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第2章の2・いいパンチだ…の ぷち話し
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学園に急ぐ隆正。
〝く…横っ腹痛ぇー〟
抹紅のホッケー仮面達にヌンチャクで脇腹をやられた隆正は、痛みをこらえながら走っていた。
〝遅刻したら…じいちゃんも恐いが、流香も恐い…急がんとあかん!〟
最終コーナーを曲がり、園門まで直線を残すのみ。
〝間に合ったで!〟
安心して門を通り抜けた隆正は減速を始めた。その時、誰かが声を掛ける。
「隆正!クリームパンいるか?!」
「お、おう!」
竜沢の声に反応して腰を捻った隆正は…横っ腹に激痛。
「はっ!ぐわっげ!」
もんどりうって地に転がる隆正。
「お、おごぉぉぉ……」
苦しむ隆正に近付いてくる竜沢。
「何やってんだよ隆正。ほれ、クリームパン。」
〝くぅ…え、えらい目に遭うたが、クリームパンを手に入れたんや。本望やで!〟
上体を起こし、竜沢が差し出したモノをガシっと勢いよく受け取る隆正。
「………あ?」
袋には『スイカ汁のクリームパン』と書かれていた。
「どうだ、珍しいだろ?鏡にチョココロネ買う約束だったから、途中でトメばあちゃんの店に寄ったらそれが置いててな。味は気になるけど自分で食うのは嫌だったんで、お前に食わそうと思って。」
「お…俺の我慢を返せ~!」
泣きながら竜沢にしがみつく隆正であった。
「な、泣くなよ。いや、意外と美味いかもよ?」
そんなはずは無い。
〝く…横っ腹痛ぇー〟
抹紅のホッケー仮面達にヌンチャクで脇腹をやられた隆正は、痛みをこらえながら走っていた。
〝遅刻したら…じいちゃんも恐いが、流香も恐い…急がんとあかん!〟
最終コーナーを曲がり、園門まで直線を残すのみ。
〝間に合ったで!〟
安心して門を通り抜けた隆正は減速を始めた。その時、誰かが声を掛ける。
「隆正!クリームパンいるか?!」
「お、おう!」
竜沢の声に反応して腰を捻った隆正は…横っ腹に激痛。
「はっ!ぐわっげ!」
もんどりうって地に転がる隆正。
「お、おごぉぉぉ……」
苦しむ隆正に近付いてくる竜沢。
「何やってんだよ隆正。ほれ、クリームパン。」
〝くぅ…え、えらい目に遭うたが、クリームパンを手に入れたんや。本望やで!〟
上体を起こし、竜沢が差し出したモノをガシっと勢いよく受け取る隆正。
「………あ?」
袋には『スイカ汁のクリームパン』と書かれていた。
「どうだ、珍しいだろ?鏡にチョココロネ買う約束だったから、途中でトメばあちゃんの店に寄ったらそれが置いててな。味は気になるけど自分で食うのは嫌だったんで、お前に食わそうと思って。」
「お…俺の我慢を返せ~!」
泣きながら竜沢にしがみつく隆正であった。
「な、泣くなよ。いや、意外と美味いかもよ?」
そんなはずは無い。
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