上 下
48 / 196

48話

しおりを挟む
ハヤセside

俺はちょっと強引かな?っと思いながらもアナのタクシーに1人で乗り込むとタクシーの中のアナは目が点となり、アナと一緒に乗ろうとしてたトウヤは呆然としてマハロとユナはニヤニヤと笑っていた。

俺はそんなみんなの様子をスルーしてタクシーの運転手にユナの兄ちゃんの店を告げた。

動き出したタクシーの中でアナはあきらかに戸惑っている。

H「なに?そんなに俺と2人が気まずい?」

俺が笑いながらアナにそう問いかけるとアナは驚きながら否定した。

A「え!?そういう訳じゃないけど…」

そう言いながらチラッと俺を見てすぐにアナは視線を逸らす。

読者の皆様には先に言っときますけど俺、アナにそんな気はサラサラないですからね?

H「今日はごめんね?嫌な思いさちゃって…」

俺がそう言うとアナは手のひらをブンブンと左右に動かしながら言った。

A「全然!逆にこっちがすいませんですよ…」

H「…小さい頃からあるの?」

俺はアナの肩に視線を送りながらそう問いかける。

A「あぁ…うん…交通事故でね?」

H「事故?」

A「うん…」

アナは少し視線を下に落として考え込んだ。

H「辛いこと思い出させちゃったみたいでごめん…」

A「いや大丈夫!ってかなんで私…ハヤセくんと2人っきりなの?」

アナの曇っていた顔は一瞬にして笑顔に変わり、俺の二の腕を人差し指でツンツンと突っついてきた。

H「ん?それはちゃんとあの方のファンは卒業できたのかな~?っと思って聞いたくてさ!興味本位ってやつ?」

するとアナは腕を組みながらわざとらしく眉間にシワを寄せながら言った。

A「ジョウキ?そうだね…もう完全にファンではない!あんな嫌な奴だとは思いもしなかった!って言いたいトコだけど…そうは言えない…かな…?」

そう言いながら下を向くアナの表情がやけに色っぽく見えた。

H「ジョウキとトウヤ…2人ともすごくいい男でしょ?」

A「うん…トウヤは優しいしストレートに気持ちを伝えてくれて…モテ男の典型だね?ハヤセくんも少しは見習えば?」

アナが俺を揶揄うようにしてニヤけた口元を手で隠しながら笑いを堪えてる。

H「アナはほんと可愛い気がない女だね~!そんなんだったらそのうちトウヤにも見離されちゃうぞ?」

俺は仕返しとばかりにアナを攻撃するとアナは悲しげに笑いながら言った。

A「そうだね…いつその時がくるか分からないから常に覚悟しとかなきゃね…」

そう言ったアナは窓から流れる景色にゆっくりと視線を向け…切ない溜め息をひとつ付いた。



つづく 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

悪役って楽しい

おきょう
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、頭を打ったことがきっかけで自分が乙女ゲームの悪役令嬢なのだと気づいてしまった。 しかしヒロインの泣き顔が可愛すぎた。真っ赤になって震える姿が素敵すぎた。 そんな生まれ持ったドS気質ゆえ、どうしてもイジメをやめられない。 ※他サイトで掲載したものの改稿版になります

記憶が還える頃に…

夜月
恋愛
事故に合って記憶を失くしてしまった高校1年生の少女が失った記憶を周りの友達と協力して思いだしながらも青春をしようとする物語です。

愛玩犬は、銀狼に愛される

きりか
BL
《漆黒の魔女》の呪いにより、 僕は、昼に小型犬(愛玩犬?)の姿になり、夜は人に戻れるが、ニコラスは逆に、夜は狼(銀狼)、そして陽のあるうちには人に戻る。 そして僕らが人として会えるのは、朝日の昇るときと、陽が沈む一瞬だけ。 呪いがとけると言われた石、ユリスを求めて旅に出るが…

[本編完結]彼氏がハーレムで困ってます

はな
BL
佐藤雪には恋人がいる。だが、その恋人はどうやら周りに女の子がたくさんいるハーレム状態らしい…どうにか、自分だけを見てくれるように頑張る雪。 果たして恋人とはどうなるのか? 主人公 佐藤雪…高校2年生  攻め1 西山慎二…高校2年生 攻め2 七瀬亮…高校2年生 攻め3 西山健斗…中学2年生 初めて書いた作品です!誤字脱字も沢山あるので教えてくれると助かります!

とびきりのクズに一目惚れし人生が変わった俺のこと

未瑠
BL
端正な容姿と圧倒的なオーラをもつタクトに一目惚れしたミコト。ただタクトは金にも女にも男にもだらしがないクズだった。それでも惹かれてしまうタクトに唐突に「付き合おう」と言われたミコト。付き合い出してもタクトはクズのまま。そして付き合って初めての誕生日にミコトは冷たい言葉で振られてしまう。 それなのにどうして連絡してくるの……?

【完結】ええと?あなたはどなたでしたか?

ここ
恋愛
アリサの婚約者ミゲルは、婚約のときから、平凡なアリサが気に入らなかった。 アリサはそれに気づいていたが、政略結婚に逆らえない。 15歳と16歳になった2人。ミゲルには恋人ができていた。マーシャという綺麗な令嬢だ。邪魔なアリサにこわい思いをさせて、婚約解消をねらうが、事態は思わぬ方向に。

完結 お飾り正妃も都合よい側妃もお断りします!

音爽(ネソウ)
恋愛
正妃サハンナと側妃アルメス、互いに支え合い国の為に働く……なんて言うのは幻想だ。 頭の緩い正妃は遊び惚け、側妃にばかりしわ寄せがくる。 都合良く働くだけの側妃は疑問をもちはじめた、だがやがて心労が重なり不慮の事故で儚くなった。 「ああどうして私は幸せになれなかったのだろう」 断末魔に涙した彼女は……

ただ、愛しただけ…

きりか
恋愛
愛していただけ…。あの方のお傍に居たい…あの方の視界に入れたら…。三度の生を生きても、あの方のお傍に居られなかった。 そして、四度目の生では、やっと…。 なろう様でも公開しております。

処理中です...