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僕には災厄が降りかかる。その二
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ファルクもとい親父に抱き抱えられ、食べたような食べてないような腹でそれでも腹は膨れていたが満足な食事とはいえなかった大衆食堂を後にした。
しかし、出てきた街の様子がおかしい。
悲鳴や怒号が遠くの方から聞こえるのだ。明らかに何かが起きてる。
「親父ーみんなどーしたの?」
上向いて親父の顔を見れば耳をピクピクさせて、表情を固まらせていた。
「親父ー?」
「…リク。逃げるぞ」
「ほえ?」
直後、親父は僕を抱えたまま猛烈なスピードで走り出した。
「ふぁうっ!!?#\$#!!?」
「喋るな、舌噛むぞ!!」
遅いよ、もう舌噛んだ。
ドォォオッッ…ン!!!!!
その声とともに、物凄い爆発音。親父に抱えられていなかったら簡単に吹き飛ばされていたであろう爆風が進行方向に向かって吹き荒れる。その爆風もなんとも思っていないのか、直進し続ける親父は俺を抱えたまま凄いスピードで走っていた。
何っ!?何が起こってるんだ!?!
「ワイバーンが街を襲ってる!!女子供は早く避難しろ!!」
「腕に自信のあるやつ!!Sランク、Aランクのやつは食い止めるの手伝え!!!」
「今誰が行ってるんだ!?!!」
「ギルマスが行った!少しは時間稼いでくれるっ!!早く応援をっ!!!」
叫んでるこの街のギルドの人達は、女の人や子どもを誘導していた。
親父、行かなきゃっ!!!
そう思ってファルクを見上げるも、頭を撫でられるだけ。
いやいや、だめだろ!!?Sランク冒険者!!!
ごそごそと親父の腕の中でもがいて肩から顔を出し爆風が吹き荒れてきた後ろを見る。
「うわぁ…」
でけぇーー。
太陽を背に巨大な鳥もどき…いやワイバーンが空に浮かんでいた。
呑気にそんな感想を抱くような場合ではないのだが、いまだにあまりこの世界で生きているという実感が無いため、そんな呆けたような感想しか出ないのかもしれない。
多分、一般人がこれを見て最初に思うのは、恐怖か死だと思う。おかしいぞ、僕。
まぁ、今はそんなことは置いておいて。
「あれ、倒せばいいんだよね?」
「…?」
親父が思わずといった様子で足を止め不思議そうな顔で首を傾げた。…可愛いな、おい。
ふふん、魔法が使い放題の僕は何でもアリなんだよ!!
満足な食事ができなかった恨み、ワイバーンのせいにしてここで晴らしてやる!!
しかし、出てきた街の様子がおかしい。
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上向いて親父の顔を見れば耳をピクピクさせて、表情を固まらせていた。
「親父ー?」
「…リク。逃げるぞ」
「ほえ?」
直後、親父は僕を抱えたまま猛烈なスピードで走り出した。
「ふぁうっ!!?#\$#!!?」
「喋るな、舌噛むぞ!!」
遅いよ、もう舌噛んだ。
ドォォオッッ…ン!!!!!
その声とともに、物凄い爆発音。親父に抱えられていなかったら簡単に吹き飛ばされていたであろう爆風が進行方向に向かって吹き荒れる。その爆風もなんとも思っていないのか、直進し続ける親父は俺を抱えたまま凄いスピードで走っていた。
何っ!?何が起こってるんだ!?!
「ワイバーンが街を襲ってる!!女子供は早く避難しろ!!」
「腕に自信のあるやつ!!Sランク、Aランクのやつは食い止めるの手伝え!!!」
「今誰が行ってるんだ!?!!」
「ギルマスが行った!少しは時間稼いでくれるっ!!早く応援をっ!!!」
叫んでるこの街のギルドの人達は、女の人や子どもを誘導していた。
親父、行かなきゃっ!!!
そう思ってファルクを見上げるも、頭を撫でられるだけ。
いやいや、だめだろ!!?Sランク冒険者!!!
ごそごそと親父の腕の中でもがいて肩から顔を出し爆風が吹き荒れてきた後ろを見る。
「うわぁ…」
でけぇーー。
太陽を背に巨大な鳥もどき…いやワイバーンが空に浮かんでいた。
呑気にそんな感想を抱くような場合ではないのだが、いまだにあまりこの世界で生きているという実感が無いため、そんな呆けたような感想しか出ないのかもしれない。
多分、一般人がこれを見て最初に思うのは、恐怖か死だと思う。おかしいぞ、僕。
まぁ、今はそんなことは置いておいて。
「あれ、倒せばいいんだよね?」
「…?」
親父が思わずといった様子で足を止め不思議そうな顔で首を傾げた。…可愛いな、おい。
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