東西妖怪大戦争

ビッグバン

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第2章 主人公のいないストーリー

いざあの世へ

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そんじゃあ行くで少年。まずは彼女の所まで連れて行ってくれんか。
病室に着いた瞬間、そこにいた丹念を見た無念は固まった様な笑顔でこう言った。
おう。久しぶりやのう。

その瞬間、丹念は立ち上がり、数珠を取り出し殴りかかろうとした。
お前は。

無念は身の危険を感じたのか慌てて丹念を止めた。ちょい待ち。今回ワシは敵じゃない。そこのお嬢さん助ける手伝いに来ただけや。
ちょいとそこの機械借りるで
そう言うと残念は生命維持装置のモニターにゲームのカセットの様な物を放り込んだ。
その瞬間、まるで水に物が落ちる様にゲームのカセットはモニターに吸い込まれ水の波紋の様な穴が空いた。

無念は俺を見て道具を取り出しながらこう言った。
はい。準備完了や。あとこれ渡しとくわ。あの世の通交手形。これがあれば川を渡れるはずや。まあだだ船を出してる奴がかなり変人やから。気をつけてな。

無念は丹念に向き合うと真剣な顔でこう言った。あと。お前さんも協力してくれ。丹念。お前さんのナビの力。敵であるワシが一番すごい事知っとるで。お前さんの力ならあの若者の力になれるはずや。

丹念。ワシ知っとるで。お前さんがナビに頼る理由。自分の道標になる自分の道を照らしてくれた太陽の様な人を無くしたからやろ。だから、機械に頼って道を選んどるんやろ。でもなもうお前にナビは必要ないワシらとの戦いを通じてお前は十分輝く存在になっとる。

敵であるワシが補償したる。ワシらにはお前のその輝きは眩しすぎるほど輝いとったで。

そうやな。ワシらとは逆でお前の中には太陽の様な光の言葉が胸の中にあるやろ。それさえあれば立ち上がれるはずや。

ワシらは逆にどんな時でもワシらを攻めて消える事のない呪いの言葉が胸ん中に残っとんねん。その言葉が常にワシらを苦しめる。

でも、お前は違う。必要な物はもうお前の胸の中にあるやろ。だから、自分の行く道ぐらい自分で照らせるどころか周りの人間の道を照らせる程にな。

なのに、勝手に拗ねていじけてこんな場所で油売っとんのや。

敵やからこそ分かるんや。お前の強さを。悪やからこそ誰よりも知ってるんや。痛みを。ワシら鬼は誰よりも弱いだから悪に落ちたんや。絶望した時辛い時ワシらは誰一人助けてくれる人がおらんかった。恨み怒り悲しみを抱えたまま死ぬしか無かった。

そんなワシらは当然世の中を恨んどる。だから鬼の大将さまのシンパシー事件に手を貸したんや。恨む事しか許されんかったからな。

だから誰よりもワシらは分かる。強さは弱さやと言う事を。たがら誰よりも知ってるお前の強さを。

うるさい。敵のお前にそんな事言われても無理だ。俺は死者に執着するのを手助けしたくない。

相変わらず頭かったいな。これやから坊主は。良いか。あの子はまだ仮死状態まだ完全な死じゃない。死にかけの病人を救う事がお前の仏道に反することか。

そう言うことならしかたない手をかそう。

相変わらず。頑固なんかチョロいんかわからん奴やな。でもまあ良い。これで準備は出来た訳や。


まあ頼みます。向こうに着いたら修行でもして強くなってから行くと良い。あの世での時間はこちらの世界と比べて時間の進みが早い。あちらの一年がこちらでは1秒もかからんくらいにな。だからじっくり修行するといい。あっちでお前さんの面倒見てくれる師匠も用意しとるからな。修行頑張りや。

やけに準備がいいな。さては、一般人を教育して軍団を再結成してまた京都の街を乗っ取るつもりじゃないだろうな。

んー。ヒュー。そんなわけないやん。鵺さんがいなくなった今ワシら幹部は改心してん。今のワシらは人々を楽しませるクリエイターやねん。これでがっぽり軍資金を。じゃなかった。人々の笑顔の為にゲームを作っただけや。

まあ。そう言う訳や。じゃあ言って来い。無念は俺の背中を掴みモニターの穴に向けて放り投げた。

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