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第一章
ハズレ引きと傀儡師と人形の蒼穹乱舞
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「ーーーあっついですねぇ」
ーーーーー時は真夏の朝方、
目まぐるしく人の混みかう、騒がしい街と街とを繋ぐ橋の途中で、とある噂話が花を咲かせていた。
ーーー各国の王が、姿を現す。
誰から伝わったでもなく、ただ耳に入ったというだけなのだろう。それだけで自己の時間を惜しみ、足を止めて見ず知らずの赤の他人にまで声を掛けていた。
陣を象り酒を飲みかわす海賊や盗賊もいれば、丸まって日向ぼっこ状態の猫や鳥達も疎らだ。
まだこの辺りは街の橋の方なのだと、改めて実感してしまった。
この国はどれだけ人が入国したとして、狭くなる筈はない。土地密度ではこの世界一を誇る繁華街なのだから。
しかし、中心街より使用できる土地の面積は半分にも至っていない。
そう、それを示すように。
極大な城が、土地が浮かぶ中心の街の下で、わいわいがやがやと、狭苦しい思いをしてまで話し込んでいる。
「おいおい、聞いたか」
「ああ。なんでも、上流貴族達の間で噂らしいんだがな。今夜11時11分、きっちりに現れるらしいぜ」
「お綺麗らしいのよね~」
「超絶美形だってぇ!!!」
「100年に一度の会合かぁ…見に行くっきゃねぇだろぉ!!」
「各国の王達がなぁ!気まぐれにしても嬉しいぜ!!!」
ーーーーーーふん。
不甲斐ないが、少し嫉妬してしまう人気っぷりですね。
てな訳でどうやら、間違いなさそうです。
私達の旅の目的地は、もうすぐそこまで来ているらしい。
「…ちょっと、緊張感ありますね」
ハットを目元深く被り、顔を露出させない様にいつもの探偵ポーズ。これ結構気に入っているのですよ私は。
何せ久々の密入国。ここにいる殆どの人間が入国審査用パスを所持しており、それを使ってこの国へ足を踏み入れた筈。
依然、いまフードを被っている私達はそんなご大層な物を所持しているわけもなく。懇切丁寧に上手く門番の兵士達を気絶させられたがゆえの今です。
黒スーツに丸眼鏡が普段着の私にしてみれば、不審という言葉の致すところにいささか疑問を感じ得ないが、それは国のせいにしておきましょう。赤い髪をまとめて隠す。
後は前述通りに上手く事が進んでくれればそれでいい。
何が起こるか一ミリも油断が出来ない。なんせ今回私達に課せられた任務は、常識的に考えれば有り得る事ではなく、確実に困難なものなのだから。
と、人が深く考え事をしていた側で。
「ん?どうしましたルィーネ」
「ーーーんーーーっ!!!!」
密入国のお供に宛てがわれた「ハズレ」の二人、私ともう一方。その彼女が我慢の限界とでもいうように。
「うっわー……
もういや。狭い苦しーーいっ、
……だっるーーーーいっ!!!」
ーーー右方向より、フードを脱ぎ去る大馬鹿者が大声で我が国の国章を露わにする。
「いーーーやっほぉーーーーっ!!!やってきました第3の王国ビィル!!!
