十二支vs十二星座

ビッグバン

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双子座の狙い

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その頃、双子座は十二支陣営の実質的大将である牛を追い詰めていた。

どうやら、弟がやられた。だが、大した問題ではない。

我ら双子座は二人で一人、すなわち、普段の二人の状態は力が半分の状態。つまり、最初から出来の悪い弟など情報集めの為の分身でしかなかったのだよ。

どちらかがやられ、一人になった時、つまりは脱落した弟の力も加わった。現在の私はフルパワーで戦えるわけだ。

さあ、思い知れ。こっからが真の勝負た。

まずは、今までの戦いで敗北した者達の力を思い知れ。

そう言うと、双子座の兄カストルは空間に穴を開け、羊毛を出し牛田に投げつけた。 

デュフフ。どうだ。これが、射手座と牡羊座の力だ。トドメはこれだ。

そう言うとカストルは手をハサミに変化させ、牛田を抑えると空中から無数のサソリのシッポを出現させ、牛田に突き刺した。

デュフフ。どうだ。完全体となった私はほかの戦士の技を同時に発動できるのさ。さあ、終わりだ。お前の体には猛毒が回っているはずだ。

だが、牛田は何事も無かった様に立ち上がり、ハサミを掴むと握り潰した。その瞬間、カストルはハサミを切り離し、逃げた。

「なんなんだ。今のは。」

お前、さっきフルパワーで戦えると言ったな。それは、私もだ。

仲間と別行動をとったおかげで仲間を巻き込まずに戦える。

何より、部下達にこんな見苦しい戦いを見せられないからな。

そう言うと、牛はゆっくりと歩き始めた。

どっからか取り出した。巨大な斧を引きづりながら。

デュフフ。強がりはよすんだな。さっき打ち込んだ毒でまともに動くこともできないのに。まだ勝つつもりか。なら、終わらせてやろう。お前が最も愛する者の技でな。

すると、カストルの身体が十二支番付三位の虎の姿となった。

この姿なら、お前も戦えないだろ。


古の昔そのものは魔王として恐れられていた。

魔王と言っても驚異的な特殊能力を持っていたわけでも異形の集団を率いていたわけでもない。

むしろ、その逆だった。一切の特殊能力を持たず、誰とも手を組まずたった一人で多くの神々の攻撃を耐え、その腕力だけで多くの強敵を倒した。

特殊能力を頼りに戦う神々からすれば、それはまさに驚異であり、どんな攻撃を受けても消して引く事なく忍び寄るそいつは恐怖の象徴だった。

いつしか、そいつは神々の敵、魔の者達の王者、魔王と呼ばれるようになった。

ある者達に破れるまで無敗を誇った世界で初めて魔王の称号を獲得した者こそ、現十二支の牛の昔の姿、牛魔王である。

普段は自らの過去を黒歴史として封印し、力を抑えいる牛だか、一度キレると本来の力を取り戻して暴れ出すのである。こうなった彼は普段の甘さがなくなり見た目通りの極悪人となる。

それを知らない双子座の兄カストルは魔王の力を取り戻し、より顔が凶悪になった牛に仲間の姿では攻撃できないと思い虎の姿で挑みかかった。

それが間違いだった。

そこから、先は一瞬だった。

牛に身体を掴まれた双子座の兄カストルは地面に叩きつけられ、地面にのめり込むほどのパンチを食らい戦闘不能になり、失格となった。

戦いが終わり、牛が落ち着きを取り戻した。その時、真面目そうな顔をした犬の耳を生やした男が牛に敬礼するとこう言った。

十二支番付11番犬の戦士犬井。ただいま。本隊に合流いたしました。

こうして、従順な犬の戦士犬井が牛と合流した。
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