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12話
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メイタサイド
咄嗟に俺は涙を流すサツキさんの頬に触れ、親指でその涙を拭った。
M「サツキさん?」
S「私ずっと嘘ついてた…」
サツキさんは嗚咽まじりにそう俺に言ってポロポロと涙を流す。
腕の中にいるカイトはいつの間にか俺の胸にもたれ掛かり俺の耳を触って遊んでいる。
M「……嘘?」
S「してない…」
サツキさんは小さい声でそう呟き俺は思わず聞き返す。
M「え?」
S「ほんとは…結婚なんてはじめからしてなかったの…」
その言葉を聞いて俺は驚き戸惑い…言葉を失った。
ずっと既婚者だと思い続けていた愛する人は独身だった。
じゃ…この子供は…一体…
S「嘘ついてごめん…出会った時から本当は結婚なんてしてなかったの…でも、私の小さなプライドせいで…メイタの夢の為にも…嘘だって言い出せなかったんだ…ごめん…」
そう言って謝罪を繰り返す俺の愛する人…
俺の腕の中にいる子供はただご機嫌で笑いながら1人楽しそうにしている。
M「ほんと…最低だね…不倫ごっこしようなんて言ったくせに…」
S「ごめんなさい…私のこと嫌ってるよね…酷い別れ方して…本当にごめん…」
M「誰が嫌ってるなんて言った?最低って言っただけで…俺があなたを嫌うなんて…出来る訳ないだろ……」
そう言いながら俺はサツキさんとカイトをギュッと抱きしめた。
その時に感じた温もりはなんともいえない懐かしさと安心感で…
俺の中に生き続けていた全ての苦しみがなくなったような気がした。
S「ごめん…ごめんなさい…」
M「大好きだよ…何されても俺はあなたを愛してる…ずっと忘れられなかったし忘れたくなかった…今でもサツキさんを…愛してる……」
俺の言葉を聞いてサツキさんは震えながら涙を流す。
M「この子は……俺の子…だね…」
俺が胸の中で笑うカイトを見つめながらそう言うとサツキさんは泣きながら大きく頷いた。
M「ひとりで強がって…俺の夢のために1人でこの子産んで…育ててくれたんだ…」
S「勝手なことしてごめんなさい….」
M「不安だったよね…怖かったよね…俺こそごめんね…」
俺の言葉を聞いたサツキさんは首を大きく横に振った。
M「でももう、大丈夫だよ。今の俺なら…サツキさんのこと…幸せにしてあげれる……」
S「ほんとにごめん…ありがとう…」
M「俺言ったよね?ありがとうより…愛してるが欲しいって…」
俺がそう言うとサツキさんは顔を上げて俺を見つめて言った。
S「…メイタ…愛してる。」
俺は欲しくて欲しくて仕方なかった言葉をサツキさんの口から聞けた…
そして、俺たちは3年ぶりの口付けをした。
しかし、そんな俺たちの間を邪魔する可愛い笑顔の天使。
「だめぇぇーーーーーー」
よだれを飛ばしながらブーイングする可愛い天使はなかなか手強い。
M「ふふw 可愛い…俺の小さい頃にそっくり…」
俺はサツキさんのおでこにコツンと自分のおでこを合わせる。
すると
J「おいおいw 久しぶりの再会だからって子供の前でイチャつくな!!」
コンビニから戻ってきたジンさんに俺は後ろから小突かれた。
M「うるさいな…サツキさん俺また、すぐ会場に戻らないとなんだ…ゆっくり話したいんだけど…」
S「じゃ、連絡するね…?」
M「うん。よろしく…って…サツキさん俺の連絡先…」
S「ちゃんと持ってるよ…これは私の宝物だから…」
サツキさんはそう言って手帳からあの日、俺がサツキさんに渡した写真を見せた。
M「……サツキさんもう…マジで……どうしよう…今すぐ抱きたい…」
Y「今夜は確実ふたり目出来ちゃうかな。」
S「もう!ユウキさんまでやめてよ~メイタもそんな事言ってないで早く会場に戻って。」
俺はそうサツキさんに急かされて何度も何度もサツキさんとカイトにキスを落とし、後ろ髪を引かれるように渋々、会場に戻った。
