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9話
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テルキside
玄関を出るとジュンはエレベーターに乗り込もうとしていたので、思わず俺はジュンの腕を掴んで止めた。
ゆっくりと振り返ったジュンの顔は涙でぐちゃぐちゃで微かに震えていた。
T「ジュンの想いに応えてやれなくてごめんな…」
J「わざわざそんな事言いに追いかけて来たのかよ。」
T「好きになってくれて…ありがとう…」
J「だから!!わざわざそんなこ………」
俺はジュンの言葉を遮るように涙で濡れたジュンの頬を両手で包み込み、そっと触れる程度のキスをジュンの唇に落とした。
T「ごめんな…今度会う時は…笑って会おう…俺たち…」
J「最後まで…思わせぶりな奴…なんで嫌いにならせてくれねぇんだよ…」
T「ごめん… ジュンは俺の大切な親友だから…」
ジュンは俺の腕を振り払うようにエレベーターに乗り込み帰って行った。
俺は1人になった廊下でひとり立ち尽くした。
高校から仲が良くなった俺とジュン。
本当に気の合う親友ができた…そう俺は素直に思っていた。
しかし、俺に対するジュンの気持ちが親友ではないと気づいたのは大学3年生の頃だった。
いつものようにエマとジュンの3人で朝までカラオケに行き、途中で俺とエマは眠ってしまった。
そろそろ起きなきゃ…夢と現実の狭間を行ったり来たりしていた俺が起きようとしたその時…
突然、唇に柔らかく温かい体温を感じ、一瞬、エマが俺にキスをしてきたのかと思った。
でも、エマではないと気づいたのは微かにジュンの香水の香りがしたから。
ゆっくりと俺の唇は解放され、部屋から出て行くのが分かり恐る恐る目を開けると、やはりそこには寝息を立てて眠るエマの姿がり、ジュンの姿はそこにはなく俺にキスをしてきたのはジュンだというのがわかった。
俺はずっと親友だと思っていたのに…ジュンは違った…
俺は動揺したが、自分の気持ちを悟られないよういつも通りに過ごした。
大学4年になり、卒業間近になったある日
俺はユマに呼び出された。
エマと同じ顔をして全く雰囲気の違うユマが俺は少し苦手で怖かった。
しかし、なぜユマに呼び出されてノコノコと行ったと言うとユマに「テルキがエマのこと好きってことバラしちゃうよ?」っと言われたから。
俺は絶対にそれだけは嫌だった。
卒業したらきちんと俺の口から告白するつもりだったから。
なのにユマは俺の顔を見たかと思ったら話があると言っていたくせに、特に話をすることなく俺にキスをしてきた。
意味が分からず突き飛ばすと、ユマは笑いながら行った。
Y「エマはジュンのことが好きなんだよ?テルキが邪魔者なのに気づかないの?エマのためにも離れてあげたら?」
そう言われた。
そう話すユマの目が恐ろしくて後退りするように振り返るとそこにはエマが言って、エマは走って逃げて行った。
慌てて追いかけたがエマに言う言葉が見つからなくて…
次の日
気づいたらエマとジュンは付き合っていた。
俺にエマと付き合ったと幸せそうな顔で報告してくれたジュンを見て俺は思った。
俺にキスをしたのは一瞬の気の迷いだったんだと。
こんなにもジュンが幸せそうでエマも大好きなジュンと付き合えたなら俺はそれでいいと。
だから、エマへの恋心に蓋をするように俺は2人から距離を置いた。
なのに、俺の心の中にはずっとエマが居座り続け、忘れようとすればするほどエマの存在が大きくなった。
大学を卒業し、社会人生活に疲れ果て街をふらついていた時、俺はエマと再会してしまった。
会いたくて仕方なかった。
その存在を見つめるだけで胸が震え…足を止めることは出来なかった。
男に絡まれていたエマを助け、そのままエマを家まで送り届けた俺。
下心しかないのに冗談で交わしたのはエマが親友の恋人だから。
でも…だけど…
俺を誘うようなエマの言葉にもう…我慢の限界だった。
エマはジュンと付き合って幸せじゃない?
