東西妖怪大戦争

第2章 主人公のいないストーリー

覚悟

突然。その時はやってきた。患者の手術中に心の準備をする時間もなく突然音もなく奴らは現れた

外のガードマンから携帯の連絡が先生に入った。先生。正面の入口に。不審な人物が。現れたそうです。

絶対に通すな。患者の手術が終わるまでは何としても守り通すんだ。こちらも速やかに手術を終えて患者裏口から避難させたら私も時間を稼ぐだから何とか持ち堪えてくれ。

医師はそう言うと再び手術に取り組んだ。

その頃。幽太も孤独な戦いをしていた。気のせいじゃない。この匂い。この感じ。確かに。来てる。俺が間違えるはずがない。例え病み上がりでも間違えるはずがない。
そうこの感じ真央さんだ。真央さんが近くに来てる。俺は一度好きになったらとことん観察する為なんだ。それはもう半径1キロの範囲内なら気配と正確な位置を当てられ、目視できる距離なら精神状態や相手の考えまでだいたいわかるぐらいまでだ。まあ。だけど。分かった。ところで本人目の前にするといつも何も出来ないって言うオチがつくんだが。

とにかく。逢いに行こう。この事件の真相はもう俺の中ではもう解決している。あとは彼女でそれを証明するだけだ。

幽太が病院の入口に走って向かっていた時、ピチャピチャと真っ赤な液体を垂らしながらカボチャをかぶった女が受付の席に座っているのが目に入った。

真央さん。終わりにしよう。

幽太は服に仕込んだ物を取り出した。