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第三十三章
服と肉体
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「何か深い理由でもあるんですか?」
俺は諦めてゴブゾウさんに質問をした。やはりスポーツ興行とメディアは持ちつ持たれつだ、少しばかり意に添わない瞬間があってもおつき合いしておくに限る。
「それがですねー。なんとあの衣装! デザイナーであるニャンガ監督の息子さんが作った服なんですねー!」
たかだがそれだけの事をゴブリンは何度も手元のメモを確認しながら言った。しかも途切れ途切れなので、『デザイナーである』という修飾がニャンガ監督にかかっているかのように聞こえ、
「え!? ニャンガ監督って服飾業もやってんの!?」
と少し驚いてしまった。違うね、デザイナーなのはニャンガ監督の息子さんだね!
「へえ。そうなんですね。息子さん想いのお母さんだ」
続いてゴブゾウさんが言ったその息子さんのブランド名を、俺は全く聞き覚えがなかった。まああの配色で想像はついたが人気メーカーという訳ではないようだ。
「そうなんです! 息子さんを有名にするために、敢えて着ているんですね~」
そう続ける小鬼の声にはあからさまに侮蔑する色があったが、俺は軽くスルーする。実際、俺だって代表公式スーツを売る為に自ら着たり選手に着せたりしているし。それに母親が息子にかける愛って特別だって言うやん? 知らんけど。
「順調に勝っている時は良いですが不調だったり万が一、負けたりすると服装のせいだって言われるかもですね~」
俺の反応がイマイチだったからか、ゴブゾウさんは更に下世話なエピソードを追加してきた。だがまあハッキリ言って余計なお世話である。俺は鼻息を強く吹いて沈黙した。
監督というのは常に難癖をつけられるものだ。ジャージを着たら服に気を使えと言われる。スーツを着たら服にばかり気がいって集中してないと言われる。つまり何をしていても避難の材料になるのだ。
もちろん俺は監督同士の心理戦を好む方だし、相手の服装をイジる事で優位に立てるなら躊躇い無くそうするだろう。自分がするのは良いがマスコミがするのには不快感を覚えるのか? とタブスタを指摘されればその通りと答えるしかない。
だが俺はそうする時は堂々と相手の前に立ち、反撃を受け止める。より酷い言葉で罵られる事になっても泣き言を言ったりはしない。大きな権力の傘に隠れ匿名で攻撃するような輩と一緒にはして欲しくないのだ。
あと追加して言えば……家族の事をネタにするのはやはり違うと思う。ほら、マフィア同士の抗争でも家族には手を出さない的な? いやちょっと違うか。
「どうしました?」
「いえ。でもそろそろ公開の時間が終わりますね。出ましょう」
俺の不機嫌をゴブゾウさんも気づいた様で、そちらも不機嫌に問いかけてきた。しかし俺は時間を理由に返答せず、挨拶もそこそこにその場を去った。
後に、この対応が酷い事態を招くことを、その時の俺は知る由もなかった……。
練習が非公開になっている間はスタジアム外のカフェテラスで食事をとって時間を潰す事にしていた。アローズの前日練習は午後からで、皆は昼食をとってから来る。一方の俺とナリンさんは宿舎へ帰って飯を詰め込んでまたスタジアムへ……では流石に忙しないので、ここにステイするのだ。
「GKについては、予想よりも落ちているであります」
カウンターで俺と自分の分の昼食――魚のフリッターを冷ましてパンで挟んだモノと冷たいお茶だ。猫族はやはり猫舌らしい――を買ってきてくれたエルフは、それらをテーブルに並べながら言った。
「そうなんですか。まだ代わらず……」
「ええ、ジーニャではありますが」
俺の問いにコーチはフェリダエチームの正GKの名を揚げて答える。ジーニャ選手とは誰あろう、例の『ニャイアミの奇跡』で世紀の大失態を犯してしまった選手の片方側である。
彼女の身長は2mに少しだけ届かないくらい。長身だが動きは滑らかで不器用さはなく、跳躍力も抜群。見た目も動きも黒豹の様……というか黒毛のフェリダエ族なのでそのまんま、黒豹だ。
度胸も抜群で、あのシーズンはルーキーながら開幕戦に出場しゴルルグ族戦まで堂々たるプレイをみせていた。ただニャウダイール選手との追突後はやはり精彩を欠き、頭部を打ったという事もあり次の試合からはベンチ外へ降格。結局、そのシーズンのゴルルグ族戦以降は出番が無かった。
