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狂ったような世界の果てに

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 深くもぐれば カラメル ソースに出会える なんて

  夢みる乙女の狂言かしら  ?

   ドレッサーをすべて 燃やした ら

    スプーンの船で  出発しまいましょう

     バラバラになった ブレスレットは 金銀の魚になって

      プリンの 海 を 泳いでいくわ



    大丈夫。



  いつかの戯言を歌にして

  覚悟を決めたら飛びこむの


   *


 自分で自分の思考が理解できない。
 たとえば仕事から帰ってきて、脱いだ服を放りこみ洗濯機をまわす。そのままお風呂にはいる。シャワーを浴びながら、頭の中では「ウィッシュ、ウィッシュ、ウィッシュ、」とつぶやき続けている。あれ? なんだこれ。
 お風呂から出て気付く。ああそうか、洗濯機の音が「ウィッシュ、ウィッシュ、ウィッシュ、」に聞こえるんだ。でもこれ「ミスユー、ミスユー、ミスユー、」にも聞こえない? ……うん、聞こえる。この方がドラマチック。
 パジャマを着てソファに座り、だけど洗濯機なんだから「ウォッシュ、ウォッシュ、ウォッシュ、」が無難かもしれないな……と思いながらお茶を飲んで、ようやく我に返る。わたし、なに考えてんだ。
 何かを見たときに思った「〇〇っぽさ」を伝え、人に困惑されることも多い。自分の爪を見せて「これくりぃむしちゅーの有田っぽくない?」と友達に言ったときは困惑を通り越して心配されたし、自分でも心配になった。
 こういうくだらない考えを伝えあい、「わかる!」とはしゃぎあえる友達が一人いる。だけどお互い理解できるのは八割で、残りの二割は本気で意味がわからない。これは同意を得られるぞと喜び勇んで話したら「え?」と困惑されることもよくある。だけどその意味のわからなさが妙に面白くて結局大笑いするのだけど、これも我ながら何がおもしろいのかよくわからないので困っている。
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