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○月×日『助言』
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移動教室のため1人で廊下を歩いていると突然腕を掴まれた。
「あ、やっぱり。まことくんじゃーん」
華やかな容姿に似つかわしくない下品な喋り方。
この人を知ってる。
「あれ?俺のことわかんない?俺だよ、花村茜。前に昂平の部屋であったじゃーん」
何が面白いのか、花村さんはケラケラ笑う。
「覚えてます…」
「あ、だよねー。で?もうやんないの?公開SEX」
花村さんの発言に周りにいる生徒が何事かという顔でこちらをみてくる。
「何…何言ってるんですか、知りませんっ」
何を言ってるんだ、この人は。こんな場所で。
学校でも矢野くんとは別の意味で目立つ人。
変わり者で。
「あはは、かーわいい!顔真っ赤ですよー」
ケラケラ笑いながら花村さんが僕の頬を突いてくる。
「あ、ねー。木崎さんと付き合ってるってマジなの?」
「ぇ…」
なんで知ってるんですか?
その言葉は飲み込んだ。
きっと矢野くんに聞いたんだろう。
それで僕をからかうのだろう。
「昂平が機嫌悪いんだよねー。最近全然相手してくんないしさぁ。君なんとかしてよー」
「……僕、矢野くんと関係ないですから…」
「あるある。だって君は昂平のステディじゃん」
「…すて…?」
「昂平は君にメロメロ。知らなかったー?」
「…矢野くんにとって、…ぼくは…おもちゃなんです…、それをとられて、気に入らないだけ…」
「わかってるじゃん。けどさぁ、木崎さん信用しないほうがいいよー。あの人が君と付き合うメリットて、ひとつしかないじゃない」
メリット…?
「俺たちと君とじゃ人種が違うでしょ。昂平は知ってるんじゃないかな。だから木崎さんから君を引き離したいのかも。俺と寝てるのもさ、君に悪い虫がつかないようにするためだったりして」
「虫…?」
「俺とか、木崎さんとかじゃん?でも木崎さんに食われちゃったんなら無意味だったね、公開SEX」
「…それっ、やめてください…、それに、意味がわからないです」
「鈍いんだね。俺、馬鹿だけど分かるよ。昂平が俺のものだって牽制したのに、あの人のが上手だったんだよ。山梨蘭と仲良しな、柚野まことくん。」
山梨蘭と、仲良しな、柚野まこと。
呆然と花村さんの顔を見上げると、とびきりの笑顔を見せて花村さんは去っていった。
本鈴のチャイムが鳴る。
誰もいなくなった廊下に立ちながら、花村さんの言葉の意味を探る。
山梨先輩と、委員会をきっかけに親しくなった、僕。
僕に花村さんや木崎さんを近づけたくなかった矢野くん……?
巡らせても、巡らせても、答えが出ない。
あの日、花村さんや篤也さんの前でした行為に意味があった?
篤也さんの方が、矢野くんより上手?
僕はなにも知らない。
「…矢野くん、」
矢野くんが全部知ってる。
全部、聞かなきゃ。
授業中なのも忘れて走った。
矢野くんのいる教室まで走った。
「あ、やっぱり。まことくんじゃーん」
華やかな容姿に似つかわしくない下品な喋り方。
この人を知ってる。
「あれ?俺のことわかんない?俺だよ、花村茜。前に昂平の部屋であったじゃーん」
何が面白いのか、花村さんはケラケラ笑う。
「覚えてます…」
「あ、だよねー。で?もうやんないの?公開SEX」
花村さんの発言に周りにいる生徒が何事かという顔でこちらをみてくる。
「何…何言ってるんですか、知りませんっ」
何を言ってるんだ、この人は。こんな場所で。
学校でも矢野くんとは別の意味で目立つ人。
変わり者で。
「あはは、かーわいい!顔真っ赤ですよー」
ケラケラ笑いながら花村さんが僕の頬を突いてくる。
「あ、ねー。木崎さんと付き合ってるってマジなの?」
「ぇ…」
なんで知ってるんですか?
その言葉は飲み込んだ。
きっと矢野くんに聞いたんだろう。
それで僕をからかうのだろう。
「昂平が機嫌悪いんだよねー。最近全然相手してくんないしさぁ。君なんとかしてよー」
「……僕、矢野くんと関係ないですから…」
「あるある。だって君は昂平のステディじゃん」
「…すて…?」
「昂平は君にメロメロ。知らなかったー?」
「…矢野くんにとって、…ぼくは…おもちゃなんです…、それをとられて、気に入らないだけ…」
「わかってるじゃん。けどさぁ、木崎さん信用しないほうがいいよー。あの人が君と付き合うメリットて、ひとつしかないじゃない」
メリット…?
「俺たちと君とじゃ人種が違うでしょ。昂平は知ってるんじゃないかな。だから木崎さんから君を引き離したいのかも。俺と寝てるのもさ、君に悪い虫がつかないようにするためだったりして」
「虫…?」
「俺とか、木崎さんとかじゃん?でも木崎さんに食われちゃったんなら無意味だったね、公開SEX」
「…それっ、やめてください…、それに、意味がわからないです」
「鈍いんだね。俺、馬鹿だけど分かるよ。昂平が俺のものだって牽制したのに、あの人のが上手だったんだよ。山梨蘭と仲良しな、柚野まことくん。」
山梨蘭と、仲良しな、柚野まこと。
呆然と花村さんの顔を見上げると、とびきりの笑顔を見せて花村さんは去っていった。
本鈴のチャイムが鳴る。
誰もいなくなった廊下に立ちながら、花村さんの言葉の意味を探る。
山梨先輩と、委員会をきっかけに親しくなった、僕。
僕に花村さんや木崎さんを近づけたくなかった矢野くん……?
巡らせても、巡らせても、答えが出ない。
あの日、花村さんや篤也さんの前でした行為に意味があった?
篤也さんの方が、矢野くんより上手?
僕はなにも知らない。
「…矢野くん、」
矢野くんが全部知ってる。
全部、聞かなきゃ。
授業中なのも忘れて走った。
矢野くんのいる教室まで走った。
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