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6 図書館はすごいところだった

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 夕食も食べずぐっすりと寝た。安心できる場所で寝られたこともあり、たまっていた疲れがすっきりと目が覚めた。ギルドの食堂で朝食を食べることにした。

「あら、見かけない子だね。ここに泊まっているのかい?今朝は野菜と溶き卵のスープとサラダとソーセージとパンだよ」

 パンとサラダとソーセージを載せた一皿と、カップに入ったスープを渡してくれた。

「はい。昨日、この街についたばかりなんです。とてもおいしそう!ありがとうございます」

「あんたは言葉遣いが丁寧だね。もしかしてお貴族様かい?」

「いえいえ!違います。僕は平民で薬師です。薬草集めのために冒険者になったようなもので、この街の図書館で薬草について勉強したくてこの街に来たんです」

「小さいのにえらいねぇ。図書館はギルド出て西門の方に歩いて行ったら協会の並びにあるよ。どちらも大きい建物だからすぐにわかるさ」

「そうなんですね!ありがとうございます」

 念願の図書館へ出かけた。

「ほえぇー」

 ギルドよりさらに大きい図書館を見上げた。こんな大きなところにはどれだけの本が収められているのだろう。

「ようこそ、ルード図書館へ」

ボーっと建物を見上げる僕に、図書館の守衛さんが声をかけてくれた。

「とても大きい図書館ですね」

「坊主はこの図書館は初めてか」

「はい。長距離馬車で4日離れた町から、ここの図書館にある薬草関係の本を読みたくてきました」

「おお、それは大変だったな。いい本が見つかると言いな。そこの入り口で手続きするんだ。身分証は持ってるか?」

「ギルドカードでも大丈夫でしょうか?」

「それなら大丈夫だ。そこの受付で手続きしてくれ」

入り口の手前にある受付で入館手続きを行う。次回からは冒険者証を見せると入れるようになるらしい。早速中に入ると広いエントランスにはまた受付があり、その後ろには大きな書架がいくつも並び、大きな柱がいくつもあり、天井の明り取り窓から光が差し込んでいる。

「ほえー。本を探すだけでも何日もかかりそう」

あまりの広さに圧倒されていると、受付からクスクスと笑い声が聞こえた。

「ようこそグース図書館へ。お探しの本がありましたらお声かけください。ご案内しますよ」
受付のお兄さんの一人が声をかけてくれた。

「ありがとうございます。薬草の本を見たくてここに来ました」

「この図書館は初めてみたいだね。広くてびっくりしたでしょう。薬草関係の棚は、受付から右に進んだ、110番の棚にあるよ。向かって左の手の壁際の一番手前の本棚が1番で奥に向かって30番まで棚が並んでいるよ。全部で350番までの棚があるんだ。柱の周りは机になっていて、空いているところに座って読んでね」

110番の棚をみつけると10段ある書棚の上から下までびっしりと薬草関連の本だった。

難しそうな本は置いといて、一番下の段に合った大きな薬草図鑑を取り出し、空いている席をさがした。一番近くの柱の席に腰を下ろした。

この地域の薬草が色つきの絵で描かれていて、その横に特徴や処理の仕方、効能等が詳しく書かれていた。知っている薬草もあったけどほとんどは知らない薬草ばかり。うれしくなりながら僕は夢中で読んで特徴を記憶していった。
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