ジュンはまだ…エマを抱いてないのか?
そう思ったらもう、止められなくて俺はエマとセフレになる事を選んだ。
なのに、まさかジュンは俺への憎しみにも似た愛で俺とエマを引き裂くためにエマも付き合っていたなんて…
そう思ったら俺は情けなくて胸が張り裂けそうだった。
微かに滲んだ涙を拭い、俺はエマの部屋に戻るとエマはひとりソファの上で膝を抱いて泣いていた。
T「…おいで…」
俺がそう言うとまるで子猫のように俺の胸に擦り寄ってくるエマ。
T「最悪の誕生日になっちゃったね……」
俺がエマの頭をなでながら言うと、エマは涙を拭きながら首を左右に振った。
俺はエマの頬に手を添わせて親指でその涙のあとを拭った。
*「テルキ……」
T「俺エマのこと…抱きたい…ダメかな?」
エマは一瞬、目を大きく見開いたかと思うと俺の服をギュッと握りしめ涙ながらに言った。
*「ダメな訳ないじゃんか…大好きだよ…ずっと今まで傷つけてごめん…」
ずっとエマの口から聞きたかった言葉を今、なんの後ろめたさも罪悪感もなく聞けた俺は桜色に染まったエマの唇を塞いだ。
幾度となくエマの唇と重なり合ってきたはずなのに、エマの腰に回す俺の手は微かに震えていて涙がじわりと滲む。
チュッ…チュッ…と音がなるたびに背筋がゾクゾクとし全身が震えだした。
*「テルキ…?大丈夫…?震えてる……」
それはエマにも伝わるほどで、エマは心配そうに俺を見つめた。
T「愛してる…俺はずっと前からエマを愛してた…」
そう言葉にすれば涙は溢れ出し、エマの目にも涙が滲んだ。
*「私も…愛してるよ…」
エマは俺の首に手を巻き付けギュッと俺を強く抱きしめ、俺はエマの首筋に顔を埋めそっと唇を押し当てると初めて俺はエマの身体に自分の紅いシルシを付けた。
つづく
玄関を出るとジュンはエレベーターに乗り込もうとしていたので、思わず俺はジュンの腕を掴んで止めた。
ゆっくりと振り返ったジュンの顔は涙でぐちゃぐちゃで微かに震えていた。
T「ジュンの想いに応えてやれなくてごめんな…」
J「わざわざそんな事言いに追いかけて来たのかよ。」
T「好きになってくれて…ありがとう…」
J「だから!!わざわざそんなこ………」
俺はジュンの言葉を遮るように涙で濡れたジュンの頬を両手で包み込み、そっと触れる程度のキスをジュンの唇に落とした。
T「ごめんな…今度会う時は…笑って会おう…俺たち…」
J「最後まで…思わせぶりな奴…なんで嫌いにならせてくれねぇんだよ…」
T「ごめん… ジュンは俺の大切な親友だから…」
ジュンは俺の腕を振り払うようにエレベーターに乗り込み帰って行った。
俺は1人になった廊下でひとり立ち尽くした。
高校から仲が良くなった俺とジュン。
本当に気の合う親友ができた…そう俺は素直に思っていた。
しかし、俺に対するジュンの気持ちが親友ではないと気づいたのは大学3年生の頃だった。
いつものようにエマとジュンの3人で朝までカラオケに行き、途中で俺とエマは眠ってしまった。
そろそろ起きなきゃ…夢と現実の狭間を行ったり来たりしていた俺が起きようとしたその時…
突然、唇に柔らかく温かい体温を感じ、一瞬、エマが俺にキスをしてきたのかと思った。
でも、エマではないと気づいたのは微かにジュンの香水の香りがしたから。
ゆっくりと俺の唇は解放され、部屋から出て行くのが分かり恐る恐る目を開けると、やはりそこには寝息を立てて眠るエマの姿がり、ジュンの姿はそこにはなく俺にキスをしてきたのはジュンだというのがわかった。
俺はずっと親友だと思っていたのに…ジュンは違った…
俺は動揺したが、自分の気持ちを悟られないよういつも通りに過ごした。
大学4年になり、卒業間近になったある日
俺はユマに呼び出された。