つづく
咄嗟に俺は涙を流すサツキさんの頬に触れ、親指でその涙を拭った。
M「サツキさん?」
S「私ずっと嘘ついてた…」
サツキさんは嗚咽まじりにそう俺に言ってポロポロと涙を流す。
腕の中にいるカイトはいつの間にか俺の胸にもたれ掛かり俺の耳を触って遊んでいる。
M「……嘘?」
S「してない…」
サツキさんは小さい声でそう呟き俺は思わず聞き返す。
M「え?」
S「ほんとは…結婚なんてはじめからしてなかったの…」
その言葉を聞いて俺は驚き戸惑い…言葉を失った。
ずっと既婚者だと思い続けていた愛する人は独身だった。
じゃ…この子供は…一体…
S「嘘ついてごめん…出会った時から本当は結婚なんてしてなかったの…でも、私の小さなプライドせいで…メイタの夢の為にも…嘘だって言い出せなかったんだ…ごめん…」
そう言って謝罪を繰り返す俺の愛する人…
俺の腕の中にいる子供はただご機嫌で笑いながら1人楽しそうにしている。
M「ほんと…最低だね…不倫ごっこしようなんて言ったくせに…」
S「ごめんなさい…私のこと嫌ってるよね…酷い別れ方して…本当にごめん…」
M「誰が嫌ってるなんて言った?最低って言っただけで…俺があなたを嫌うなんて…出来る訳ないだろ……」
そう言いながら俺はサツキさんとカイトをギュッと抱きしめた。
その時に感じた温もりはなんともいえない懐かしさと安心感で…
俺の中に生き続けていた全ての苦しみがなくなったような気がした。
S「ごめん…ごめんなさい…」
M「大好きだよ…何されても俺はあなたを愛してる…ずっと忘れられなかったし忘れたくなかった…今でもサツキさんを…愛してる……」
俺の言葉を聞いてサツキさんは震えながら涙を流す。
M「この子は……俺の子…だね…」
俺が胸の中で笑うカイトを見つめながらそう言うとサツキさんは泣きながら大きく頷いた。
M「ひとりで強がって…俺の夢のために1人でこの子産んで…育ててくれたんだ…」
S「勝手なことしてごめんなさい….」
M「不安だったよね…怖かったよね…俺こそごめんね…」
俺の言葉を聞いたサツキさんは首を大きく横に振った。
M「でももう、大丈夫だよ。今の俺なら…サツキさんのこと…幸せにしてあげれる……」
S「ほんとにごめん…ありがとう…」
M「俺言ったよね?ありがとうより…愛してるが欲しいって…」
俺がそう言うとサツキさんは顔を上げて俺を見つめて言った。
S「…メイタ…愛してる。」
俺は欲しくて欲しくて仕方なかった言葉をサツキさんの口から聞けた…
そして、俺たちは3年ぶりの口付けをした。
しかし、そんな俺たちの間を邪魔する可愛い笑顔の天使。
「だめぇぇーーーーーー」
よだれを飛ばしながらブーイングする可愛い天使はなかなか手強い。
M「ふふw 可愛い…俺の小さい頃にそっくり…」
俺はサツキさんのおでこにコツンと自分のおでこを合わせる。
すると
J「おいおいw 久しぶりの再会だからって子供の前でイチャつくな!!」
コンビニから戻ってきたジンさんに俺は後ろから小突かれた。
M「うるさいな…サツキさん俺また、すぐ会場に戻らないとなんだ…ゆっくり話したいんだけど…」
S「じゃ、連絡するね…?」
M「うん。よろしく…って…サツキさん俺の連絡先…」
S「ちゃんと持ってるよ…これは私の宝物だから…」
サツキさんはそう言って手帳からあの日、俺がサツキさんに渡した写真を見せた。
M「……サツキさんもう…マジで……どうしよう…今すぐ抱きたい…」
Y「今夜は確実ふたり目出来ちゃうかな。」
S「もう!ユウキさんまでやめてよ~メイタもそんな事言ってないで早く会場に戻って。」
俺はそうサツキさんに急かされて何度も何度もサツキさんとカイトにキスを落とし、後ろ髪を引かれるように渋々、会場に戻った。
つづく
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