走れエロス

嫉妬の炎

イザナミの世にも恐ろしい叫び声とあまりの怒り様に鬼達はあまりの恐怖に泣き崩れ、辺りは異様な緊張感に包まれた。

そして、少し落ち着いたのか。まだ怒りのこもった声でこう言った。

「おのれぇぇぇ。イザナギの奴め。わらわのスッピンをのぞき見るだけでも大罪だというのに。その上、浮気という大罪をさらに犯すとは。許さぬ。あんな小娘の何が言いというのじゃ。許さぬ。許さぬぞォォォォォォ。」

イザナミは嫉妬の炎に包まれかみを振り乱しながらこう言った。

「愛染。そちに命ずる今すぐその小娘の魂をここに連れて参れ。イザナギをたぶらかした小娘め。鬼供なんかに任せて置んわらわが直々に地獄の責め苦を与え続けてくれるわ。痛みと恐怖で引きつる小娘の顔が今から楽しみじゃ。わかったらさっさと行け。愛染。今度しくじったらどうなるか。わかっとるな。」

愛染明王はすぐに即答し、すぐにこの場を立ち去った。

「わかりました。お任せ下さい。イザナミ様。この愛染明王。必ず勤めを果たして見せます。」