エマと同じ顔をして全く雰囲気の違うユマが俺は少し苦手で怖かった。
しかし、なぜユマに呼び出されてノコノコと行ったと言うとユマに「テルキがエマのこと好きってことバラしちゃうよ?」っと言われたから。
俺は絶対にそれだけは嫌だった。
卒業したらきちんと俺の口から告白するつもりだったから。
なのにユマは俺の顔を見たかと思ったら話があると言っていたくせに、特に話をすることなく俺にキスをしてきた。
意味が分からず突き飛ばすと、ユマは笑いながら行った。
Y「エマはジュンのことが好きなんだよ?テルキが邪魔者なのに気づかないの?エマのためにも離れてあげたら?」
そう言われた。
そう話すユマの目が恐ろしくて後退りするように振り返るとそこにはエマが言って、エマは走って逃げて行った。
慌てて追いかけたがエマに言う言葉が見つからなくて…
次の日
気づいたらエマとジュンは付き合っていた。
俺にエマと付き合ったと幸せそうな顔で報告してくれたジュンを見て俺は思った。
俺にキスをしたのは一瞬の気の迷いだったんだと。
こんなにもジュンが幸せそうでエマも大好きなジュンと付き合えたなら俺はそれでいいと。
だから、エマへの恋心に蓋をするように俺は2人から距離を置いた。
なのに、俺の心の中にはずっとエマが居座り続け、忘れようとすればするほどエマの存在が大きくなった。
大学を卒業し、社会人生活に疲れ果て街をふらついていた時、俺はエマと再会してしまった。
会いたくて仕方なかった。
その存在を見つめるだけで胸が震え…足を止めることは出来なかった。
男に絡まれていたエマを助け、そのままエマを家まで送り届けた俺。
下心しかないのに冗談で交わしたのはエマが親友の恋人だから。
でも…だけど…
俺を誘うようなエマの言葉にもう…我慢の限界だった。
エマはジュンと付き合って幸せじゃない?
ジュンはまだ…エマを抱いてないのか?
そう思ったらもう、止められなくて俺はエマとセフレになる事を選んだ。
なのに、まさかジュンは俺への憎しみにも似た愛で俺とエマを引き裂くためにエマも付き合っていたなんて…
そう思ったら俺は情けなくて胸が張り裂けそうだった。
微かに滲んだ涙を拭い、俺はエマの部屋に戻るとエマはひとりソファの上で膝を抱いて泣いていた。
T「…おいで…」
俺がそう言うとまるで子猫のように俺の胸に擦り寄ってくるエマ。
T「最悪の誕生日になっちゃったね……」
俺がエマの頭をなでながら言うと、エマは涙を拭きながら首を左右に振った。
俺はエマの頬に手を添わせて親指でその涙のあとを拭った。
*「テルキ……」
T「俺エマのこと…抱きたい…ダメかな?」
エマは一瞬、目を大きく見開いたかと思うと俺の服をギュッと握りしめ涙ながらに言った。
*「ダメな訳ないじゃんか…大好きだよ…ずっと今まで傷つけてごめん…」
ずっとエマの口から聞きたかった言葉を今、なんの後ろめたさも罪悪感もなく聞けた俺は桜色に染まったエマの唇を塞いだ。
幾度となくエマの唇と重なり合ってきたはずなのに、エマの腰に回す俺の手は微かに震えていて涙がじわりと滲む。
チュッ…チュッ…と音がなるたびに背筋がゾクゾクとし全身が震えだした。
*「テルキ…?大丈夫…?震えてる……」
それはエマにも伝わるほどで、エマは心配そうに俺を見つめた。
T「愛してる…俺はずっと前からエマを愛してた…」
そう言葉にすれば涙は溢れ出し、エマの目にも涙が滲んだ。
*「私も…愛してるよ…」
エマは俺の首に手を巻き付けギュッと俺を強く抱きしめ、俺はエマの首筋に顔を埋めそっと唇を押し当てると初めて俺はエマの身体に自分の紅いシルシを付けた。
つづく
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