…この子…今、私の事…チエリって呼んだよね?
そんな戸惑いを抱えながらも私はその男の子からもらったウサギのキーホルダーを握りしめる。
「チエリとお揃い。そのウサギは俺の分身でこのクマはチエリの分身。もし、辛くなったら…このウサギにジョジョ助けて!って願うんだよ。そうすれば俺は絶対に飛んでいくから…ね?」
そう言って目の前に立っている男の子は私の頭を撫でた。
この子がジョジョ?
このウサギのキーホルダーはこの子からもらったんだ。
もしかして改名する前の私の本当の名前はチエリって名前だったの?
私はその男の子に微笑み軽く頷くと同時に暗闇へとまた落ちた。
そしてまぶたをゆっくり開けると現実の世界へと引き戻された。
A「夢だったんだ…あんな夢…初めてみた…顔…よく見えなかったな…」
ふと、横にある時計を見ると針は9時を示してる。
ユナが来る前に準備しなきゃ!そう思い慌ててベッドから飛び起き顔を洗って軽くメイクをしようとドレッサーの前に座るとインターホンが鳴った。
ユナ来ちゃったか。
まぁ、ユナだけだしすっぴんでいいや。
私はそう思いながらインターホンで確認することもなく玄関の扉をゆっくりと開けた。
A「おはよ…え?なんで!?」
なんとそこにはユナだけではなく、マハロとトウヤが並んで立っていた。
Y「え?あ…た…たまたま偶然そこで会っちゃったのよね?ねぇ?マハロ?」
M「そ…そうそう!本当に偶然!ね?トウヤ?」
明らかにぎごちなく顔が引きつっているユナとマハロに引き換え、トウヤは落ち着いた顔で私をじっと見ていた。
T「来ちゃダメだった?」
トウヤのいつもの優しい笑顔はそこになく、うつむき悲しそうな目をするトウヤに私の胸がギュッとなった。
A「いや…な…中へどうぞ。」
Y.M「おじゃまします!!」
ユナとマハロは遠慮する事なく私の部屋の奥へと入って行く。
T「アナ…突然来てごめんね。」
トウヤは申し訳なさそうな顔をして顔の前で手を合わせる。
A「いいよ…ほらトウヤも入って?」
私はトウヤを招き入れて2人に遅れてリビングへと入ると、ソファにはリラックス中のマハロとユナがいた。
M「さすがお嬢様!いい部屋に住んでるな?」
私がココアを入れるためキッチンで準備してるとマハロがリビングからそう話しかけてきた。
A「そんな事ないでしょ…」
M「確かジョウキのマンションもこの近くだよね?」
悪気ないマハロの言葉に私の心臓がビクリと返事をする。
A「え?そうなんだ…」
ズルイ私はトウヤの表情を少し確認してなんとか平然を装ってトボけた。
T「偶然、会ったりしないの?ジョウキと…」
トウヤから出たその言葉が私の心臓を更に早め小さな罪悪感に包まれる。
A「え?全然しないよ?」
T「でも、衣装合わせの時とかなんか2人見てると仲良くみえたけど?」
A「え?そんな事ないでしょ?」
T「あんな必死なジョウキ初めてみたし。ジョウキがあそこまで感情をあらわにするなんて中々ないからさ?仲良いのかなって。2人で会ったりしてんのかな?って…」
いつもと違うトゲがあるトウヤの言葉に違和感を感じて、私は助けを求めるようにチラッとユナに視線をやるとマハロが何かを察したかのように言った。
M「あ!そうだ!トウヤなんか、甘いもの食べたいよね!?そこのコンビニまで買いに行かない?おつかい!」
そう言ってマハロはユナの代わりに私に助けてくれトウヤを半ば強引に外へと連れて行った。
ユナと2人になった部屋でユナが私に話しかけた。
Y「アナ…昨日トウヤとなんかあった?」
A「いや…ないけど…」
Y「実はね?昨日いきなりトウヤから連絡きてアナの住所聞かれてさ?さすがに勝手に教える訳にもいかないから…今日一緒に連れてきたんだけど…その時のトウヤ…余裕ない感じだったから…」
そう言ったユナも困り果てた顔をしていて私は昨日、連絡しなかったことにトウヤが心配をして怒ってるんだとこの時思い込んでいた。
つづく
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