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駅
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喧騒を掻き分けるように、歩いた。
急がなきゃ、急がなきゃ。
休日の駅の構内は、人が溢れ返っている。
彼を待たせるなんてダメだっ!
「おにーさん、一人なんでしょーぉ?」
ほら、やっぱり。
彼は厚化粧の女二人に絡まれていた。
「ホントーは彼女なんていないんでしょ? 私たちと遊ぼうよーぉ」
断る彼の話も聞かず、女は強引に彼の腕を引いて連れていこうとする。
……はぁ。これは助けたほうがいいな。
私はツカツカと歩き、女二人と彼の間に割って入った。
「あの、この人私と付き合ってるんで、そういうのやめてもらえますか」
束の間の沈黙。
我に返った女が、
「あんた誰よ!? この人は私たちと遊ぼうとしてたのよ!」
なんと逆ギレしてきた。
(面倒くっさ)
折角のデートだったのになぁ。
「彼は今日、私とデートの約束をしていたんです。お引き取りください」
「なんですって──」
「ストップ」
急に、彼が静止を入れた。
カッとなっていた女たちも、突然の出来事に動きを止める。
「もう、やめましょう? あと、僕は可愛い彼女とデートがあるので」
グイッと肩を引き寄せられる。
彼の薄い胸板が、すぐ目の前に迫った。
「あぁもう、わかったわよ! あとで後悔しても知らないんだから!」
ブース! とあかんべーをしながら言われ、腹が立った私だったが。
「#__紀絲__きいと#、落ち着いて」
「……わかったわよ」
彼に#__宥__なだ#められて落ち着けるワケないじゃないっ! もうっ、カッコいいんだからっ!
今までとは違う意味でイライラしている私を見兼ねて、彼は
「えっと……ごめん」
謝る。彼が謝る必要なんてどこにもないのに。
「あと、助けてくれてありがとう」
あぁ、こういうところ。私が好きになったのは、彼の、こういうところ。
今日も私の彼氏は可愛い……いや、カッコいい。
「ねぇ藍、今日の夜、あなたの家に行っていい?」
温かいシチューを作ってあげよう。
私のために割り込んでくれたのだから。弱気の藍は、勇気を出して頑張ったのだ。私は彼の手を引いて、今度は絡まれないように歩いた。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
ごめんなさいごめんなさい今回もサーバに接続できないとか言われてサイトが開けませんでした……! 嘘じゃないです。
しかし私の事前準備が足りなかったのも原因です。反省します。
急がなきゃ、急がなきゃ。
休日の駅の構内は、人が溢れ返っている。
彼を待たせるなんてダメだっ!
「おにーさん、一人なんでしょーぉ?」
ほら、やっぱり。
彼は厚化粧の女二人に絡まれていた。
「ホントーは彼女なんていないんでしょ? 私たちと遊ぼうよーぉ」
断る彼の話も聞かず、女は強引に彼の腕を引いて連れていこうとする。
……はぁ。これは助けたほうがいいな。
私はツカツカと歩き、女二人と彼の間に割って入った。
「あの、この人私と付き合ってるんで、そういうのやめてもらえますか」
束の間の沈黙。
我に返った女が、
「あんた誰よ!? この人は私たちと遊ぼうとしてたのよ!」
なんと逆ギレしてきた。
(面倒くっさ)
折角のデートだったのになぁ。
「彼は今日、私とデートの約束をしていたんです。お引き取りください」
「なんですって──」
「ストップ」
急に、彼が静止を入れた。
カッとなっていた女たちも、突然の出来事に動きを止める。
「もう、やめましょう? あと、僕は可愛い彼女とデートがあるので」
グイッと肩を引き寄せられる。
彼の薄い胸板が、すぐ目の前に迫った。
「あぁもう、わかったわよ! あとで後悔しても知らないんだから!」
ブース! とあかんべーをしながら言われ、腹が立った私だったが。
「#__紀絲__きいと#、落ち着いて」
「……わかったわよ」
彼に#__宥__なだ#められて落ち着けるワケないじゃないっ! もうっ、カッコいいんだからっ!
今までとは違う意味でイライラしている私を見兼ねて、彼は
「えっと……ごめん」
謝る。彼が謝る必要なんてどこにもないのに。
「あと、助けてくれてありがとう」
あぁ、こういうところ。私が好きになったのは、彼の、こういうところ。
今日も私の彼氏は可愛い……いや、カッコいい。
「ねぇ藍、今日の夜、あなたの家に行っていい?」
温かいシチューを作ってあげよう。
私のために割り込んでくれたのだから。弱気の藍は、勇気を出して頑張ったのだ。私は彼の手を引いて、今度は絡まれないように歩いた。
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ごめんなさいごめんなさい今回もサーバに接続できないとか言われてサイトが開けませんでした……! 嘘じゃないです。
しかし私の事前準備が足りなかったのも原因です。反省します。
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