天狗さんと電化製品

始めての電化製品

俺は思わず目を疑った。なぜなら、こんな田舎の山奥に人など来るはずはないのだ。

なのに目の前にはまるで修験者の様な格好をした美しい年は20ぐらいのすらっとした体型の女が立っていた。
 
俺は不審に思い彼女に問いかけた。お前はなんなんだ。すると彼女は答えた。

「そういえば自己紹介がまだってんね。拙者の名はこの山に住む木の葉天狗のこのはと申すものよろしくだってんですよ。」

俺は見るからに怪しいこの不審者に少し興味がわき少しこの自称天狗と話して見ることにした。

「俺は鞍馬よろしく。それで自称天狗さんはスマホを知らないのか。」

すると彼女は怒った様子でこう言った。

「だから本物天狗だってんですよ。それより、そのスマホとやらなにが出来るってんですか。」

俺は呆れながら教えてやった。すると、そいつはこのスマホを譲ってくれと言い出した。

「俺ははなら何かと交換ならいいぞ、天狗なら何か価値のある者持ってるだろ天狗ならな」と自称天狗を馬鹿にしながら交換を持ちかけた。

するとそいつは怒りながら、「当然だってんですよ。これならどうだってんですか。」すると奴はスプレーを取り出した。

俺は聞いた。これは何だ。すると奴は自身まんまんに答えた。「これはこのスプレーをかけたものを黄金に変える魔法のスプレーだってんですよ。」そして、やつは石にスプレーを吹きかけた。なんと本当に黄金に変わった。

俺はこいつを本物天狗だと認め交換しようとした。

そのとき、この自称天狗はとんでもないことを言い出した。

「ただし、水に濡れると元に戻るし、変わるのは見た目だけだってんですよ。」
 
俺は思わず大声でツッコンでしまった。

「それタダの水性のスプレーじゃねえか。いらねえよ。もっとまともなのねえのか。もっと天狗らしい奴。」

すると奴はでかいうちわの様な葉っぱを取り出した。「これならどうだってんですか。」

俺は自称天狗に聞いた。
「それはあれか。それであおぐと風が流れるとか言う奴か。」

すると、奴は自身まんまんに答えた。

「違うってんですよ。これはであおぐとこうなるんってんですよ。奴は葉っぱを使いあおいで見せた。すると、うちわから声が聞こえた。あっちで山が燃えてるぞ。」
 
そいつはドヤ顔でこう言った。
「風ではなくガセをながせるってんですよ。」

俺は怒って無言で帰ろうとした。
 
すると、そいつは「次は次はすごいから帰らないでほしいてんですよ。」

俺は怒りながら答えた。 

「本当だろうな次はないぞ。」

すると奴はビビリながら服を差し出してきた。俺は怒りながら聞いた。

「それはなんだ。」

そいつはビビリながら答えた。

「消える服だってんですよ。さらにそいつは浮くこともできるすぐれものだってんですよ。」

なるほど。こいつにはしてはまともな物を出したな。俺はそれを受け取り早速きて見ることにした。幸い全身を覆うコートみたいなものだったので俺は服の上からそれを着た。

すると、天狗は真っ赤になり木の影に隠れてしまった。俺は不審に思い自分の服を見た。

なんと、服がなくなり裸になっていたのだ。俺は怒鳴りあげた。

「おい、天狗どうなってんだ。これは」

すると茂みから得意げな声が帰ってきた。

「だから、いったじゃないってんですか。消える服だってさらに、その服を着て、人前を歩くと周囲から浮き社会から消える事が出来る優れ物だってんですよ。」

俺は天狗を見つけ、全裸で追いかけまわしながら怒鳴った。

「まて、ぶざけるな天狗。」

こうして、俺は自殺をやめたのだった。