俺が魔王になるまで

ビッグバン

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勇者の実力

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おっと、取りこぼしがありましたか。

勇者は後ろにいた魔物に剣を振り下ろすと盾をまな板がわりにして肉を捌き、攻撃に使う鉄の扇を広げて皿がわりにして賢者達にお差し出した。

どうぞ。私とくせいオーク肉の焦がしステーキ、どくけし草と薬草を添えてです。心ゆくまで楽しんで下さい。

賢者は予想外の行動に口をポカンとあけてボーッとしていたがしばらくして我に返りこう言った。

えっと。勇者くん。これはどうゆう事かな。

はい。これはですね。さっき倒したオークの肉ですね。オークの肉は臭くて硬くあまり食用には向きません。しかし、臭みが出る前に剣を燃やして切る事によって臭みを取り、香りの強い毒消し草を揉み込む事よって肉に含まれる余分な雑味を消し、薬草を練り込むことによって肉が柔らかくなり、

いや。料理の説明を頼んだわけではないんじゃよ。

君は人類の味方なのかと聞いてるんじゃよ。
さっき、あなた方にも私の実力を味わってもらうとかいう不吉な発言をしておったかと思えばいきなり料理出してくるからどういうつもりか聞いておるのじゃよ。

賢者の質問に勇者はゆっくりと答え始めた。
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