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蟹の抵抗

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この地面から突然現れた如意棒は受け身を取る際に猿が地面に埋め込んだものだった。猿は事前に如意棒を折り何本にも増やし、更に小さくすることによって蟹を欺いたのだ。更に、腰を痛めた演技をしたのはこの場所に蟹をおびき寄せる為だったのだ。

猿はこのピンチを逃すまいと如意棒に命令した。

「縛れ如意棒」

その瞬間、如意棒は蟹を縛り上げた。だか、蟹のハサミの部分だけは蟹に抵抗され、縛り上げる事が出来なかった。
 
猿は筋斗雲に乗り上空に行くと筋斗雲から飛び折り、今まで様々な神々から教わった技術を一つにした。猿渾身の必殺技を放った。猿の必殺技には様々な手順が必要な高難易度の技である。まず、猿は上空に行く事によって落下速度で威力とスピードを上げている。更に、何百本の如意棒を一つの如意棒に凝縮し、強度と重さを増幅さている。また、如意棒の先端を槍状に尖らせ、一点の貫通力を更にあげる。そして、空気との摩擦により生じた熱を槍先に集め、熱と斬撃による同時破壊を狙う。

更に、猿の必殺技はこんなものでは終わらない。手に持っていた銃にとっておきの玉を込める。これは何千本の如意棒を限界まで小さくして弾丸状にした物で今まで打って来た弾丸の何千倍もの貫通力を誇る必殺の弾丸である。更に、この弾丸は当たったと同時に圧縮を解除して如意棒の大爆発を起こし、広範囲を攻撃するものなどもある。更に、勿論、そのまま、相手を撃ち抜く物や万が一当たっても貫通出来なかったら弾かれる事なく相手に貼り付き、その如意棒何千本分の重みで相手の自由を奪うものなど様々な弾がある。

猿は時と場合によって様々な弾を使い分けるのだが今回は出し惜しみ出来ないと考えたのか。その、全ての弾丸を装填し、更に、そのあまりの威力から自分や仲間まで巻き込みかねない事から封印していた。とっておきの弾丸を装填した。

猿はこの銃による連射を槍で相手を傷つけた傷口に撃ち込む事によって勝利してきたのだ。猿は蟹との因縁を終わらせるため相打ち覚悟で特攻した。

対する蟹も猿の必殺技をただ受けるだけではなかった。蟹は自分を縛り付ける如意棒を全てハサミで微塵切りにし、さらに、如意棒を足場にして跳んだ。そして、落下しながら必殺技を放とうとする猿に対して蟹も自身の最大奥義である。必殺技を放つ。

猿の必殺技は自身のダメージと引き換えにどんな防御をも崩し、相手を倒す諸刃の剣的な攻撃型である。それに対して、蟹の必殺技はタダでさえ高い防御力をさらに高め、自慢のハサミで相手を攻撃する攻防一体となった全く隙のない必殺技だった。

彼女の必殺技はまず足場の如意棒を彼女の発した泡で固めるところからはじまる。蟹は様々な作用がある泡を放出する事が出来る。戦いにおいて彼女はこの泡を様々な手段で活用する。例えば、相手を溶かす泡を吐いて攻撃にも使用できる。他にも、すぐに固まる硬度抜群の泡で相手の動きを封じたり、カモフラージュ効果のある泡で潜伏したりとその効果は使い様によって無限とも言える。万能の力である。

蟹は硬度が上がる泡を自身の体に付着させ、自身の防御力を更に上げた。そして、蟹自慢のハサミにはどんな刃物の切れ味も格段に上げる力を持つ切れ味上昇の泡を吹き付けた。

そして、その攻撃力の上がったハサミから強烈な斬撃を繰り出す。

その斬撃は今までの斬撃と違い、空間ごと相手を切り裂くという規模の違う威力を誇るまさに宇宙クラスの斬撃である。

更に、口からは当たった瞬間に固まり、相手を拘束する泡を広範囲に放つ。

泡には当たった相手を捉え、斬撃を避けた相手を確実に捉え真っ二つにするのためだ。

そんな一切隙のない蟹の必殺技と攻撃力で一点突破する猿と蟹の必殺技がいよいよぶつかり合う。

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