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第6章(間章):砂漠の少年編

第61話:統合

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 修羅道に戻る前にアランクナのギルドに行くと、魔導学校の校長からルキウス宛の手紙が届いていた。

 細かいことも書いてあったが、要約するとシンプルである。

『せっかくだから修羅道でしっかり鍛えてこい。踏破するまで帰還を認めない』

 なぜそんな命令をされなければならないのかルキウスには分からなかった。
 しかし、そうなってしまったのであれば仕方がない。半ば開き直って、己のためになることをしようとルキウスは決めた。

 お試しのつもりで少し五層に入ったあと、ルキウスはもう一度一層から丁寧に攻略することにした。
 今でも五層で戦えるように感じたけれど、やはり魔物は格段に強くなっているし、複数で襲われたらどうなるかわからなかった。

 これまでルキウスは敵の数が多い時には戦いを避けてきたので、まだまだ修行の余地がある。ここまで来たら徹底的に修羅道を堪能してやろうと、ちょっぴりヤケにもなっている。

 ルキウスは以前から試したい技があった。ちょうど良い機会なので複数の敵を相手に使ってみて、必殺の領域まで磨き上げたくなった。ここにはさまざまな種類の魔物がいるので、それぞれの特徴に合わせて最適化しやすい。

 ルキウスは大剣を背から抜いて、剣に魔力を纏わせた。魔力と剣が一体となって自由自在に振るうことができる。

 ルキウスは剣に流れる魔力の量を多くして剣先に溜めた。そして溜まった魔力を先に伸ばす。すると、わずかだが剣から飛び出た部分ができる。
 これを近くの草本にかざすと『ジ』という音がして切れた。
 
 剣から飛び出る部分を長くしていけば一振りで複数の敵を攻撃できるかもしれない。ルキウスは一層の敵と戦いながらこの技をどんどん練習して行った。





 一週間ほど戦い続けると一層の魔物は敵ではなくなった。そこで二層に進んだが、動きの速い魔物はいないので囲まれることもなく、普通に攻略することができた。

 問題なのは三層である。動きが速いうえに複数でかかってくる魔物が多い。少数の群れを発見しても遠くから攻撃できないので奇襲的に近づくしか方法がない。

 魔力が飛び出す剣のおかげで間合いは三倍ほどになっている。
 なので、敵を倒しやすくはなっているけれど、まだ一歩足りない。
 どうすれば良いかルキウスは悩んだ。

 スキルのことだけ考えればルキウスは魔法使いである。なので遠くから光弾のような魔法で攻撃すれば良いはずだ。しかし、この時は『剣技』ということに固執していたので考えもしなかった。

 その結果ルキウスはある技に辿り着いた。





 林の向こうにスピードラビットが五匹いる。まだこちらには気づいていないようだ。

 ルキウスは抜いていた剣を構えて、魔力を通わせる。
 右に大きく振りかぶってその場で横に振るう。
 その瞬間、剣の軌道に沿って魔力の刃が発生し、ものすごい速さでスピードラビット達を飲み込んだ。

 後に残ったのは腹からふたつに分かれた五体分のスピードラビットである。

 ルキウスはその場で叫びたいのを抑えて、足早に修羅道の道を戻り、下山した。

「できた! できたぞ! 剣の刃を飛ばしたんだ!」

 珍しくウキウキと喜ぶルキウスを見て、モフは思わず笑ってしまった。
 しかし、話を聞いたあとは、その技の余りの威力に今度は苦笑した。





 『伸びる剣』、『飛剣』を駆使して、ルキウスは四層も余裕を持って突破することができた。

 ここまでで一ヶ月半ほどかかってしまっている。
 教養として足りない部分は後から教会で勉強させられることになるので、ルキウスは学業に集中したい気持ちがあった。けれども、強くなる機会を無為にするつもりもない。

 五層の敵は強かった。
 個性の違う魔物が何匹も向かってくるだけで難易度が格段に上がる。

 修羅道でこれまで培ってきた技術が自分の中で統合されていくようにルキウスは感じた。
 受け流し、魔力剣の攻撃、複数匹が相手の場合の立ち回り、伸びる剣、飛剣、サブスキルの使い方、防御壁の張り方、足場の作り方。全てを適切に使用しなければならない。

 気づけばルキウスは笑っていた。
 自分が強くなっているという自覚が芽生えてきた。
 中距離、遠距離の攻撃手段を得たことにより、これまでの全てが活きる。

 歯車が噛み合っていく楽しさをルキウスは覚えた。

『ルキウス、技というのはただの一面でしかない。技を持って自分の中の剣を鍛えるように意識しなさい。そうすればいつか道が拓けるときが来るはずだ』

 昔、父にそう言われたことをルキウスは思い出した。

 その言葉が今なら理解できる。

 魔法混じりになってしまったけれど、自分の剣が格段に鍛えられたという実感をルキウスは持った。

 剣の申し子と呼ばれた少年は、目の前に立ちはだかっていた大きな壁をまた乗り越えた。





 ルキウスはものの数日で五層の魔物に苦戦しなくなった。

 五層の道を奥へ奥へと進んでいく。
 一層から五層の途中まではちゃんとした道があった。草は払われ、土がしっかりと踏み固められている。
 しかし、ある時から突然小道のようになり、獣道になり、ついには道が途切れてしまった。

