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番外編1:嫉妬はしていけません
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*R18です。苦手な方はお気をつけください。
「蒼翠《そうすい》様、どうか御怒りをお納めください」
「別に俺は怒ってないって、何度も言ってるだろ」
「ですが、そのお顔は完全にご立腹なさっている時のものです」
「うるさい、人の顔見て感情を読み取るな!」
二人は喧嘩中であった。
事の発端は、無風が公務の合間に隣陽が働く薬舗を訪れたことだった。皇太子が突然女性を訪ねただけでも臣下にとっては大事件なのに、睦まじく語り合う様子まで目の当たりにしたことで、聖界内で妙な噂が立つようになってしまったのだ。
「皇太子が女人を見初めた」
「どうやら邪界にいた頃に懇意にしていた女性らしい」
「二人は昔、想い合う関係だった」
「もしかしたら本当の相手は、あの女人なのかもしれない」
「ということは、今の皇太子妃はカモフラージュ……?」
白龍人が醜聞好きだということは痛いほど知っていたが、まさかあそこまで誇張した話になるとは思わなかった。
――しかし、よくそこまで妄想を広げてくれたよ。
――白龍族は皆、漫画家か小説家になればいいんじゃないのか。
噂は流れに流れ、当然ながらに蒼翠の耳にも入り、その結果。
蒼翠は不貞腐れた。
無風のことは信じると決めたのだから、微塵も疑ってはいない。でも面白くないものは面白くないのだ。
そして冒頭の喧嘩である。
「あの噂でしたら、根も葉もないものです。私は蒼翠様しか愛しておりません」
「そんなこと知ってるよ!」
「では、なぜそこまでご立腹なさるのですか?」
「だから怒ってない!」
「怒ってます」
「怒ってないって!」
「怒ってますって」
「あー、もう!」
押し問答だ。永遠に終わりそうにないと予想した蒼翠は、そっぽを向いたまま、盛大なため息を吐き出す。
「なんで彼女のところに行ったんだよ。お前が女人を訪ねれば、好奇の目で見られることぐらい予想できただろう」
「それは……申し訳ありません、失念していました。私が蒼翠様以外の人間に心を奪われるなんて未来永劫ありえない話を、臣下たちが信じるとは思ってもいませんでした」
「でも信じたどころか、今や彼女はお前の真の想い人だぞ」
中には特例で隣陽を側室に迎えようなんて上奏した者もいたらしい。
聖君が「お前の目は節穴か」と秒で退けたそうだが。
「お前は自分が他の者に与える影響の大きさが、まだ分かってない。誰もが注目する皇太子なんだから、相応の振る舞いを覚えなければダメだろう」
数月前まで邪界皇子の従者だったゆえ仕方がない話だと理解しているつもりだが、少しばかりは本人にも自覚して欲しい。
「はい、蒼翠様のご指摘はごもっともです……」
ようやく蒼翠の言いたいことが伝わったのか、無風という名の大型犬の耳がどんどん垂れていく。
こうなると今度は「ちょっと言いすぎたかな」なんて罪悪感芽生えるから、厄介なのだ。
どうあっても自分は無風を突き放すことができない。
「……それで? 彼女を訪ねた理由はなんだ?」
ただ、そこは蒼翠も気になっていたところなので、無風の口から真実を聞きたい。怒りの声色を収めて尋ねると、無風はホッと安堵して理由を口にした。
「隣陽さんに会いに行ったのは、頼んでいた軟膏を受け取るためなんです」
「軟膏?」
「はい。蒼翠様に使っていただきたくて」
「俺は軟膏なんて必要としてないぞ?」
「ですが……昨晩も少々無理をさせてしまったでしょう?」
無風は話しながら蒼翠に近づき、そっと背中を撫でつつ手を下方へと動かす。
無風の指が辿り着いたのは蒼翠の丸い臀部だった。
「なっ……!」
傷、昨晩、無理、臀部。説明と手の動きから導き出される意味は一つしかない。悟った蒼翠は口と瞳を大きく開いて、そのまま固まった。
一気に身体中がカァッと熱くなり、頬に朱が集まる。
そうだった、昨日も無風は激しかった。
二人は今、仙人の指南書に倣い房中術を極めている最中で、つまりは時間があれば身体を重る日々を送っているということなのだが、無風との交接は理性が小半刻ももたないほど濃密で淫靡なのだ。
