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8.破滅フラグは阻止するよ。

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いきなり、決闘を申し込まれちゃったよ。確かに、いきなり入ってきて、しかもそれがスカウトされたなら、突っかかっていく奴も出てくるよな。仕方ない。ここは、魔法騎士隊。郷に入っては郷に従え。実力で黙らせるのが、いいのかな?


俺は快く了承した。そうすると、隊長に魔法騎士隊の普段着を渡された。おぉ、ユニフォームみたいで、カッコイイ。俺はすぐに着替えると、木刀を渡されて、試合開始。


相手の少年が戦闘開始の合図と共に、こちらに駆け寄って、剣を大きく振りかざす。・・・甘いな。それでは、隙を見せているのと同じだ。俺は持ち前の敏捷性で、相手の背後を取る。そして、小さく素早く剣を振りかざす。



軽く峰打ちしたつもりだったが、相手の少年は思い切り空を飛んでいく。そして、壁に思い切り激突する。あり?こんなつもりじゃなかったんだが、まぁ、実力で黙らせるという目的は達する事が出来た。しかし、相手の少年は壁に強く打ち付けたのか、中々動けない。



お詫びがてら、俺は少年に近付き、光魔法で治癒すると、少年は思いっきり目を見開き、こちらを見る。


「お前、光魔法使えるのか!?身体が軽くなった気がする!!」


・・・どんだけ、疲れを溜めていたんだよ。


「試合終了!この勝負は・・・えっと、名前を聞いていなかったな。」

「あ、俺、ヒロトと申します。」

「ヒロトの勝利!」


少年は拍手する。相手に敬意を表意する事が出来るって凄い事だと思うよ?ましてや、喧嘩を売った相手だもの。少年は俺に握手を求める。


「俺、アキト!これから、よろしくな!!」

「こちらこそよろしく。」


さて、魔法騎士隊としての一日が始まる。


△△△△


俺には筋トレ等は簡単であった。問題は魔法騎士隊は護衛の仕事に就いたり、魔物退治を主に仕事とする。そちらが、問題だなぁ。俺に果たして務まるだろうか。


俺は初日という事もあり、王城を案内された。案内人はアキトである。現在、7歳らしい。2歳年上なんだな。これからは、年功序列。敬意を表意しなくては。



王城を案内されている途中、メイディスに会った。久しぶりの再会だなと思いつつも、王族に対する態度を取らなくては。メイディスはアキトに声をかける。



「そちらは、見た事ない顔ですね。新人さんですか?」


アキトは顔がこわばる。兄上は多分優しいと思うよ。ゲーム内でも正統派王子でとても優しいと評判なのである。声も優しい声優さんが起用されているが、今は子供である。女の声優さんの声です。今の俺もだけどね。


「・・・今、お時間を頂けますか?」


もう、即バッドエンドに直行する役なんてお断りだ。これから、仲良くできないかな?アキトはさらに顔がこわばる。アキトは耳元で言った。


「メイディス第四王子にアポなしで予定を入れるなんて、どうかしてる。ましてや、相手は王族!」

「あ、そこらへんは大丈夫だよ。だって、ほら。」



俺は右手の紋章を見せる。そこにいたアキトだけでなくメイディスも驚く。


「俺だって、一応王族だからさ!国王陛下に頂いた名をハルディーン・ディアレストと言う。ちなみに、俺は左手にも証がある。」


左手の王族紋章継承魔法の証を見せる。


「基本的に、これを持つ者に応えられるだけの身分の人物は国王陛下しかいませんから。」


ニッコリ。俺は問答無用で、メイディスに連れられた。ついでに、アキトもね。

あまり使われていないであろう応接室に案内されて、俺は椅子に腰かける。メイディスは口を開く。


「・・・貴方は、我が双子の弟、ハルディーンなのですか?」


俺は変装姿を解く。銀髪碧眼。王族の者は皆、碧眼が特徴なのだ。そして、右手の紋章。これは、王族魔法というのを使うのに必要な紋章である。その上を行くのが、左手の証、王族紋章継承魔法なのだ。


「これで、お分かりになるのではないでしょうか?碧眼の持ち主は王族の証拠の一つですから。」


アキトは終始タジタジである。・・・初日なのに、メイディスに会うんだもの。挨拶くらいはしとかないと。勿論、ハルディーンとしてね。この人は誘拐した連中とは一切繋がっていないのだから。信頼できるはず。


メイディスは俺に抱き着く。


「王族紋章継承魔法の証を持つ貴方に触れるのは、不敬に当たるのかもしれませんが、それでもここでまた出会えた奇跡に、僕は感動せざるを得ません!!」

「・・・久しぶりです・・・兄上。」
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