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証明
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『ふむふむ、なるほどのぅ』
気絶から目覚めて、僕は混乱しながら気絶した原因の―狼に今までの経緯を説明した。
この狼が喋れることに疑問を感じるが、その疑問は今は横に置いといて。
「……というわけなんですが。」
『……ふーむ』
そう、ここが一番大事なところ。
この狼に信用してもらい助けてもらわないとこれからの僕の命の保証がない。
これからこの狼のように友好的な存在に会えると限らないのだ。
なんとかしないと。
「…あのー」
『ん?どうした?』
「僕みたいな他の世界から来たって言う人って今までにいないんですか?」
『ふむ、いないこともないぞ』
「えっ?いるんですか!?」
『うむ。数百年に一人いるかどうかの割合じゃがの』
「あー…」
そりゃ無理だわ。
僕もいきなり異世界から来ましたって言われても信じないだろうし、数百年に一人ってなるともっとね。どうしようか?
「あのー、どうしたら僕が異世界から来たって事を信じてもらえますか?」
『むーん、おっ!あったぞ!』
狼が何か丸いものをどこかから取り出してそう言った。
えっ!?どこから取り出したの!?
「えっ?何があったんですか?」
何処から取り出したとかも気になるが、聞く言葉はこれ。命かかってるからね。しょうがないね。
『お主が異世界人だと証明する道具じゃよ。』
は!?え!?はぁ!!
「えっ!あるんですか!?あるならもっと早く言ってくださいよー。緊張したじゃないですかー!」
まじ緊張したー。
『昔に拾ってそのままじゃったからの。……しかしお主…わしに対しての態度が随分と気安くなっておらんか?』
「そんなことないですってー、そんな道具を貸してもらえるなんて、感謝感激雨あられです!」
『まぁ、別にいいんじゃが。』
いいんなら言うなや!!
『うん?なにか言ったか?』
「いえいえ!…それで方法とは?」
『あぁ、それなんじゃがーーーー』
誤魔化し成功!
「ふむふむ」
狼さんの―こう呼ぶことにした―説明によると
この世界では生き物が産まれた瞬間に、上位存在から何らかの加護を授かるらしい。
神様や龍、精霊、神獣などなど他にも色々な上位存在達からこの世界に誕生した瞬間に加護が一つ与えられるらしい。
稀に一つ以上与えられる者もいるらしいが、それの説明はまた後々とのこと。
そして狼さんが言うには、産まれた時に加護が与えられると言うことは。
この世界の生まれでは無い者なら加護が無いはず。
なのでそれを調べればわかるらしい。
「じゃあじゃあ!早く確認をお願いします!」
『うむ、ではこれに手を乗せろ。』
そう言って狼さんが何処からか取り出したのは僕の頭くらいの大きさのガラスの玉であった。水晶かな?キラリと光を反射して綺麗だ。
「それは?」
『うむ、これは祝福の玉と言ってな。
何かしらの加護を持っているとその加護を与えた存在の名前を表示すると言う魔法道具じゃ。』
へー、魔法道具かー。魔剣とかあるのかな?
「加護が無かったらどういう反応があるんですか?」
『そのまま何も浮かんで来ないそうじゃぞ。わしも見たことはないが。』
ないんかい!
「まぁ…手を乗せればいいんですよね?」
『うむ、やってみよ。』
「はい、いきます!」
そして、決意固めた僕はガラス玉に手を乗せた。
――そして、ガラスに文字は浮かんで
こなかった
気絶から目覚めて、僕は混乱しながら気絶した原因の―狼に今までの経緯を説明した。
この狼が喋れることに疑問を感じるが、その疑問は今は横に置いといて。
「……というわけなんですが。」
『……ふーむ』
そう、ここが一番大事なところ。
この狼に信用してもらい助けてもらわないとこれからの僕の命の保証がない。
これからこの狼のように友好的な存在に会えると限らないのだ。
なんとかしないと。
「…あのー」
『ん?どうした?』
「僕みたいな他の世界から来たって言う人って今までにいないんですか?」
『ふむ、いないこともないぞ』
「えっ?いるんですか!?」
『うむ。数百年に一人いるかどうかの割合じゃがの』
「あー…」
そりゃ無理だわ。
僕もいきなり異世界から来ましたって言われても信じないだろうし、数百年に一人ってなるともっとね。どうしようか?
「あのー、どうしたら僕が異世界から来たって事を信じてもらえますか?」
『むーん、おっ!あったぞ!』
狼が何か丸いものをどこかから取り出してそう言った。
えっ!?どこから取り出したの!?
「えっ?何があったんですか?」
何処から取り出したとかも気になるが、聞く言葉はこれ。命かかってるからね。しょうがないね。
『お主が異世界人だと証明する道具じゃよ。』
は!?え!?はぁ!!
「えっ!あるんですか!?あるならもっと早く言ってくださいよー。緊張したじゃないですかー!」
まじ緊張したー。
『昔に拾ってそのままじゃったからの。……しかしお主…わしに対しての態度が随分と気安くなっておらんか?』
「そんなことないですってー、そんな道具を貸してもらえるなんて、感謝感激雨あられです!」
『まぁ、別にいいんじゃが。』
いいんなら言うなや!!
『うん?なにか言ったか?』
「いえいえ!…それで方法とは?」
『あぁ、それなんじゃがーーーー』
誤魔化し成功!
「ふむふむ」
狼さんの―こう呼ぶことにした―説明によると
この世界では生き物が産まれた瞬間に、上位存在から何らかの加護を授かるらしい。
神様や龍、精霊、神獣などなど他にも色々な上位存在達からこの世界に誕生した瞬間に加護が一つ与えられるらしい。
稀に一つ以上与えられる者もいるらしいが、それの説明はまた後々とのこと。
そして狼さんが言うには、産まれた時に加護が与えられると言うことは。
この世界の生まれでは無い者なら加護が無いはず。
なのでそれを調べればわかるらしい。
「じゃあじゃあ!早く確認をお願いします!」
『うむ、ではこれに手を乗せろ。』
そう言って狼さんが何処からか取り出したのは僕の頭くらいの大きさのガラスの玉であった。水晶かな?キラリと光を反射して綺麗だ。
「それは?」
『うむ、これは祝福の玉と言ってな。
何かしらの加護を持っているとその加護を与えた存在の名前を表示すると言う魔法道具じゃ。』
へー、魔法道具かー。魔剣とかあるのかな?
「加護が無かったらどういう反応があるんですか?」
『そのまま何も浮かんで来ないそうじゃぞ。わしも見たことはないが。』
ないんかい!
「まぁ…手を乗せればいいんですよね?」
『うむ、やってみよ。』
「はい、いきます!」
そして、決意固めた僕はガラス玉に手を乗せた。
――そして、ガラスに文字は浮かんで
こなかった
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