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アスペな母娘、そして家族
【イヤホン】
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私はカナダにいる間、
何度か家族に会いに日本へ帰った。
母とも毎日を過ごさなくなり、
LINEでちょくちょく連絡を取り合う程度に関係が収まるようになった。
離れていれば、
お互いに心にスペースができていいものだ。
家族とは、時には離れることもかなり重要である。
そしてカナダに行ってから1年後に久々に日本に帰った時のこと。
母にスタバに行こうと誘われたので、
たまにはと思いスタバに行くことにした。
家の近くのモールの中にあるスタバに着いてドリンクを頼んでからテーブルに着くと、母は私が昔母にあげたお古のipadをおもむろに開いた。
「wifiのつなぎ方を教えてね♪」
私はしょーがないなーと思いつつも
母と毎日過ごさなくてよくなったおかげで心にも随分余裕ができていたためスタバのwifiにつないであげた。
すると、母は動画アプリを開き、イヤホンをipadにつないで動画鑑賞を始めたのだ。
これ昔見たよね!とか言いながら画面を私の方に向ける。
しかし、私には音が聞こえない。
動画の中の人達は口をぱくぱくさせているだけで全然わからない。
しかも字幕もない。
そうか。
母は、イヤホンをつなぐと
イヤホンしてない人には音が聞こえないということに気づいていない。
そんなこと誰でもわかるじゃないか...と思わず思ってしまった。
「母さん、聞こえないんだけど」
私がそう言うと、
「あぁそうか」
と言って、そのまま黙って見続けた。
私はため息をついた。
わかっていない。
私が聞こえないと言った時の私の意図、気持ちが全くわかっていない。
さっきの母は
今日は晴れですねと言われて
そうですねと答えたのと同じである。
でも私は不思議と怒りは感じなかった。
あぁ、わかってないなと思っただけである。
私は席をたち、
「カナダの友達へのお土産を買ってくる」
と言ってモールの中にあるスーパーへ行った。
酢昆布や茎わかめなど、カナダでは手に入りづらいお菓子がズラリと並ぶお菓子コーナーで足を止める。
お菓子をカゴに次々と放り投げていると、
母からメッセージが来た。
疲れたから帰るね
こうして私と母が一緒にスタバにいた時間はわずか2分ほどなのでした。
次一緒にスタバに行くことはないでしょう♪
何度か家族に会いに日本へ帰った。
母とも毎日を過ごさなくなり、
LINEでちょくちょく連絡を取り合う程度に関係が収まるようになった。
離れていれば、
お互いに心にスペースができていいものだ。
家族とは、時には離れることもかなり重要である。
そしてカナダに行ってから1年後に久々に日本に帰った時のこと。
母にスタバに行こうと誘われたので、
たまにはと思いスタバに行くことにした。
家の近くのモールの中にあるスタバに着いてドリンクを頼んでからテーブルに着くと、母は私が昔母にあげたお古のipadをおもむろに開いた。
「wifiのつなぎ方を教えてね♪」
私はしょーがないなーと思いつつも
母と毎日過ごさなくてよくなったおかげで心にも随分余裕ができていたためスタバのwifiにつないであげた。
すると、母は動画アプリを開き、イヤホンをipadにつないで動画鑑賞を始めたのだ。
これ昔見たよね!とか言いながら画面を私の方に向ける。
しかし、私には音が聞こえない。
動画の中の人達は口をぱくぱくさせているだけで全然わからない。
しかも字幕もない。
そうか。
母は、イヤホンをつなぐと
イヤホンしてない人には音が聞こえないということに気づいていない。
そんなこと誰でもわかるじゃないか...と思わず思ってしまった。
「母さん、聞こえないんだけど」
私がそう言うと、
「あぁそうか」
と言って、そのまま黙って見続けた。
私はため息をついた。
わかっていない。
私が聞こえないと言った時の私の意図、気持ちが全くわかっていない。
さっきの母は
今日は晴れですねと言われて
そうですねと答えたのと同じである。
でも私は不思議と怒りは感じなかった。
あぁ、わかってないなと思っただけである。
私は席をたち、
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と言ってモールの中にあるスーパーへ行った。
酢昆布や茎わかめなど、カナダでは手に入りづらいお菓子がズラリと並ぶお菓子コーナーで足を止める。
お菓子をカゴに次々と放り投げていると、
母からメッセージが来た。
疲れたから帰るね
こうして私と母が一緒にスタバにいた時間はわずか2分ほどなのでした。
次一緒にスタバに行くことはないでしょう♪
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