 妨害でもあるのだろう。
 進みは遅くなったし、魔物に奇襲されることが増えてきた。
 だが、ルキウスにはあまり関係なかった。気力が充実していて、自分が安定しているのが分かった。襲ってくる魔物に的確に刃を突き刺して、次々と倒すことができた。

 しばらく歩くと、森がひらけて池が見えた。
 事前に聞いていた話と一致するので、ここが最奥の地だ。

 池の水は恐ろしいくらいに透き通っていて、底が見える。
 どうしても飲みたくなるが、あまり身体に良くない水らしいので触れないことにする。

 池を見ながらゆっくり歩いていると、祠があった。石を積み上げたような原始的な祠だ。
 ルキウスは事前に聞いていた通り、祠の石に手の平をつけて、身体の魔力を循環させる。
 すると、足元に魔法陣が出現して、眩く光りだした。

【メタルライガー】

 頭にそんな言葉が浮かんだ。
 祠から「シュー」という音がして、煙がモクモク発生してきている。これが具象気体で、いまメタルライガーという魔物が作られているのだろう。

 祠の裏を進むと広場があると知っているのでルキウスは向かっていった。





 修羅道の最後の相手は「挑戦者に最も相応しい魔物」である。
 祠に手を触れて魔力を循環させることで何らかの情報を読み取り、挑戦者に試練を与えるそうだ。

 魔物が形を為すのに半刻ほどかかると聞いていたので、ルキウスは適度に弛緩しながらも集中を保ちながら待っていた。

「ガガァァァ!!」

 離れたところから声が聞こえてくる。魔物の形が固まったのかもしれない。
 ルキウスは構えながら、祠の方向をじっと見つめた。

 ガサガサと草木が揺れる音がする。
 歩いてくる気配から大きな体格でないことが分かる。

 敵が姿を現す。

 敵は金属光沢のある――

 そこまで認識した時、ルキウスはまずいと思ってすぐさま横に飛んだ。

 バァァン!!

 紙一重だった。

 メタルライガーはルキウスがいたところを目掛けて、雷のような速さで体当たりしてきた。

 敵は全身が金属のように光る魔物だ。ルキウスの腰くらいの体高で、爪と牙が発達している。
 身体には毛が生えている。もふもふにも見えるが、チクチクかもしれない。

 メタルライガーは後ろ脚に重心を乗せて力を溜めるような動作をした。

 またあれが来る。

 ルキウスは敵から目を離さないようにしながら、再び横に避けた。

 バン!

 溜めが短かったので先ほどよりは威力が弱い。
 あれぐらいであれば、骨は折れるだろうが耐えられる可能性もある。

 ルキウスは近めの間合いで剣を構えた。
 メタルライガーは今度は溜めを作らずに前に跳んでルキウスに爪を振るった。

 速い!

 ルキウスの耳に『ザン』と風を切る音が聞こえてくる。

 速くてどう反撃したら良いのか分からないが、避けられないほどではない。
 当たったら八つ裂きにされてしまいそうだが、初撃の突進よりは対処可能な攻撃であるようにルキウスは感じた。

 ルキウスは先ほどと同じ間合いを保ち、反撃の体勢を作った。

 メタルライガーはルキウスから目を離さずじっと隙を窺っている。

 こういう魔物が相手の場合、敵の攻撃を引き出す振る舞いがいくつかある。
 ルキウスは素早く半歩踏み出した。
 その動きに呼応するようにメタルライガーが爪を振って飛び込んできたので、ルキウスは左斜め後ろに跳んで避けてから反撃しようとした。

 しかし、敵の爪の振り方がさっきよりも遅く、踏み込みも甘い。
 ルキウスは力を入れて攻撃しようとしたけれど、メタルライガーが身を捩ったので異変に気がついた。

「連撃だ!」

 メタルライガーは反対の前足で、もう一度ルキウスに攻撃してきた。
 ルキウスはさらに左後ろに飛びながら、大剣を強く握り、見極める。

 メタルライガーの第二撃は初撃よりも鋭くて体重が乗っていたが空を切った。

 ルキウスはすでに身体を捌き、剣を振るう動作に入っている。
 三撃目が来ても良いように準備をしていたけれど、二つで終わりのようだ。

 剣に魔力を込める。二層の硬い敵でも容易に斬り伏せられる攻撃を放つ。

 メタルライガーは力を込めて自分の足を地面に叩きつけ、少し後ろに飛び退った。
 メタルライガーの足に多量の魔力が込められていたことがルキウスには分かった。

「おりゃ!」

 敵が動いたことで、狙っていたところを斬ることはできなくなった。
 しかし、攻撃自体は当たりそうだったので、ルキウスは思い切り剣を振り下ろした。

 ガイーン!

