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自閉症児 in Canada
【目に見えないもの】
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世の中は、目に見えないものがたくさんあります。
ウイルス?バイ菌?
そうですね。
ガス?風?
確かにそれらは見えません。
でも、自閉症の子供達にとって厄介なのは、
目に見えないルールです。
お店に並んでいる商品は、取ってはいけません。
買わなければならないです。
でも、そんな説明書きをしているお店は基本的にありません。
自閉症の子供達からすれば、
なんの説明もないのになんでみんな分かるんだろう?と思っているはずです。
食事の時。
みんなで食事をする時に、
自分が好きな食べ物があるからそれを全部とって食べようとすると、ダメだと言われる。
なぜなら一部は自分のものではないから。
でも、そんなのどこにも書いてない。
どこにも、それを教えてくれるものがない。
みんな何か言ってるけどよくわからない。
こんな状況が、アンナにもチャーリーにもあることでしょう。
私達が話してる時も、言葉は目には見えません。
これは視覚優位の子供にとってとてもわかりづらいです。
でも残念ながら、物事のひとつひとつ全てに標識をつけることはできません。
自宅でならできますが、
公共はそうはなりません。
自閉症の子供たちにとっては試練でしょう。
学ばないといけないのです。
例えば、おもちゃではないもので遊んではいけません。
おままごとのフライパンならいいでずが、
本物のフライパンでは遊びません。
人が食べるものを扱うデリケートなものです。
ろくに手も洗わないアンナが触るのは
よくありません。
ましてやチャーリーの手に渡ればベロベロに舐めて、
フライパンにどんな影響が出るかわかりません。
舐めることは想定されていないからです。
でも、アンナにとっては大きさが違うだけでどちらもフライパン。
どちらもおもちゃなのです。
なので、
本物のフライパンを取り上げて、
「これはおもちゃじゃないからダメ」
と言っても、
私の説明はアンナの目には見えません。
なぜかよくわからないけど取り上げられたという状態になります。
これは100回に1回くらいならありかもしれませんが、日常的にはあまり繰り返したくないことです。
なので、予めおもちゃの絵カードを覚えさせておき、
そのカードで説明をするのが好ましいです。
とはいえそれでも怒るでしょう。
でも何も説明しないよりはましです。
自閉症だろうがそうでなかろうが、
理由も説明されずに怒られるのは誰だって嫌です。
アンフェアですよね。
アシュリーとボブは子供が2人とも自閉症です。
逆を言えば、自閉症児しか子育ての経験がありません。
そのため、どこまで許容していいかとてもわかりづらく、
アンナはどちらかというとなんでも許されてしまっている状況が続いています。
だから、最初はこちらが何かを止めれば
アンナはいちいちキレまくり、
それはそれは大変でした。
当然です。もらえることで慣れていたからです。
でも働き始めて1年で、アンナは随分変わりました。
ダメと言われれば暴れることもありますが、
少し気持ちの切り替えができるようになりつつあります。
ひどい自傷も反応しないことで
かなり減りました。
たまに頭打ちはしますが、2、3回で終わります。
誰も相手にしませんから。
でも気持ちを切り替えたりすれば思い切り褒めるし、
それがいいことなんだと
アンナ自身肌で感じているようです。
こどもの1年は、大人の10年だな、とひしひし感じます。
ウイルス?バイ菌?
そうですね。
ガス?風?
確かにそれらは見えません。
でも、自閉症の子供達にとって厄介なのは、
目に見えないルールです。
お店に並んでいる商品は、取ってはいけません。
買わなければならないです。
でも、そんな説明書きをしているお店は基本的にありません。
自閉症の子供達からすれば、
なんの説明もないのになんでみんな分かるんだろう?と思っているはずです。
食事の時。
みんなで食事をする時に、
自分が好きな食べ物があるからそれを全部とって食べようとすると、ダメだと言われる。
なぜなら一部は自分のものではないから。
でも、そんなのどこにも書いてない。
どこにも、それを教えてくれるものがない。
みんな何か言ってるけどよくわからない。
こんな状況が、アンナにもチャーリーにもあることでしょう。
私達が話してる時も、言葉は目には見えません。
これは視覚優位の子供にとってとてもわかりづらいです。
でも残念ながら、物事のひとつひとつ全てに標識をつけることはできません。
自宅でならできますが、
公共はそうはなりません。
自閉症の子供たちにとっては試練でしょう。
学ばないといけないのです。
例えば、おもちゃではないもので遊んではいけません。
おままごとのフライパンならいいでずが、
本物のフライパンでは遊びません。
人が食べるものを扱うデリケートなものです。
ろくに手も洗わないアンナが触るのは
よくありません。
ましてやチャーリーの手に渡ればベロベロに舐めて、
フライパンにどんな影響が出るかわかりません。
舐めることは想定されていないからです。
でも、アンナにとっては大きさが違うだけでどちらもフライパン。
どちらもおもちゃなのです。
なので、
本物のフライパンを取り上げて、
「これはおもちゃじゃないからダメ」
と言っても、
私の説明はアンナの目には見えません。
なぜかよくわからないけど取り上げられたという状態になります。
これは100回に1回くらいならありかもしれませんが、日常的にはあまり繰り返したくないことです。
なので、予めおもちゃの絵カードを覚えさせておき、
そのカードで説明をするのが好ましいです。
とはいえそれでも怒るでしょう。
でも何も説明しないよりはましです。
自閉症だろうがそうでなかろうが、
理由も説明されずに怒られるのは誰だって嫌です。
アンフェアですよね。
アシュリーとボブは子供が2人とも自閉症です。
逆を言えば、自閉症児しか子育ての経験がありません。
そのため、どこまで許容していいかとてもわかりづらく、
アンナはどちらかというとなんでも許されてしまっている状況が続いています。
だから、最初はこちらが何かを止めれば
アンナはいちいちキレまくり、
それはそれは大変でした。
当然です。もらえることで慣れていたからです。
でも働き始めて1年で、アンナは随分変わりました。
ダメと言われれば暴れることもありますが、
少し気持ちの切り替えができるようになりつつあります。
ひどい自傷も反応しないことで
かなり減りました。
たまに頭打ちはしますが、2、3回で終わります。
誰も相手にしませんから。
でも気持ちを切り替えたりすれば思い切り褒めるし、
それがいいことなんだと
アンナ自身肌で感じているようです。
こどもの1年は、大人の10年だな、とひしひし感じます。
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