いやー活気付いてますねぇ嬉しい楽しい心は癒しいあたし優しいっ!!!」
陽光をさえぎるようにあっついなーとポーズをキメて観光客の格好の的として注目を浴びていらっしゃる我等が第十王国《超世界》アイドル的存在ルィーネ・ホライズン様だ。
桃色の長髪に、青く凪いだ瞳。腰に短剣を携え豊満な2つの果実をたゆませる。劣情を煽るその仕草に私は思う。
うるさーい。
「ラ・ドゥ・クリムゾントルネード去勢ファンタジアキィィィィック!!!!!!!!!!!!」
間違いなくぶっ飛び度をを最重視した飛び蹴りを、躊躇いなく彼女の腹もとにぶっ放した。
「ーーーーん?ふぁわっ!!?」
バネじかけに急加速する身体。上手く人々の頭上を通り抜け、一直線に光線を描いていった。なあに大丈夫ですよ。元気のみで生きているような人ですから死にはしないさ。
そしてこの間約0.271秒。橋の向こうに位置する大噴水へと叩きつけた。
大噴水という名に恥じず、濠の深さで言えば直径20mを凌ぐ大きさだ。
その穴に、叩きつけられると。
一般人には見える筈も無い。てことで呑気な観光客達は驚きに口をあんぐりとさせた。
世界が青く染め上げられる。
噴射口よりざっぱんと水が吹き出し、街は光に包まれていく。
あちらこちらに虹が生まれゆく神秘的な光景に、我ながら天晴れな事をしたと痛感する。
「うわあ…!綺麗……」
「なんだなんだぁ?王家か何処かのセレモニーか?派手すぎるだろ…」
「うわあ!!つめたいっ!!たのしー!!!」
「こらこら、走ると危ないわよ?」
図らずも目を引いてしまったことを少しばかり後悔。私も相当に高揚してしまっているようだ。
「…ではこれにて閉幕」
「ぷはぁっ!?ちょっと!?なに恥らう乙女の勝負服を破いちゃってんすか変態探偵!!!」
…とはいかず。かったるいんだもん、と言いかけそうな口をこれでもかとばかりに両手で押さえ込む。
麻疹らしく橋の端っこへ走って移動した…なんて冗談も考えていられる状態ではない。
「だってもくそもへったくれもありませんよ…はあっ…私達はファルスのお忍びで来ているのですよ。観光客じゃああるまいに」
口を塞いでそのまま動かぬ事二分ほど。
「ーーーぷはわっ!殺す気かーーーー!!!!」
…今にも噛みつきそうにぐるるると威嚇してきます。ああ怖い怖い。私まだ死にたくありませんよ?
「いざとなったら見捨てて殺すぞと、我等が主様の通達です」
冗談半分だと思ったのか、悪意全開の笑みで目を細めて含み笑い、少女は
「ぶっ!アホかバカ」
ピンク色のロングストレートマッチ髪を指でたなびかせ、横柄にも私に指差して言う。
「あのですね、だいたいですね、このただでさえ狭っ苦しい街中で何を大きな仕草で元気バンザイしてんだよって事ですよ。…心底呆れますよ。紳士の名を汚さないで下さいますか?」
と、一通り説明を終えたのち、何やら心に思う所があったのか、余裕の眼差しでこちらを見やり、
「…はっはーん、なら言わせてもらいますけどね。まさか見くびってませんかぁ…!?あたしには余裕があるんすよ。こんな任務火に油を注ぐより楽勝っすよ?ふっ…これが大人の経験の天と地の差かな!えっへんっ!」
この元気活発一騎当千百花繚乱猪突猛進空前絶後犬も歩けば棒に当たる精神で生きていると言っても過言ではない元気500%成人であるルィーネは、自らを顧みず、何度傷付いても倒れても、助けたいと思う奴ならば助けるという。
つまり。
「人間のクズですね……」
あまねく偽善者オーラを振りまいて恥ずかしくないのか甚だ遺憾である。
そして彼女は悪びれた様子も無く、今も出店を物色し続けている。
「ほら見てよこの人だかり!!強い日差し!満天の空!!!青い海に囲まれた離れ島っ!!!そして空に輝く浮遊城!!!