 鈍い音が響く。振動がルキウスの手に伝わり、痺れた。

「うわぁ!」

 メタルライガーはあまりにも硬かった。
 ルキウスは声を上げ、反動から後ろに下がってしまった。

 攻撃した敵の肩口を見ると、浅い傷がついている。
 今の攻撃は、力は込められたものの、魔力量が十分ではなかった。

 全力で魔力を込めないと致命傷にならないと分かって、ルキウスはちょっとばかりため息をついた。





 ルキウスとメタルライガーの一進一退の攻防が続く。

 メタルライガーはその機動力を活かして、攻撃と回避を織り交ぜてくる。
 ルキウスの全力の攻撃でない限り、大怪我にはならないというのも大きいのだろう。敵の動きが積極的になっている。

 ルキウスはメタルライガーの攻撃をほぼ全て回避している。爪と牙の攻撃が強力なのでなんとしても避けなければならない。
 近距離から繰り出される体当たりや蹴りは、単発であればなんとか受け止められるが、それでもすぐに回復魔法を使わないと身体が保ちそうにない。

 決定打が出ない状況が続くと、メタルライガーが動きを変えた。
 これまでは果敢に攻めてきたが、ルキウスの行動を伺うような素振りを見せる。ルキウスが攻めてこないと見るとすぐに力を溜めようとする。
 あの超速の攻撃を喰らってはひとたまりもないので、ルキウスは攻めざるを得ない。

 初撃の雷のような体当たりが頭をよぎり、ルキウスは距離を取ることができない。
 相手の動きをじっくり見ることもできない。戦いの主導権は敵にある。

 劣勢だ。だが勝ちの目はある。それを掴み取るためには落ち着くしかないんだとルキウスは自分に言い聞かせた。
 中途半端は良くない。攻めるならしっかり攻めないと敵は硬いので攻撃が無効化されてしまう。

 ルキウスは改めて剣を握り直した。

 こうなったら敵の行動を誘発して、そこを突くしかない。
 ルキウスは身体に循環させている魔力の量をわずかに増やした。

 狙うは超速攻撃の出鼻だ。
 あの攻撃は溜めの時に魔力が脚に集中するので、そこを狙えば身体に攻撃が通りやすくなるはずだ。

 チャンスは一度きりだろう。

 ルキウスは敵に状況の変化を悟らせないように、これまで通り攻撃させられているフリをする。

 ギリギリの間合いで致命打にはならない斬撃を繰り返し、機を待つ。メタルライガーはなかなか崩れない。

 幾度かの切り返しの後、メタルライガーが一瞬だけ居着く瞬間があった。

 ここだ!

 ルキウスは魔力を剣に込めて、相手に気づせるようにわざとらしいフェイントを入れる。この距離ではルキウスの攻撃は敵に届かない。

 メタルライガーはルキウスの動きに呼応して、脚に力を込める。

 かかった!

 ルキウスはメタルライガーの行動を誘導することができたので、『伸びる剣』を初めて繰り出した。

「うおおおー!」

 ルキウスは雄叫びを上げて剣を振り下ろす。

 メタルライガーは脚に力を込めているので、ルキウスの攻撃になす術なく斬られてしまう――ことはなかった。

 金属の獣は脚に溜めていた魔力を一部解放して背に集めた。

 ガキーン!!

 剣から伸びた魔力の部分とメタルライガーの背が当たって衝突音が響く。

「読み負けた」

 ルキウスは呟きながら下がろうとした。
 この間合いであれば攻撃されても致命傷にならない。

 確かにそうだった。

 脚に僅かに残った魔力を使って跳んでも、メタルライガーはルキウスに大きなダメージを与えられないはずだった。

 ――狙いがルキウス自身であったなら。

 金属の獣は即座に飛び出して、ルキウスが持つ大剣目掛け、自身の凶悪な爪を振るった。

 ボキン!

 剣が破壊された。

「何をするんだあああ!!!」

 常に冷静沈着な剣の申し子は珍しく叫び、激昂した。

 動揺から覚めぬまま、ルキウスは腰に差さったナイフを取り出し、目の前の獣に振りおろす。
 しかし、魔力は不十分だ。腰も入っていない。

 身体でナイフを受けたメタルライガーは再び爪に魔力を集中させて、ルキウスのナイフを破壊した。

「わおーん!!!」

 飛び退ったメタルライガーは、自身の勝利を確信したような華麗な声で、空高く雄叫びを上げた。
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