だがシーズンオフにきっちりとコンディションを戻し、翌シーズンからはまずベンチに復帰。リーグ戦半ば頃にスタメンを取り返し、以後数年間ずっと王者のチームの正GKである。
大チョンボをやらかした選手がそのまま表舞台から姿を消してしまう事は競技を問わずある。しかしジーニャ選手は立派にカムバックし今も選手を続けているのである。その陰に腕の良いコーチの奮闘があった事は想像に難くないだろう。
もっとも、いまはその『腕の良いコーチ』ことニャイアーコーチ、アローズにいるんですけどね……。
「フィジカル、フィジカル、フィジカルです」
ナリンさんは苦笑しながらそう言った後、勢いのままガブリと昼食に噛みついた。
「あーやっぱそうなりますか」
俺は練習の様を表現するかのようなナリンさんの食べっぷりにつられて笑う。そうそう、しょっちゅう
「異世界の種族、だいたい俺より目が良い」
ってグチっているけど、何気に歯や胃も強いんだよな。
「GKの育成理論がない国とか学校も、そんな感じらしいです」
彼女の口の中に食べ物がある間はこちらが喋るターンだろう。俺は地球にいた時に聞いた話を思い出して続ける。
「技術が教えられない場合は、とにかく身体能力にモノを言わせてボールに飛びつくしかないですからね。あと足下も無いのでスローイングが大事になりますし」
例えば学校の球技大会などで、GKをやらされたバスケ部やハンドボール部の子が意外な活躍をする、というシーンがあったりするが、理屈はそれである。身体能力が高くて良いボールを投げれるのは、地味にアドバンテージなのだ。
「じゃあ普通のGKとしての質は落ちているかもしれませんが、そっちの面は要注意ってことですね」
俺がそう言うとナリンさんは咀嚼していた最後の塊を飲み込んで頷いた。そして
「ショーキチ殿の方はどうでありましたか? 見慣れぬ御仁と話し込まれていたようですが?」
と聞いてきた。うん、やっぱり目が良いな!
「お気づきでしたか。実はですねー。これ、言うと炎上しちゃうかなー」
俺はゴブゾウさんの真似で口火をきりつつ、先ほどあった出来事を説明し始めた。
俺は諦めてゴブゾウさんに質問をした。やはりスポーツ興行とメディアは持ちつ持たれつだ、少しばかり意に添わない瞬間があってもおつき合いしておくに限る。
「それがですねー。なんとあの衣装! デザイナーであるニャンガ監督の息子さんが作った服なんですねー!」
たかだがそれだけの事をゴブリンは何度も手元のメモを確認しながら言った。しかも途切れ途切れなので、『デザイナーである』という修飾がニャンガ監督にかかっているかのように聞こえ、
「え!? ニャンガ監督って服飾業もやってんの!?」
と少し驚いてしまった。違うね、デザイナーなのはニャンガ監督の息子さんだね!
「へえ。そうなんですね。息子さん想いのお母さんだ」
続いてゴブゾウさんが言ったその息子さんのブランド名を、俺は全く聞き覚えがなかった。まああの配色で想像はついたが人気メーカーという訳ではないようだ。
「そうなんです! 息子さんを有名にするために、敢えて着ているんですね~」
そう続ける小鬼の声にはあからさまに侮蔑する色があったが、俺は軽くスルーする。実際、俺だって代表公式スーツを売る為に自ら着たり選手に着せたりしているし。それに母親が息子にかける愛って特別だって言うやん? 知らんけど。
「順調に勝っている時は良いですが不調だったり万が一、負けたりすると服装のせいだって言われるかもですね~」
俺の反応がイマイチだったからか、ゴブゾウさんは更に下世話なエピソードを追加してきた。だがまあハッキリ言って余計なお世話である。俺は鼻息を強く吹いて沈黙した。
監督というのは常に難癖をつけられるものだ。ジャージを着たら服に気を使えと言われる。スーツを着たら服にばかり気がいって集中してないと言われる。つまり何をしていても避難の材料になるのだ。
もちろん俺は監督同士の心理戦を好む方だし、相手の服装をイジる事で優位に立てるなら躊躇い無くそうするだろう。自分がするのは良いがマスコミがするのには不快感を覚えるのか? とタブスタを指摘されればその通りと答えるしかない。
