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はじまりは、あの日

50.望むのは

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「ご馳走様」

「ご馳走さまでした。俺片付けるから、真斗さんはゆっくりしてて」

二人ともシャワーを浴び終えたタイミングでデリバリーが届いた。その食べ終えた食器を片付けながら、真斗さんの方を見ると、やはり疲れていたのだろうソファに横になっている。
ただでさえ仕事で忙しいのに、合間を縫って引越しの準備をしていたのだから、疲れも溜まるだろう。それは分かっているのだが、モヤモヤする心を自分ではどうしようもできなかった。

引越しの梱包のときに、こっそり避けていた例の物を取り出す。シリコン製のそれは、卑猥な形をしていて、大きさは俺のものと同じくらいだ。その先端と逆側は吸盤になっていた。直立するか試しに床につけてみると、そそり勃つ物が床から生えたように立つ。自分でやっておいて、そのシュールな光景に若干笑いそうになった。寝ている真斗さんを起こさないように笑いを噛み締めて、ソファでぐっすり眠っている真斗さんのパーカーをたくしあげる。

「んっ…んっ…」

ぷっくりと赤く熟れた胸の飾りを口に含み、舌先で転がす。真斗さんは甘い吐息をもらし身じろぎをするが、起きる気配はない。

「んっ…やっ…ふぅ」

チュッとリップ音がなるくらい、胸に吸いつき、ツンっと可愛く尖る飾りを甘噛みする。真斗さんの口から甘い声が漏れるが、まだ起きない。

「やっ…はあっ…うぅっ」

起きるか起きないかのスリルが楽しくなった俺は、真斗さんの下半身に手を伸ばす。そして下着の中に手を潜り込ませ、軽く勃ちあがりはじめていた屹立を握り先端を親指で優しく撫でる。さすがに、この刺激は強かったのか真斗さんは腰をくねらせ声を上げる。閉じた瞼がピクリと動いたので、もう少ししたら目覚めるだろう。俺は真斗さんのパンツを脱がし、足を持ち上げた。

「えっ…えぇっ…待って、やぁっふあっ」

真斗さんの体を二つ折りにするように、膝を開く。ここまでしたら、真斗さんもさすがに目覚め、驚いた声をあげる。でも、それを無視して、割れ目の奥でひくついている後孔に舌を這わせた。

「あっ…ま、待って…やっあっ…ひあっ」

舌先を尖らせ後孔の入口を解すようにつつくと、徐々にそこは舌をもっと深くまで誘いはじめる。唾液を垂らし、十分に濡らしてから中指を潜り込ませ、内壁に沿って動かす。後孔の刺激を受け、真斗さんの屹立の先端からつゆが滴り落ちる。

「本当に待っていいの?ここもこんなに、びちゃびちゃになのに?」

「あっ…やあっ、ダメっ…つ、続けてっ」

中のいい所を指で掠めるように触れ、もう片方の手で屹立の先端を指先でグリグリと触る。

「真斗さん、エッチで本当に可愛い」

「あんっ…ひゃっあっ…やっひあっ」

真斗さんの額にキスを落とし、顔を胸元に寄せて赤く尖る実を甘噛みする。それと同時に屹立を上下にしごき、後孔の中を指でかき混ぜる。

「あっイく…イッちゃうっ…やぁっああっ」

三点同時に攻められ、真斗さんはいつもより早く絶頂を迎えた。後孔を抜き差しする指を増やして中で指を拡げ、より太いものを受け入れられるように慣らしていく。

「んっ…かずおみ…くん。もうっ」

後孔が充分に解れる頃には真斗さんは腰を揺らめかせ、俺を強請っていた。

「うん。ここに欲しいよね」

「うんっ。やっ…ちょうだいっ」

「じゃあ、真斗さんアレ使っていいよ」

可愛いくおねだりをできたご褒美をあげようと、俺は床に生えるように立っているディルドを指差した。
真斗さんは一瞬、目をぱちくりさせてから、何かを察し、信じられないものをみる目で俺を見た

「し、しないよ」

真斗さんは強がるように言うが、体は限界なはずだ。

「そっかぁ。じゃあ、今日はこれで終わりだけどいいかな?」

「それはダメ。一臣君だってもう…。ねぇ、こっちじゃなきゃヤダ」

真斗さんは俺の下半身に手を伸ばして、中心を撫でる。真斗さんの艶姿に煽られ、そこは既に硬くなっていた。俺だって、最後までしたいが、それよりもアレを使った真斗さんの
ソロプレイを見たいのだ。俺以外の男の張り型で、どんな風に乱れ狂うのか知りたい。真斗さんの全てを知りたいから曝け出して欲しい。

