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第五章 物語の終わりへと

全てが終わって

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☆☆☆☆☆☆

泣くクローディン王子を置き去りにして、魔物化したアストル侯爵の元に向かうレオン。皆疲弊している。レオンは今日何度目かの叫びを、叫んだ。

「[神のご加護の元にて、汝達の体力を回復し給え。・・・ハートフルキュアサークル!]」

レオンを除いた八人衆に回復魔法をかける。こいつのスタミナは本当に半端ないらしいな。俺達はチームとしてはチート集団に含まれるはずなのに、ここまでの実力を持っているとは恐ろしい。筋肉が半端なく凄い。これ、リアル・キングコングじゃねーかよ!!図体はどでかいし、ディルクの両親よりも半端なく強い。

回復した連中は再度臨戦態勢になる。レオンは使い魔出せよ!!

「使い魔よ!我の呼びかけに応じよ!」

そうすると、レオンの使い魔である四神様は姿を現す。勿論、本来の姿でね。そして、各々得意分野の攻撃を放つ。レオンも攻撃に加わるようだ。

それで、一気に態勢は変わる。セレナはその手があったかと思い出し、見よう見まねで使い魔召喚の儀式を行う。そして、使い魔が召喚された。凄い。出てきた使い魔は土龍だった。流石に、凄いと褒めたいところだが、今は集中しよう。

土龍も一気に加勢する。強かった。けれども、とどめを刺すには何かまだ足りない。それでも、懸命に戦った。そんで、レオンはまたリアル・キングコングの腹に突き刺す。その攻撃はとてつもなく大きいダメージだったようで、動きを止める。その隙にアーネイルは元・アストル侯爵の首元を毒針でぶっさした。

「これで、さよなら。」

アーネイルは何の感情を表さない感じで、アストル侯爵にとどめを刺した。そして、毒が廻ってきたようでバッタリと倒れ、金貨とドロップアイテムを落としていった。これで、終了だ!!

レオンはすかさず、アーネイルに声をかける。

「アーネイル。お疲れ様。これで、やっと”復讐”が終わったな。」

アーネイルはアストル侯爵を倒した事で満面の笑みを浮かべる。

「えへへー?それほどでも、あるけどー?」

くっついてくるアーネイル。レオンはアーネイルの頭を撫でる。

「レオンったら、セクハラー?でも、今は許す。」

アーネイルは冗談まじりに言う。いや、この子の攻撃スタイルは暗殺系だからちょっぴし怖い。セレナも近寄ってくる。

「悪かったわね。さっきはレオンにまで被害が及ぶような魔法を放った事。それに、そっちは先に”復讐”が終わったみたいだし。」

レオンは揶揄うような表情をする。

「まぁ、向こうは俺の出番あんまりなかったから、いーけどー?一応は気にしてくれたんだなー?」

セレナはそう言われて、ちょっと、照れて、そっぽを向く。

「なっ!・・・そ・う・で・す・が!何か?」

むくーと頬を膨らます姿はちょっぴり可愛い。こう言ったら、セレナはしばらく声をかけてくれなくなるだろうけどね。

「レオンっ!そっちは終わったみたいだな。」

シルヴェスト王子が駆け寄ってくる。クローディン王子はフォルテ王太子の下ですやすや眠っている様子だ。セレナが話の方向転換にクローディン王子の話題を口にする。

「・・・あのちびっ子誰?」

答えにくそうにするシルヴェスト王子。

「あー・・・一応、魔王・アルフィーテの自我のないクローディン王子。あの姿じゃとてもじゃないけど、兄さんって呼べないや。」

セレナはしばらく声を出さなかった。それ程驚きが大きかったのだろう。

「当たり前だろ。17歳の俺達に2歳くらいの兄貴なんて驚きだわ。もういっそ、一応第五王子の弟のディーンって事でいんじゃね?っていうか、アスガード様はどうなった?」

シルヴェスト王子は途端、呆れ顔に。

「魔王・アルフィーテは自我を分離した上でレオンが魂を叩き斬った。でも、アスガード様はそのまんまだよ。それ程レオンの魔力が強いみたいで。それに、レオンの魔法が切れたら、またフォルテ兄さんの運が下がるから、現状維持でお願いします。」

レオンは適当に答える。

「へいへい。分かりましたよ。・・・んー!これで、やっと自由になれる!!やっと解放された!!」

途中から喜びの声に変わったレオン。良かった!これで、俺も自由になれる!!

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