そして何より、しつこい。こちらが精を解放して息も絶え絶えになっているというのに腰の動きはやめないし、一番気持ちいいところばかり執拗に突いてくる。おかげで毎日毎晩、蒼翠の眠りは失神から始まるという状況だ。
「私は蒼翠様の身体に、小指の爪ほども傷を残したくないのです」
「ちょっ、おま……こんな昼間からそういったこと……」
「大丈夫です。周囲に人の気配は感じられません」
「え、あ……それなら、いいけど……」
どこからどこまでがいいのかは分からないが、人の耳が近くにないのであれば、とりあえずそれでいい。
「ご安心いただけましたか?」
「ああ……まぁ、な」
「私と隣陽殿の関係のほうも?」
「それも…………うん」
妻帯者ならぬ夫帯者が不用意に異性と会うことは考えものだが、それが蒼翠のためだというならもう許すしかない。が。
「……おい無風」
「はい?」
「一つ聞くが、その手はなんだ?」
「これは、蒼翠様のことが愛おしくて堪らない私の手ですね」
臀部にどうにも怪しい感触を覚えて問うと、さも間違ったことはしていないといった口振りで返される。
「じゃあ、ここはどこだ?」
「寧平寺から戻る森の中です」
寧平寺とは蒼翠が聖界を飛び出した時に世話になった住職が守っている寺だ。あの時は住職一人でひっそりと暮らしていたが伝説の鳳凰が舞い降りことで脚光を浴び、今や修行に出ていた弟子たちは戻り参拝者も驚くほど増えたという。
久々に訪れた寺は善意の寄付と有志たちによる修繕ですっかり立派な寺に様変わりしていて、あらためて礼を言いに行ったはずが住職から逆に感謝されてしまった。
そしてもう一つ、住職から驚きの事実が明かされたのだが、なんと寧平寺の大和尚はあの仙人だったのだ。たまたま二人が訪れた時に大和尚が久方ぶりに顔を出されたと聞いたので挨拶に行ったら、そこにいたのが仙人で無風とともに驚愕に声を上げてしまった。
仙人が放浪の旅をしていることは知っていたが、まさかこんなところで繋がりがあるとは思わなかった。
しかし、さすがというかなんというか。
仙人の計り知れなさには感嘆しか出ないのと同時に、今後何があろうが明かされようが「そうですよねー、仙人ですもんねー」になりそうな予感がして仕方ない。
ともあれ、あの人は超人だ。もうそれでいい。
さて、閑話休題。
問題は今いる場所ではなく、もっと基本的なことだ。
「そういう意味で聞いてるんじゃない、ここは屋外だと言ってるんだ!」
「はい。ですがこの辺りは木も多く、道も狭いので滅多に人は通りません」
「だからって! え……お前、まさかこんな場所で……」
盛る気なのか、と顔を頭一つ分上にある無風の方に向けてギロリと睨んでやる。
「どうやら蒼翠様が妬いてくださったことが、嬉しすぎたみたいです」
「いやいやいや、理由になってないし。というかお前、ついさっき俺の身体に傷を残したくないっていってなかったか?」
昨晩もその前の晩も、ついでに言えばその前の前の晩も、なんだかんだと共寝している。蒼翠は金丹を持つゆえ自己治癒力は高いが、それでも日を空けずの行為が続けば疲労は溜まると無風だって分かっているはずなのに、一日も経たずのうちに盛るとは一体どの口で「蒼翠様の身体が大切」だなんていえるのだ。
「ええ。そのために軟膏を作っていただいたんです。あ……もしかして効能がご心配ですか? でしたら実際にどれほどの効果があるのか試してみましょう。もし薬が気に入らないようでしたら、すぐに隣陽殿のところに行って別の調合を頼みますから」
「隣陽の……っ! そ、それはダメっ」
軟膏を試す云々よりも隣陽に会いに行くという言葉に反応してしまい、蒼翠は勢いよく無風の襟の合わせを強く掴んで止めた。すると、程なくして天を仰いだ無風が、肺の中の空気をすべて出し切るかのように長い溜息を吐き出した。
「本当に……貴方様は、どれだけ私を翻弄すれば気が済むのです」
「どれだけ……って?」
「私をこんな風にして、どう責任を取ってくださるおつもりですか?」
無風に再び深く抱き締められると、密着した腹に硬いものが当たった。
この感触は何か、なんて考えなくても分かる。
「そ、そんなもの押し当てても、ダメなものはダメだぞ」
「蒼翠様……」
「外でなんて、どうかしてる」
「きちんと結界を張ります。蒼翠様の声は誓って誰にも聞かせません」
