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61話
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アナside
ジョウキのマンションを出てすぐ、後ろから近づいてくる足音が聞こえきた。
私はその足音に怯えるように思わず振り返るとそこにはジョウキが困ったような顔をして立っていた。
J「まだ泣いてんの…って泣かせたのは俺だな。ごめん…アナ?泣いたら弱くなる!泣くな!笑え!」
そう言ってジョウキは私と手を繋いぎゆっくりと歩き出し私は気づく。
ジョウキはあの夢に出てくる男の子と同じこと言っていると…
涙が止まるまでしばらく歩いているとジョウキがいきなり笑いながら言った。
J「ってかさ?アナの家ってどこなわけ?俺、知らないから適当に歩いてるんだけど?」
そう言われて私はハッとし周りを見渡すと私のマンションからしばらく歩いたとこにある裏手の公園まで来てしまっていた。
A「通りすぎちゃった…」
私の言葉にジョウキは頭を掻きながらバツが悪そうに笑った。
J「じゃ、ちょっと休憩!この公園のブランコに座ろう!俺疲れた!」
泣いた私を気にしてか、いつもより明るい声を出すジョウキはまるで子供のようにブランコへと走って行き、後ろを振り返って私を手招きする。
とその時…また私の頭の中に映像がよぎる。
私この光景…どこかで見たことあるような気がする…
私はゆっくりとブランコの方へと歩き出しジョウキが座るブランコの横を眺めた。
J「寒くない?なんで乗らないの?アナはブランコの乗り方も知らないのか?ほら…こうやるだよ!」
ジョウキのその声があの夢の中の少年の声と重なって私の耳には二重になって響いて聞こえる。
ジョウキは私の様子を気にすることもなく、私の肩を持ってブランコに座らせて後ろに周り私の背中を優しく押した。
A「やだ…怖いよ…ジョジョ…」
自分の口から思わずでた言葉にビックリし後ろを振り返るとジョウキが呆然と立ち尽くしている。
J「アナ…今…俺のことジョジョって…呼んだ…よな?」
A「え…」
私はブランコを足で止め立ち上がりジョウキの方へと振り返る。
J「アナ…もしかして…俺のこと子供の頃から知ってる…?」
A「ごめんなさい!私…覚えてないの…記憶喪失で覚えてないの…!!」
私はその言葉とジョウキを公園に残し、走って帰り自分のマンションへと駆け込んだ。
部屋の扉を閉めて乱れた息を整えるようにソファに座る。
ジョウキに全部言っちゃった。
私は今まで人に記憶喪失だと言ったら変な心配をされて、それがいつしか面倒になり本当にごくわずかな人にしか記憶喪失だという事を伝えた事がなかった。
さすがに記憶喪失って知ってジョウキは引いたよね?
あの時は頭がパニックになって考える余裕はなかったが冷静になった私は後悔に襲われる。
そして、何気無しにスマホを取り出すとトウヤから数件の着信が入っていた。
それを見てこの着信の理由はきっとあの話の続きだろうという事を察する。
返事をしなきゃいけない事は分かっているけど自分の不安定な気持ちが分からない。
過去がチラホラと見え始め…自分が自分でなくなりそうで…怖い。
きっと今、電話しても今の私は頭が混乱して上手く考えることはないだろう。
不安定な私はトウヤからの着信を折り返す事なくスマホをテーブルに置き、気持ちを落ち着かせるためにシャワーを浴びた。
つづく
ジョウキのマンションを出てすぐ、後ろから近づいてくる足音が聞こえきた。
私はその足音に怯えるように思わず振り返るとそこにはジョウキが困ったような顔をして立っていた。
J「まだ泣いてんの…って泣かせたのは俺だな。ごめん…アナ?泣いたら弱くなる!泣くな!笑え!」
そう言ってジョウキは私と手を繋いぎゆっくりと歩き出し私は気づく。
ジョウキはあの夢に出てくる男の子と同じこと言っていると…
涙が止まるまでしばらく歩いているとジョウキがいきなり笑いながら言った。
J「ってかさ?アナの家ってどこなわけ?俺、知らないから適当に歩いてるんだけど?」
そう言われて私はハッとし周りを見渡すと私のマンションからしばらく歩いたとこにある裏手の公園まで来てしまっていた。
A「通りすぎちゃった…」
私の言葉にジョウキは頭を掻きながらバツが悪そうに笑った。
J「じゃ、ちょっと休憩!この公園のブランコに座ろう!俺疲れた!」
泣いた私を気にしてか、いつもより明るい声を出すジョウキはまるで子供のようにブランコへと走って行き、後ろを振り返って私を手招きする。
とその時…また私の頭の中に映像がよぎる。
私この光景…どこかで見たことあるような気がする…
私はゆっくりとブランコの方へと歩き出しジョウキが座るブランコの横を眺めた。
J「寒くない?なんで乗らないの?アナはブランコの乗り方も知らないのか?ほら…こうやるだよ!」
ジョウキのその声があの夢の中の少年の声と重なって私の耳には二重になって響いて聞こえる。
ジョウキは私の様子を気にすることもなく、私の肩を持ってブランコに座らせて後ろに周り私の背中を優しく押した。
A「やだ…怖いよ…ジョジョ…」
自分の口から思わずでた言葉にビックリし後ろを振り返るとジョウキが呆然と立ち尽くしている。
J「アナ…今…俺のことジョジョって…呼んだ…よな?」
A「え…」
私はブランコを足で止め立ち上がりジョウキの方へと振り返る。
J「アナ…もしかして…俺のこと子供の頃から知ってる…?」
A「ごめんなさい!私…覚えてないの…記憶喪失で覚えてないの…!!」
私はその言葉とジョウキを公園に残し、走って帰り自分のマンションへと駆け込んだ。
部屋の扉を閉めて乱れた息を整えるようにソファに座る。
ジョウキに全部言っちゃった。
私は今まで人に記憶喪失だと言ったら変な心配をされて、それがいつしか面倒になり本当にごくわずかな人にしか記憶喪失だという事を伝えた事がなかった。
さすがに記憶喪失って知ってジョウキは引いたよね?
あの時は頭がパニックになって考える余裕はなかったが冷静になった私は後悔に襲われる。
そして、何気無しにスマホを取り出すとトウヤから数件の着信が入っていた。
それを見てこの着信の理由はきっとあの話の続きだろうという事を察する。
返事をしなきゃいけない事は分かっているけど自分の不安定な気持ちが分からない。
過去がチラホラと見え始め…自分が自分でなくなりそうで…怖い。
きっと今、電話しても今の私は頭が混乱して上手く考えることはないだろう。
不安定な私はトウヤからの着信を折り返す事なくスマホをテーブルに置き、気持ちを落ち着かせるためにシャワーを浴びた。
つづく
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