関西最強の男、異世界で無双！ハーレム王への道？

4話：アジトに案内される

王冠をかぶった瞬間から、翔太は不思議な感覚に包まれた。何も変わらないように見えたが、ゴブリンやオークたちの話す言葉が、突然クリアに理解できるようになった。

「なんや、急に言葉が分かるようになっとる…これ、王冠の力か？」

驚きながらも、翔太は彼らの話を聞くことにした。どうやら、ゴブリンたちは大阪のミナミに現れた理由を説明してくれているらしい。話を聞いているうちに、彼らが新たな王になる人材を探していたことが判明した。彼らの世界では、特別な力を持った者が王になると決まっているらしく、翔太はその「特別な力」を持っていると認識されたようだ。

「だから俺を見つけて、この世界に連れて来たってわけか…」

ゴブリンたちの言葉を聞き終わると、翔太は少しだけイラッとした。突然異世界に連れて来られ、王様にされるなんて、普通なら拒否したいところだ。しかし、ふと考え直す。

「まあ、ここは異世界やし…なんや楽しそうなところやな」

翔太はふっと笑みを浮かべた。実は、彼は書店で異世界ものの小説を読むのが好きだった。異世界に飛ばされて、冒険したり、魔王と戦ったりする物語にいつも胸を躍らせていた。

「てことは…ここにも魔王とかおるんかな？」

翔太はそう思うと、妄想がどんどん膨らんでいった。魔王との戦い、自分の力を使って世界を救う英雄的な役割…なんだかワクワクしてきた。

そんなことを考えているうちに、ゴブリンとオークたちのアジトに到着した。アジトは石の洞窟をそのまま使ったような場所で、入り口からは冷たい風が吹き込んでいた。中に入ると、少し広めの空間があり、簡素な家具や焚き火が設置されている。

「ここがアジトか…パソコンとかは、まあ、あるわけないよな」

翔太は小さくため息をついた。異世界に来たとはいえ、現代の便利さを少し恋しく感じてしまう。しかし、彼はすぐに気を取り直し、この新たな環境に順応することを決意した。

その夜、ゴブリンとオークたちは翔太を歓迎するため、さまざまな食べ物を振る舞ってくれた。だが、正直言って、その食事はあまり美味しくなかった。焼いただけの肉や、調味料もほとんど使われていない料理ばかりで、味気ない。

「うーん、これが異世界の食事か…」

翔太は一口食べるごとに苦笑いを浮かべた。彼らの好意には感謝しているものの、どうにも満足できない。そこで、翔太は心の中である決意を固めた。

「よし、王様は今日で辞退しよう！」

そう心に決めた翔太は、彼らに感謝の意を伝えながらも、王としての責務を辞退することを告げる準備を始めた。冒険はしたいが、王様として束縛されるのは避けたい。それに、もっと自由に異世界を楽しむ方が、翔太らしい気がしたからだ。

「明日からは、俺なりにこの世界でやりたいことをやっていくで！」

そう決意を新たにした翔太は、ゴブリンたちに笑顔で挨拶をしながら、その夜は静かに眠りについた。彼の異世界での生活は、まだまだこれからが本番だった。