無風の結界術は蒼翠が知る中で誰よりも強固で、一度張れば術者本人が解くまでは蟻一匹だって侵入できない。快楽に負けて漏れてしまう声はおろか、この場所に蒼翠たちがいることすら気づかれないだろう。
が、蒼翠が言いたいのはそういうことではない。
そもそも外がダメなのだ。外が。
再度拒否の意を伝えようとした時、ふと蒼翠の臀部を弄っていた無風の指先が双丘の狭間を布越しに撫でた。
「ぁっ……」
昨晩からもう随分と時間は経ってはいるものの、まだ敏感になっている部分が残っていたのか、指先で蕾の辺りを突かれると途端に腰が躍った。
「どうか、私に慈悲をお与え下さい」
大人の男の色気がたっぷりと込められた、けれど子どもみたいな甘さも含んだおねだりを耳に吹きかけられ、背筋に痺れが走った。
膝が、腰が、すっかりと快楽を教え込まれてしまった脳が勝手に震える。こんな場所ではしたない獣に成り下がるわけにはいかないのに、身体の方は一刻も早く気持ちよくなりたいと求めてやまない。小刻みに揺れる指も無風の着衣を弱々しく引っ掻くだけで、なんの抵抗にもならなかった。
「お前、ほんと……ずるい……っ……」
快楽を教え込まされた腰は、すでに屈した。さらに厄介なことに本能もこれから与えられる快楽を期待し、蒼翠の雄を押し上げようとしている
目の前に敗北の二文字しか残されていない中、せめてもの反抗として無風の胸の中で、『後で覚えてろよ』と念仏のように繰り返す。
そして蒼翠はゆっくりと弟子の腕の中へと落ちたのだった。
・・・
手で幹に触れれば木の温もりが伝わってくる。鼻をくすぐるのは瑞々しい葉や草の青っぽい香りで、少し視線を動かせば少し離れた場所にある群生の花だって目で楽しむことができる。日の位置もまだ高い。
つまり何が言いたいかといえば、そんな自然溢れる屋外で臀部を露出させ喘ぐなんて、恥ずかしいことこの上ないということだ。
なのに自分で自分を止められない。
「あ、ぁっ、あっ、んあっ」
軟膏と無風の指技によってぐずぐずに解された蒼翠の媚肉を、ぬらぬらと卑猥に光る雄の怒張が抉る勢いで擦り上げる。その度に蒼翠の勃ちあがった鈴口から堪えられない先走りがだらしなく垂れ、下衣や地面を汚した。
幹に両の手を着き、上半身を大木に預ける形で貫かれている蒼翠は、眼にいっぱい生理的な涙を溜めながら柔襞《やわひだ》を強く突かれる感覚を悦んでいた。
敏感になった隘路《あいろ》を責められるだけでも気持ちがよすぎて意識が飛んでしまいそうなのに、無風は人の頭ほどの石をも余裕で掴める大きな手で蒼翠の陰嚢を揉み拉き、さらなる快感をどんどん押しつけてくる。
閉まらない唇から零れる雫と、はしたない嬌声が止まらない。
「やぁっ、そこ、だめっ……おかしく、っ、なる」
「でも、蒼翠様はこれがお好きでしょう?」
身体を重ねている時の無風は、別人に入れ替わったのではないかと思うほど意地が悪くなる。快楽が過ぎて怖いと首を振っても弱い部分にばかり雁首を打ちつけてくるし、やめてくれと懇願しても腰が飛び跳ねるほど奥の奥まで雄肉を捻じ込んでくる。
さらに逃げようとすればお仕置きと言わんばかりに精路の出口を塞いだり、時には陽物の根元を紐で縛ったりして余計に狂わしてくるという鬼のような男になるのだ。
そして逆に蒼翠のほうは、この時だけ無風に従順な性の奴隷に変貌する。
「っ、ぃゃあぁっ」
毎夜の性交で一帯がすべて性感帯となった肉襞を肉棒でゴリゴリと押し潰され、声だけでは足らなくなった蒼翠が幹に爪を立てる。
「もう少しだけご辛抱を。すぐに貴方様の大好きなものを、この中にたっぷり注いで差し上げますから」
卑猥に囁きながら、無風が蒼翠の薄い腹をべとついた掌でぬるぬると撫で回す。
「蒼翠様。ここに私の種が欲しいですか?」
「あ……っ……」
無風の子種はただ熱いだけではない。腹に注がれた瞬間に性感帯から得られる悦びとはまったく別物の、脳髄を柔く梳られるような快感を蒼翠に与えてくれる。そんな極上のものが欲しいか、欲しくないかだなんて聞くほうがおかしい。
「ほ……しい」
「でしたら、私のお願い聞いて下さいますか?」
「願、い……?」
とんでもないことを願われそうで怖くなった蒼翠が、一瞬返事に躊躇う。すると無風は腰を一番深い場所で止め、その場で腰を縦に揺らしながら蒼翠の陽物を強く握った。
「ひぃっ、あぁっ!」
快楽だけに染まっていた場所に、絞められる痛みが走る。