だが俺はそうする時は堂々と相手の前に立ち、反撃を受け止める。より酷い言葉で罵られる事になっても泣き言を言ったりはしない。大きな権力の傘に隠れ匿名で攻撃するような輩と一緒にはして欲しくないのだ。
あと追加して言えば……家族の事をネタにするのはやはり違うと思う。ほら、マフィア同士の抗争でも家族には手を出さない的な? いやちょっと違うか。
「どうしました?」
「いえ。でもそろそろ公開の時間が終わりますね。出ましょう」
俺の不機嫌をゴブゾウさんも気づいた様で、そちらも不機嫌に問いかけてきた。しかし俺は時間を理由に返答せず、挨拶もそこそこにその場を去った。
後に、この対応が酷い事態を招くことを、その時の俺は知る由もなかった……。
練習が非公開になっている間はスタジアム外のカフェテラスで食事をとって時間を潰す事にしていた。アローズの前日練習は午後からで、皆は昼食をとってから来る。一方の俺とナリンさんは宿舎へ帰って飯を詰め込んでまたスタジアムへ……では流石に忙しないので、ここにステイするのだ。
「GKについては、予想よりも落ちているであります」
カウンターで俺と自分の分の昼食――魚のフリッターを冷ましてパンで挟んだモノと冷たいお茶だ。猫族はやはり猫舌らしい――を買ってきてくれたエルフは、それらをテーブルに並べながら言った。
「そうなんですか。まだ代わらず……」
「ええ、ジーニャではありますが」
俺の問いにコーチはフェリダエチームの正GKの名を揚げて答える。ジーニャ選手とは誰あろう、例の『ニャイアミの奇跡』で世紀の大失態を犯してしまった選手の片方側である。
彼女の身長は2mに少しだけ届かないくらい。長身だが動きは滑らかで不器用さはなく、跳躍力も抜群。見た目も動きも黒豹の様……というか黒毛のフェリダエ族なのでそのまんま、黒豹だ。
度胸も抜群で、あのシーズンはルーキーながら開幕戦に出場しゴルルグ族戦まで堂々たるプレイをみせていた。ただニャウダイール選手との追突後はやはり精彩を欠き、頭部を打ったという事もあり次の試合からはベンチ外へ降格。結局、そのシーズンのゴルルグ族戦以降は出番が無かった。
だがシーズンオフにきっちりとコンディションを戻し、翌シーズンからはまずベンチに復帰。リーグ戦半ば頃にスタメンを取り返し、以後数年間ずっと王者のチームの正GKである。
大チョンボをやらかした選手がそのまま表舞台から姿を消してしまう事は競技を問わずある。しかしジーニャ選手は立派にカムバックし今も選手を続けているのである。その陰に腕の良いコーチの奮闘があった事は想像に難くないだろう。
もっとも、いまはその『腕の良いコーチ』ことニャイアーコーチ、アローズにいるんですけどね……。
「フィジカル、フィジカル、フィジカルです」
ナリンさんは苦笑しながらそう言った後、勢いのままガブリと昼食に噛みついた。
「あーやっぱそうなりますか」
俺は練習の様を表現するかのようなナリンさんの食べっぷりにつられて笑う。そうそう、しょっちゅう
「異世界の種族、だいたい俺より目が良い」
ってグチっているけど、何気に歯や胃も強いんだよな。
「GKの育成理論がない国とか学校も、そんな感じらしいです」
彼女の口の中に食べ物がある間はこちらが喋るターンだろう。俺は地球にいた時に聞いた話を思い出して続ける。
「技術が教えられない場合は、とにかく身体能力にモノを言わせてボールに飛びつくしかないですからね。あと足下も無いのでスローイングが大事になりますし」
例えば学校の球技大会などで、GKをやらされたバスケ部やハンドボール部の子が意外な活躍をする、というシーンがあったりするが、理屈はそれである。身体能力が高くて良いボールを投げれるのは、地味にアドバンテージなのだ。
「じゃあ普通のGKとしての質は落ちているかもしれませんが、そっちの面は要注意ってことですね」
俺がそう言うとナリンさんは咀嚼していた最後の塊を飲み込んで頷いた。そして
「ショーキチ殿の方はどうでありましたか? 見慣れぬ御仁と話し込まれていたようですが?」
と聞いてきた。うん、やっぱり目が良いな!
「お気づきでしたか。実はですねー。これ、言うと炎上しちゃうかなー」
俺はゴブゾウさんの真似で口火をきりつつ、先ほどあった出来事を説明し始めた。
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