「そんな可愛くおねだりされたら、聞いてあげたくなるけど、今日はダメ」

「ふっ…んっ」

真斗さんの下唇を甘噛みする

「あれでシてるとこ見たいなぁ」

「やっ…あっ」

真斗さんの胸の尖の形に沿って舌を這わせる

「真斗さんが、どうやってたのか教えて」

「ひっ…あっ」

耳元で囁いてから、耳介に舌を這わせる。
真斗さんは顔を真っ赤にして観念したのか、潤んだ目に涙を溜めて「見せたら…抱いてくれる?」と言った。

え?なに、この可愛さ。可愛すぎない?これ、もう可愛すぎて逮捕されちゃわない?俺の恋人、なんてなんて可愛いの!

真斗さんの可愛さに思考が一瞬、バグりかけた。しかしすぐに思考を戻し

「もちろん。でも、今日は興奮しすぎて、めちゃくちゃにするかも。真斗さんが可愛すぎるから」

真斗さんの手を引いて、体を起こす。真斗さんはソファから数歩先のディルドの元まで行くと、膝立ちになる。
そして、ゆっくり腰を下ろしていく。
俺はその様子をソファに腰掛け眺める。

「んっ…あっ…んっ」

真斗さんが腰を上下する度に後孔にディルドが抜き差しされる。真斗さんの口からは甘い嬌声が漏れる姿は蠱惑的で、俺の下半身は痛いくらいに主張する。

「真斗さん、すごくいやらしい顔してる。いつもそうやって一人エッチしてたの?」

「んっあっ…やっ…み、ないでっ…あっ」

見ないで言っているが、俺に視姦され真斗さんの前側からはカウパーが溢れている。
脚も小刻みに震え始めているから、達するのも時間の問題だろう。
俺は真斗さんの目の前に立つ。

「真斗さんは、何回くらいディルドでエッチしたの?」

「やっ…わ、わかんないっ」

真斗さんは羞恥を耐えるように頭を振る。それでも、腰の動きは止められないようで、熱い吐息と甘い声がとめどなく漏れる。

「んっ…あっん…も、もうっ」

「真斗さん、イきそう?じゃあ」

「やっ…ど、どうして?」

真斗さんの脇に手を入れて体を抱き上げる。真斗さんは困惑する声をあげるが、それに返事はせずに室内を移動する。

脱衣所で服を脱ぎ捨て、浴室のタイルの上に真斗さんを抱えて座る。俺に後ろから抱き抱えられている真斗さんは、キョトンとしてる。自慰をみせてと言われやってみせたのに、途中で中断されたのだから真斗さんからしたら、わけが分からないだろう。
しかも、達する直前で寸止めされたのだから、体だって辛いはずだ。

真斗さんの腰を持ち上げ、刺激を求めひくついている後孔に俺自身をあてがう。そこは、いとも簡単に根本まで飲み込み、中は搾り取るようにうねる。

「か、一臣くん?…ひあっ…やっあっ…」

「真斗さん、俺ねすごい嫉妬深いみたいなんだ」

「え?…あっん…どういう意味?」

「真斗さんの一人エッチを見て、すごく興奮したけど…」

俺は内壁を撫でるように腰を揺する

「ひあっ…あっやっ」

「真斗さんのここに俺以外のものが入ってるのは許せなかったんだよね」

「えっ…やだぁっ…あっん…やっはぁっ」

真斗さんの足を開いて、深く穿つ。浴室の鏡に繋がっている部分が映る。

「ねぇ、見て真斗さんの中に俺が入ってる」

ここ好きだよね?と真斗さんが弱い所をつついて、乳首をつまむ

「やっ…やだっ…見ない、見ないで!」

「恥ずかしいの嫌いじゃないでしょ?覚えてる?真斗さんと初めて繋がったのも、ここだったよね」

「うんっ…あっやっ…かずおみく…もうっ」

真斗さんにキスをせがまれ、噛み付くようなキスをすると真斗さんは体をしならせ達した。中はすぼまり、俺はその締め付けで絶頂を迎えた。真斗さんの中から抜くと、後孔から俺のものがこぼれる。わざと、後孔を指で開いて

「見て。真斗さんの中から俺の溢れてる」

「やだぁっ…やめっ」

「俺の可愛い真斗さん。もうディルドなんて使わなくていいくらい、いっぱい抱くから」

覚悟してねと言うと、真斗さんの顔には期待が広がる。
真斗さんが可愛くて興奮していた俺は、その日、真斗さんが意識を飛ばすまで貪るように抱いたのだった。

もちろん、ディルドはゴミ箱に捨てておきました。





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