「蒼翠様?」
「きくっ、なんでもきくからぁっ!」
もうわずかで絶頂を迎えられたという時に、精路を封じられるほど苦しい拷問はない。イキたいのにイケない。なのに背後からどんどん新たな快楽が迫ってきて、どうにもなくなると最後は獣のように叫ぶことしかできなくなる。これまでの性交で嫌になるぐらい教えられた蒼翠は、どうあってもあの辛さに耐えられるはずがないと、あっさりと抵抗を投げ捨てた。
「では蒼翠様のここで私のすべてを、最後の一滴まで残さず飲み込んでください。私が注ぎ終わるまで、絶対に逃げないと……拒まないとお約束いただけますか?」
理性のほとんどが溶けて消えてしまっている蒼翠にここだ、と教え込むよう無風が小刻みに腰を揺らす。
「あ……っ、ん、んんっ……」
無風が出した条件は、意識が半分蕩けた蒼翠の口元が自然に緩むほど魅力的なものだった。
「お約束して下さるなら、貴方様に最高の快楽をお約束します」
「ほしい……む、ふうの、ぜんぶ、ほしい」
「本当に?」
「ほん……っと……に」
「ああ……蒼翠様……ありがとうございます。私は世界で一番の幸せ者です」
嬉しさに声を詰まらせた無風が蒼翠の陽物をそっと解放し、腰の律動を再開させる。
「ンんっ、ああぁっ!」
大型の獣のごとき雄塊で腹の奥深くまで突かれ、視界が衝撃にチカチカと暗転を繰り返す。大きく揺さぶられるたびに、喉から首を括られたみたいな嬌声が落ちた。
無風をすべて受け入れる時はいつだって苦しい。下腹からの突き上げにありとあらゆる内臓が押し上げられ、果てには肺まで圧迫する。それなのに弱い部分を擦られるだけで腰がさらなる刺激を求めるようにくねり、肉襞がぎゅうぎゅうと勝手に絞まる。
「あっ……あっ、も、ぉ……イクっ……」
「ええ、蒼翠様……私も……」
一緒に気持ちよくなりましょう。甘く囁いた無風が鉄のように重く硬い雄根での抽送を速め、一気に攻め立てる。と、蒼翠の細腰が痙攣《けいれん》すると同時に、濡れた媚肉の中で無風の分身がドクン、ドクンと一際大きくうねった。
「ひ、あぁぁッッッ……!!」
最奥のさらに奥、今まで無風にだって秘めていた場所まで亀頭の先で強欲に開かれ、そこへドロドロに蕩けた白濁を流し込まれる。
無風の子種がものすごい勢いで腹を埋めていくのが嫌でも分かった。龍族の射精は長く量も多いというが、無風のものは蒼翠よりずっと長い。蒼翠が絶頂に達し、すべてを下腹から出し切った後もまだ続いていて、全然終わる様子が見られない。
「っ、やぁ……も……っ、入らな……ッ……」
蒼翠の小ぶりな尻の隅から隅まで種を届かせるため、押しつける勢いで密着していた無風がわずかに腰を引く。
しかしやっと終わったのかと思いきや、すぐさま無風は蒼翠の細腰を強く掴み、再び激しい抽送を始めた。
「えっ、や、ぁあっっ! なんでぇっ、も、終わった、のにっ」
「いいえ、まだです。まだ半分にも及んでいません。もっと、もっと……私の種を貴方様の中に注がせてください」
「う……そ、っ、そんな、あっ、やあぁっ!」
内襞から溢れた白濁でぐしょぐしょに濡れた後孔の淵を、太すぎる陰茎で限界まで拡げられ、いつの間にか卑猥な形に戻った雄棒で腹の中を無慈悲に掻き回される。腰を引き、また突き入れるを繰り返す間もずっと無風の男根からは種が吐き出されているらしく、どんどん腹が苦しくなってくる。
「やぁっ、むりっ! こんな、ぁっ、あぁ!」
自分のものなのか無風のものなのか、分からない脈動が下腹の奥で響く。それはまるで胎動のようで、理性が完全に蕩けた蒼翠に錯覚を覚えさせる。
「ゃ、あっ……子ども……んっ……できちゃ……っ」
「そうです……ここに貴方様と私の子が宿るんです」
「あっ! ゃあぁッッ……!」
女のように犯されているというのに背筋が震えるほど気持ちがよくて、蒼翠は根元まで飲み込んだ状態で隘路《あいろ》を絞り、雄種を徹底的に受け入れた。
徐々に淫猥な悦びが全身を満たしていくと、比例するように思考にどんどん靄がかかり、何も考えられなくなる。
今、蒼翠の頭にあるのは、無風の子を妊孕《にんよう》することだけ。
それさえ分かっていればいいと本能が囁いた。
「もっと……っ、無風、もっと、ぉ……っ!」
一切の思考を捨てた蒼翠の瞳が、とろりと完全に蕩ける。