大はしゃぎっすよ!!!こんなシチュエーションで興奮しないとか、あんた脳みそ腐ってんですかね!?」
ーーーそうだ。私は腐っている。
結足の時は今夜、常夏の日、普段は決して交わる事の無い栄国の王達が、100年に一度、その存在を確認する為、そして、これからの世界の回り方など、方針を決定する為に収集される。
無論否応は無いのだが、必ずしも出席している人数は限られている。
その少しの人数だけでも。
私達は…………
ーーーーー時は真夏の朝方、
目まぐるしく人の混みかう、騒がしい街と街とを繋ぐ橋の途中で、とある噂話が花を咲かせていた。
ーーー各国の王が、姿を現す。
誰から伝わったでもなく、ただ耳に入ったというだけなのだろう。それだけで自己の時間を惜しみ、足を止めて見ず知らずの赤の他人にまで声を掛けていた。
陣を象り酒を飲みかわす海賊や盗賊もいれば、丸まって日向ぼっこ状態の猫や鳥達も疎らだ。
まだこの辺りは街の橋の方なのだと、改めて実感してしまった。
この国はどれだけ人が入国したとして、狭くなる筈はない。土地密度ではこの世界一を誇る繁華街なのだから。
しかし、中心街より使用できる土地の面積は半分にも至っていない。
そう、それを示すように。
極大な城が、土地が浮かぶ中心の街の下で、わいわいがやがやと、狭苦しい思いをしてまで話し込んでいる。
「おいおい、聞いたか」
「ああ。なんでも、上流貴族達の間で噂らしいんだがな。今夜11時11分、きっちりに現れるらしいぜ」
「お綺麗らしいのよね~」
「超絶美形だってぇ!!!」
「100年に一度の会合かぁ…見に行くっきゃねぇだろぉ!!」
「各国の王達がなぁ!気まぐれにしても嬉しいぜ!!!」
ーーーーーーふん。
不甲斐ないが、少し嫉妬してしまう人気っぷりですね。
てな訳でどうやら、間違いなさそうです。
私達の旅の目的地は、もうすぐそこまで来ているらしい。
「…ちょっと、緊張感ありますね」
ハットを目元深く被り、顔を露出させない様にいつもの探偵ポーズ。これ結構気に入っているのですよ私は。
何せ久々の密入国。ここにいる殆どの人間が入国審査用パスを所持しており、それを使ってこの国へ足を踏み入れた筈。
依然、いまフードを被っている私達はそんなご大層な物を所持しているわけもなく。懇切丁寧に上手く門番の兵士達を気絶させられたがゆえの今です。
黒スーツに丸眼鏡が普段着の私にしてみれば、不審という言葉の致すところにいささか疑問を感じ得ないが、それは国のせいにしておきましょう。赤い髪をまとめて隠す。
後は前述通りに上手く事が進んでくれればそれでいい。
何が起こるか一ミリも油断が出来ない。なんせ今回私達に課せられた任務は、常識的に考えれば有り得る事ではなく、確実に困難なものなのだから。
と、人が深く考え事をしていた側で。
「ん?どうしましたルィーネ」
「ーーーんーーーっ!!!!」
密入国のお供に宛てがわれた「ハズレ」の二人、私ともう一方。その彼女が我慢の限界とでもいうように。
「うっわー……
もういや。狭い苦しーーいっ、
……だっるーーーーいっ!!!」
ーーー右方向より、フードを脱ぎ去る大馬鹿者が大声で我が国の国章を露わにする。
「いーーーやっほぉーーーーっ!!!やってきました第3の王国ビィル!!!
