アスペでADDな母娘

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アスペな母娘、そして家族

【フィリピン留学】

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28の時。
ついに念願の留学を達成。


3ヶ月間、英語をみっちり勉強する。
苦手なライディングなどに力を注いだ。


けど、そこでは高校の時と思いをした。


最初は全く友達ができなかった。
若い子多かったのもあるけど、
やっぱり私のコミュニケーションのせいだろう。

マンツーマンの授業でも、
フィリピン人の先生に
「いつもひとりだよね」
と言われる始末だった。


フィリピンはわいわいするのが大好きな国民性です。
ひとりで歩いてると、『寂しいやつ』という目で見られます。


あぁ、結局、高校あのときと一緒か、、、、。
私は、1人になるべくして生まれてきたのかな。
母も友達は1人もいないが、
結局同じなんだ。私はこの先もずっと1人、、、。


とぼとぼと重い足を進ませ
食堂の広すぎるテーブルで1人寂しくお昼ご飯を食べていると、
韓国人の女性が前に座ってきた。


席がいっぱいだったわけじゃない。
なのに、私の前に座ってきたんです。
おそらく、30代くらいの人。


そして、話しかけてきました。
お世辞にも上手な英語とは言えなかった。
でも、一生懸命だった。
私は、思いきってラインを聞いたら、教えてくれた。
嬉しかったというよりも、『びっくりした』の方が大きかった。


名前はヴィクトリア。
韓国人は名前の発音が非常に難しいため、
基本的に英語名イングリッシュネームを作ってる人が多い。


なぜヴィクトリアは私に話しかけてきたのか?

実は、ヴィクトリアは私の英語を耳にしていたんです。
はい。発音がうまくペラペラだったからです。

そのフィリピンの学校ではほとんど片言な人ばかりでした。
なので英語を話せず、結局日本人同士などのグループが自然と出来上がってました。

仮に外国人同士になっても片言で会話にならない。

しかも、『アジア人』しかいなかった。
比較的英語が得意なヨーロッパ人なんていない。 
遠いのにわざわざフィリピンに来るメリットがまずない。



そんな中、ヴィクトリアは韓国人同士の集まりにうんざりしていた。
嫌になっているところに、私の英語が耳に飛び込んできたという。


例え、英語のためだったとしても、嬉しかった。
しかも、ヴィクトリアは本当に『いい人』だった。


私はラインを聞いた後、実は苦しんでいた。

「私なんかにラインを聞かれて嫌だったんじゃないか。」

その思いに駆られ、1日中苦しんだ。
怖くて、すぐ逃げ出したくなった。

でも結局仲良くなった。
私が多少そそっかしくても、方向音痴でも、
全然文句を言わなかった。


私達は1日中英語を話していたし、
私はいろんな表現を教えてあげた。


お互いに友達は犠牲にしたが、
ある意味英語を勉強する上では『勝ち組』だったかもしれない。

私は初めて英語力に救われたんです。
続けてよかった。
本当にそう思いました。
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