あとはもう与えられる快楽に流されるまま、淫靡な宴を愉しむだけだった。
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「蒼翠《そうすい》様、どうか御怒りをお納めください」
「別に俺は怒ってないって、何度も言ってるだろ」
「ですが、そのお顔は完全にご立腹なさっている時のものです」
「うるさい、人の顔見て感情を読み取るな!」
二人は喧嘩中であった。
事の発端は、無風が公務の合間に隣陽が働く薬舗を訪れたことだった。皇太子が突然女性を訪ねただけでも臣下にとっては大事件なのに、睦まじく語り合う様子まで目の当たりにしたことで、聖界内で妙な噂が立つようになってしまったのだ。
「皇太子が女人を見初めた」
「どうやら邪界にいた頃に懇意にしていた女性らしい」
「二人は昔、想い合う関係だった」
「もしかしたら本当の相手は、あの女人なのかもしれない」
「ということは、今の皇太子妃はカモフラージュ……?」
白龍人が醜聞好きだということは痛いほど知っていたが、まさかあそこまで誇張した話になるとは思わなかった。
――しかし、よくそこまで妄想を広げてくれたよ。
――白龍族は皆、漫画家か小説家になればいいんじゃないのか。
噂は流れに流れ、当然ながらに蒼翠の耳にも入り、その結果。
蒼翠は不貞腐れた。
無風のことは信じると決めたのだから、微塵も疑ってはいない。でも面白くないものは面白くないのだ。
そして冒頭の喧嘩である。
「あの噂でしたら、根も葉もないものです。私は蒼翠様しか愛しておりません」
「そんなこと知ってるよ!」
「では、なぜそこまでご立腹なさるのですか?」
「だから怒ってない!」
「怒ってます」
「怒ってないって!」
「怒ってますって」
「あー、もう!」
押し問答だ。永遠に終わりそうにないと予想した蒼翠は、そっぽを向いたまま、盛大なため息を吐き出す。
「なんで彼女のところに行ったんだよ。お前が女人を訪ねれば、好奇の目で見られることぐらい予想できただろう」
「それは……申し訳ありません、失念していました。私が蒼翠様以外の人間に心を奪われるなんて未来永劫ありえない話を、臣下たちが信じるとは思ってもいませんでした」
「でも信じたどころか、今や彼女はお前の真の想い人だぞ」
中には特例で隣陽を側室に迎えようなんて上奏した者もいたらしい。
聖君が「お前の目は節穴か」と秒で退けたそうだが。
「お前は自分が他の者に与える影響の大きさが、まだ分かってない。誰もが注目する皇太子なんだから、相応の振る舞いを覚えなければダメだろう」
数月前まで邪界皇子の従者だったゆえ仕方がない話だと理解しているつもりだが、少しばかりは本人にも自覚して欲しい。
「はい、蒼翠様のご指摘はごもっともです……」
ようやく蒼翠の言いたいことが伝わったのか、無風という名の大型犬の耳がどんどん垂れていく。
こうなると今度は「ちょっと言いすぎたかな」なんて罪悪感芽生えるから、厄介なのだ。
どうあっても自分は無風を突き放すことができない。
「……それで? 彼女を訪ねた理由はなんだ?」
ただ、そこは蒼翠も気になっていたところなので、無風の口から真実を聞きたい。怒りの声色を収めて尋ねると、無風はホッと安堵して理由を口にした。
「隣陽さんに会いに行ったのは、頼んでいた軟膏を受け取るためなんです」
「軟膏?」
「はい。蒼翠様に使っていただきたくて」
「俺は軟膏なんて必要としてないぞ?」
「ですが……昨晩も少々無理をさせてしまったでしょう?」
無風は話しながら蒼翠に近づき、そっと背中を撫でつつ手を下方へと動かす。
無風の指が辿り着いたのは蒼翠の丸い臀部だった。
「なっ……!」
傷、昨晩、無理、臀部。説明と手の動きから導き出される意味は一つしかない。悟った蒼翠は口と瞳を大きく開いて、そのまま固まった。
一気に身体中がカァッと熱くなり、頬に朱が集まる。
そうだった、昨日も無風は激しかった。
二人は今、仙人の指南書に倣い房中術を極めている最中で、つまりは時間があれば身体を重る日々を送っているということなのだが、無風との交接は理性が小半刻ももたないほど濃密で淫靡なのだ。
そして何より、しつこい。こちらが精を解放して息も絶え絶えになっているというのに腰の動きはやめないし、一番気持ちいいところばかり執拗に突いてくる。おかげで毎日毎晩、蒼翠の眠りは失神から始まるという状況だ。