いやー活気付いてますねぇ嬉しい楽しい心は癒しいあたし優しいっ!!!」
陽光をさえぎるようにあっついなーとポーズをキメて観光客の格好の的として注目を浴びていらっしゃる我等が第十王国《超世界》アイドル的存在ルィーネ・ホライズン様だ。
桃色の長髪に、青く凪いだ瞳。腰に短剣を携え豊満な2つの果実をたゆませる。劣情を煽るその仕草に私は思う。
うるさーい。
「ラ・ドゥ・クリムゾントルネード去勢ファンタジアキィィィィック!!!!!!!!!!!!」
間違いなくぶっ飛び度をを最重視した飛び蹴りを、躊躇いなく彼女の腹もとにぶっ放した。
「ーーーーん?ふぁわっ!!?」
バネじかけに急加速する身体。上手く人々の頭上を通り抜け、一直線に光線を描いていった。なあに大丈夫ですよ。元気のみで生きているような人ですから死にはしないさ。
そしてこの間約0.271秒。橋の向こうに位置する大噴水へと叩きつけた。
大噴水という名に恥じず、濠の深さで言えば直径20mを凌ぐ大きさだ。
その穴に、叩きつけられると。
一般人には見える筈も無い。てことで呑気な観光客達は驚きに口をあんぐりとさせた。
世界が青く染め上げられる。
噴射口よりざっぱんと水が吹き出し、街は光に包まれていく。
あちらこちらに虹が生まれゆく神秘的な光景に、我ながら天晴れな事をしたと痛感する。
「うわあ…!綺麗……」
「なんだなんだぁ?王家か何処かのセレモニーか?派手すぎるだろ…」
「うわあ!!つめたいっ!!たのしー!!!」
「こらこら、走ると危ないわよ?」
図らずも目を引いてしまったことを少しばかり後悔。私も相当に高揚してしまっているようだ。
「…ではこれにて閉幕」
「ぷはぁっ!?ちょっと!?なに恥らう乙女の勝負服を破いちゃってんすか変態探偵!!!」
…とはいかず。かったるいんだもん、と言いかけそうな口をこれでもかとばかりに両手で押さえ込む。
麻疹らしく橋の端っこへ走って移動した…なんて冗談も考えていられる状態ではない。
「だってもくそもへったくれもありませんよ…はあっ…私達はファルスのお忍びで来ているのですよ。観光客じゃああるまいに」
口を塞いでそのまま動かぬ事二分ほど。
「ーーーぷはわっ!殺す気かーーーー!!!!」
…今にも噛みつきそうにぐるるると威嚇してきます。ああ怖い怖い。私まだ死にたくありませんよ?
「いざとなったら見捨てて殺すぞと、我等が主様の通達です」
冗談半分だと思ったのか、悪意全開の笑みで目を細めて含み笑い、少女は
「ぶっ!アホかバカ」
ピンク色のロングストレートマッチ髪を指でたなびかせ、横柄にも私に指差して言う。
「あのですね、だいたいですね、このただでさえ狭っ苦しい街中で何を大きな仕草で元気バンザイしてんだよって事ですよ。…心底呆れますよ。紳士の名を汚さないで下さいますか?」
と、一通り説明を終えたのち、何やら心に思う所があったのか、余裕の眼差しでこちらを見やり、
「…はっはーん、なら言わせてもらいますけどね。まさか見くびってませんかぁ…!?あたしには余裕があるんすよ。こんな任務火に油を注ぐより楽勝っすよ?ふっ…これが大人の経験の天と地の差かな!えっへんっ!」
この元気活発一騎当千百花繚乱猪突猛進空前絶後犬も歩けば棒に当たる精神で生きていると言っても過言ではない元気500%成人であるルィーネは、自らを顧みず、何度傷付いても倒れても、助けたいと思う奴ならば助けるという。
つまり。
「人間のクズですね……」
あまねく偽善者オーラを振りまいて恥ずかしくないのか甚だ遺憾である。
そして彼女は悪びれた様子も無く、今も出店を物色し続けている。
「ほら見てよこの人だかり!!強い日差し!満天の空!!!青い海に囲まれた離れ島っ!!!そして空に輝く浮遊城!!!
大はしゃぎっすよ!!!こんなシチュエーションで興奮しないとか、あんた脳みそ腐ってんですかね!?」
ーーーそうだ。私は腐っている。
結足の時は今夜、常夏の日、普段は決して交わる事の無い栄国の王達が、100年に一度、その存在を確認する為、そして、これからの世界の回り方など、方針を決定する為に収集される。
無論否応は無いのだが、必ずしも出席している人数は限られている。
その少しの人数だけでも。
私達は…………
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