「私は蒼翠様の身体に、小指の爪ほども傷を残したくないのです」
「ちょっ、おま……こんな昼間からそういったこと……」
「大丈夫です。周囲に人の気配は感じられません」
「え、あ……それなら、いいけど……」
どこからどこまでがいいのかは分からないが、人の耳が近くにないのであれば、とりあえずそれでいい。
「ご安心いただけましたか?」
「ああ……まぁ、な」
「私と隣陽殿の関係のほうも?」
「それも…………うん」
妻帯者ならぬ夫帯者が不用意に異性と会うことは考えものだが、それが蒼翠のためだというならもう許すしかない。が。
「……おい無風」
「はい?」
「一つ聞くが、その手はなんだ?」
「これは、蒼翠様のことが愛おしくて堪らない私の手ですね」
臀部にどうにも怪しい感触を覚えて問うと、さも間違ったことはしていないといった口振りで返される。
「じゃあ、ここはどこだ?」
「寧平寺から戻る森の中です」
寧平寺とは蒼翠が聖界を飛び出した時に世話になった住職が守っている寺だ。あの時は住職一人でひっそりと暮らしていたが伝説の鳳凰が舞い降りことで脚光を浴び、今や修行に出ていた弟子たちは戻り参拝者も驚くほど増えたという。
久々に訪れた寺は善意の寄付と有志たちによる修繕ですっかり立派な寺に様変わりしていて、あらためて礼を言いに行ったはずが住職から逆に感謝されてしまった。
そしてもう一つ、住職から驚きの事実が明かされたのだが、なんと寧平寺の大和尚はあの仙人だったのだ。たまたま二人が訪れた時に大和尚が久方ぶりに顔を出されたと聞いたので挨拶に行ったら、そこにいたのが仙人で無風とともに驚愕に声を上げてしまった。
仙人が放浪の旅をしていることは知っていたが、まさかこんなところで繋がりがあるとは思わなかった。
しかし、さすがというかなんというか。
仙人の計り知れなさには感嘆しか出ないのと同時に、今後何があろうが明かされようが「そうですよねー、仙人ですもんねー」になりそうな予感がして仕方ない。
ともあれ、あの人は超人だ。もうそれでいい。
さて、閑話休題。
問題は今いる場所ではなく、もっと基本的なことだ。
「そういう意味で聞いてるんじゃない、ここは屋外だと言ってるんだ!」
「はい。ですがこの辺りは木も多く、道も狭いので滅多に人は通りません」
「だからって! え……お前、まさかこんな場所で……」
盛る気なのか、と顔を頭一つ分上にある無風の方に向けてギロリと睨んでやる。
「どうやら蒼翠様が妬いてくださったことが、嬉しすぎたみたいです」
「いやいやいや、理由になってないし。というかお前、ついさっき俺の身体に傷を残したくないっていってなかったか?」
昨晩もその前の晩も、ついでに言えばその前の前の晩も、なんだかんだと共寝している。蒼翠は金丹を持つゆえ自己治癒力は高いが、それでも日を空けずの行為が続けば疲労は溜まると無風だって分かっているはずなのに、一日も経たずのうちに盛るとは一体どの口で「蒼翠様の身体が大切」だなんていえるのだ。
「ええ。そのために軟膏を作っていただいたんです。あ……もしかして効能がご心配ですか? でしたら実際にどれほどの効果があるのか試してみましょう。もし薬が気に入らないようでしたら、すぐに隣陽殿のところに行って別の調合を頼みますから」
「隣陽の……っ! そ、それはダメっ」
軟膏を試す云々よりも隣陽に会いに行くという言葉に反応してしまい、蒼翠は勢いよく無風の襟の合わせを強く掴んで止めた。すると、程なくして天を仰いだ無風が、肺の中の空気をすべて出し切るかのように長い溜息を吐き出した。
「本当に……貴方様は、どれだけ私を翻弄すれば気が済むのです」
「どれだけ……って?」
「私をこんな風にして、どう責任を取ってくださるおつもりですか?」
無風に再び深く抱き締められると、密着した腹に硬いものが当たった。
この感触は何か、なんて考えなくても分かる。
「そ、そんなもの押し当てても、ダメなものはダメだぞ」
「蒼翠様……」
「外でなんて、どうかしてる」
「きちんと結界を張ります。蒼翠様の声は誓って誰にも聞かせません」
無風の結界術は蒼翠が知る中で誰よりも強固で、一度張れば術者本人が解くまでは蟻一匹だって侵入できない。快楽に負けて漏れてしまう声はおろか、この場所に蒼翠たちがいることすら気づかれないだろう。
が、蒼翠が言いたいのはそういうことではない。
そもそも外がダメなのだ。外が。
再度拒否の意を伝えようとした時、ふと蒼翠の臀部を弄っていた無風の指先が双丘の狭間を布越しに撫でた。
「ぁっ……」
昨晩からもう随分と時間は経ってはいるものの、まだ敏感になっている部分が残っていたのか、指先で蕾の辺りを突かれると途端に腰が躍った。
「どうか、私に慈悲をお与え下さい」
大人の男の色気がたっぷりと込められた、けれど子どもみたいな甘さも含んだおねだりを耳に吹きかけられ、背筋に痺れが走った。
膝が、腰が、すっかりと快楽を教え込まれてしまった脳が勝手に震える。こんな場所ではしたない獣に成り下がるわけにはいかないのに、身体の方は一刻も早く気持ちよくなりたいと求めてやまない。小刻みに揺れる指も無風の着衣を弱々しく引っ掻くだけで、なんの抵抗にもならなかった。
「お前、ほんと……ずるい……っ……」
快楽を教え込まされた腰は、すでに屈した。さらに厄介なことに本能もこれから与えられる快楽を期待し、蒼翠の雄を押し上げようとしている
目の前に敗北の二文字しか残されていない中、せめてもの反抗として無風の胸の中で、『後で覚えてろよ』と念仏のように繰り返す。
そして蒼翠はゆっくりと弟子の腕の中へと落ちたのだった。
・・・
手で幹に触れれば木の温もりが伝わってくる。鼻をくすぐるのは瑞々しい葉や草の青っぽい香りで、少し視線を動かせば少し離れた場所にある群生の花だって目で楽しむことができる。日の位置もまだ高い。
つまり何が言いたいかといえば、そんな自然溢れる屋外で臀部を露出させ喘ぐなんて、恥ずかしいことこの上ないということだ。
なのに自分で自分を止められない。
「あ、ぁっ、あっ、んあっ」
軟膏と無風の指技によってぐずぐずに解された蒼翠の媚肉を、ぬらぬらと卑猥に光る雄の怒張が抉る勢いで擦り上げる。その度に蒼翠の勃ちあがった鈴口から堪えられない先走りがだらしなく垂れ、下衣や地面を汚した。
幹に両の手を着き、上半身を大木に預ける形で貫かれている蒼翠は、眼にいっぱい生理的な涙を溜めながら柔襞《やわひだ》を強く突かれる感覚を悦んでいた。
敏感になった隘路《あいろ》を責められるだけでも気持ちがよすぎて意識が飛んでしまいそうなのに、無風は人の頭ほどの石をも余裕で掴める大きな手で蒼翠の陰嚢を揉み拉き、さらなる快感をどんどん押しつけてくる。
閉まらない唇から零れる雫と、はしたない嬌声が止まらない。
「やぁっ、そこ、だめっ……おかしく、っ、なる」
「でも、蒼翠様はこれがお好きでしょう?」
身体を重ねている時の無風は、別人に入れ替わったのではないかと思うほど意地が悪くなる。快楽が過ぎて怖いと首を振っても弱い部分にばかり雁首を打ちつけてくるし、やめてくれと懇願しても腰が飛び跳ねるほど奥の奥まで雄肉を捻じ込んでくる。
さらに逃げようとすればお仕置きと言わんばかりに精路の出口を塞いだり、時には陽物の根元を紐で縛ったりして余計に狂わしてくるという鬼のような男になるのだ。
そして逆に蒼翠のほうは、この時だけ無風に従順な性の奴隷に変貌する。
「っ、ぃゃあぁっ」
毎夜の性交で一帯がすべて性感帯となった肉襞を肉棒でゴリゴリと押し潰され、声だけでは足らなくなった蒼翠が幹に爪を立てる。
「もう少しだけご辛抱を。すぐに貴方様の大好きなものを、この中にたっぷり注いで差し上げますから」
卑猥に囁きながら、無風が蒼翠の薄い腹をべとついた掌でぬるぬると撫で回す。
「蒼翠様。ここに私の種が欲しいですか?」
「あ……っ……」
無風の子種はただ熱いだけではない。腹に注がれた瞬間に性感帯から得られる悦びとはまったく別物の、脳髄を柔く梳られるような快感を蒼翠に与えてくれる。そんな極上のものが欲しいか、欲しくないかだなんて聞くほうがおかしい。
「ほ……しい」
「でしたら、私のお願い聞いて下さいますか?」
「願、い……?」
とんでもないことを願われそうで怖くなった蒼翠が、一瞬返事に躊躇う。すると無風は腰を一番深い場所で止め、その場で腰を縦に揺らしながら蒼翠の陽物を強く握った。
「ひぃっ、あぁっ!」
快楽だけに染まっていた場所に、絞められる痛みが走る。
「蒼翠様?」
「きくっ、なんでもきくからぁっ!」
もうわずかで絶頂を迎えられたという時に、精路を封じられるほど苦しい拷問はない。イキたいのにイケない。なのに背後からどんどん新たな快楽が迫ってきて、どうにもなくなると最後は獣のように叫ぶことしかできなくなる。これまでの性交で嫌になるぐらい教えられた蒼翠は、どうあってもあの辛さに耐えられるはずがないと、あっさりと抵抗を投げ捨てた。
「では蒼翠様のここで私のすべてを、最後の一滴まで残さず飲み込んでください。私が注ぎ終わるまで、絶対に逃げないと……拒まないとお約束いただけますか?」
理性のほとんどが溶けて消えてしまっている蒼翠にここだ、と教え込むよう無風が小刻みに腰を揺らす。
「あ……っ、ん、んんっ……」
無風が出した条件は、意識が半分蕩けた蒼翠の口元が自然に緩むほど魅力的なものだった。
「お約束して下さるなら、貴方様に最高の快楽をお約束します」
「ほしい……む、ふうの、ぜんぶ、ほしい」
「本当に?」
「ほん……っと……に」
「ああ……蒼翠様……ありがとうございます。私は世界で一番の幸せ者です」
嬉しさに声を詰まらせた無風が蒼翠の陽物をそっと解放し、腰の律動を再開させる。
「ンんっ、ああぁっ!」
大型の獣のごとき雄塊で腹の奥深くまで突かれ、視界が衝撃にチカチカと暗転を繰り返す。大きく揺さぶられるたびに、喉から首を括られたみたいな嬌声が落ちた。
無風をすべて受け入れる時はいつだって苦しい。下腹からの突き上げにありとあらゆる内臓が押し上げられ、果てには肺まで圧迫する。それなのに弱い部分を擦られるだけで腰がさらなる刺激を求めるようにくねり、肉襞がぎゅうぎゅうと勝手に絞まる。
「あっ……あっ、も、ぉ……イクっ……」
「ええ、蒼翠様……私も……」
一緒に気持ちよくなりましょう。甘く囁いた無風が鉄のように重く硬い雄根での抽送を速め、一気に攻め立てる。と、蒼翠の細腰が痙攣《けいれん》すると同時に、濡れた媚肉の中で無風の分身がドクン、ドクンと一際大きくうねった。
「ひ、あぁぁッッッ……!!」
最奥のさらに奥、今まで無風にだって秘めていた場所まで亀頭の先で強欲に開かれ、そこへドロドロに蕩けた白濁を流し込まれる。
無風の子種がものすごい勢いで腹を埋めていくのが嫌でも分かった。龍族の射精は長く量も多いというが、無風のものは蒼翠よりずっと長い。蒼翠が絶頂に達し、すべてを下腹から出し切った後もまだ続いていて、全然終わる様子が見られない。
「っ、やぁ……も……っ、入らな……ッ……」
蒼翠の小ぶりな尻の隅から隅まで種を届かせるため、押しつける勢いで密着していた無風がわずかに腰を引く。
しかしやっと終わったのかと思いきや、すぐさま無風は蒼翠の細腰を強く掴み、再び激しい抽送を始めた。
「えっ、や、ぁあっっ! なんでぇっ、も、終わった、のにっ」
「いいえ、まだです。まだ半分にも及んでいません。もっと、もっと……私の種を貴方様の中に注がせてください」
「う……そ、っ、そんな、あっ、やあぁっ!」
内襞から溢れた白濁でぐしょぐしょに濡れた後孔の淵を、太すぎる陰茎で限界まで拡げられ、いつの間にか卑猥な形に戻った雄棒で腹の中を無慈悲に掻き回される。腰を引き、また突き入れるを繰り返す間もずっと無風の男根からは種が吐き出されているらしく、どんどん腹が苦しくなってくる。
「やぁっ、むりっ! こんな、ぁっ、あぁ!」
自分のものなのか無風のものなのか、分からない脈動が下腹の奥で響く。それはまるで胎動のようで、理性が完全に蕩けた蒼翠に錯覚を覚えさせる。
「ゃ、あっ……子ども……んっ……できちゃ……っ」
「そうです……ここに貴方様と私の子が宿るんです」
「あっ! ゃあぁッッ……!」
女のように犯されているというのに背筋が震えるほど気持ちがよくて、蒼翠は根元まで飲み込んだ状態で隘路《あいろ》を絞り、雄種を徹底的に受け入れた。
徐々に淫猥な悦びが全身を満たしていくと、比例するように思考にどんどん靄がかかり、何も考えられなくなる。
今、蒼翠の頭にあるのは、無風の子を妊孕《にんよう》することだけ。
それさえ分かっていればいいと本能が囁いた。
「もっと……っ、無風、もっと、ぉ……っ!」
一切の思考を捨てた蒼翠の瞳が、とろりと完全に蕩ける。
あとはもう与えられる快楽に流されるまま、淫靡な宴を愉しむだけだった。
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