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【勇者が仲間になりたそうにこちらを見ている② ~五大王国合同サミット~】
【第二十五章】 問題児達
しおりを挟む「まったく、あれほど喧嘩は禁止だと言ったでしょう。どうしてそう我慢が出来ないの」
マリアーニ王は大層ご立腹の様子だ。
離れた位置で話をしていた僕達は急いで皆が待つ場所に戻ったのだが、その頃にはサミュエルさんとカエサルさんの二人はもう胸ぐらを掴み合うまでに発展してしまっていた。
当然ながら慌てて止めに入ったわけだけど、どうにか二人を引き離すなりマリアーニさんの叱責が飛んだのである。勿論、対象はカエサルさんだ。
「だって……あっちが喧嘩売ってくるんだもん」
それに対し、カエサルさんは唇を尖らせながら目線を反らした。
口調や態度を見るにとても主と従者という感じには見えないが、それはカエサルさんの性格によるものなのか関係の深さゆえのことか。
「そういう問題ではありません。レイラ、シャダム、あなた達もどうして止めないの」
「はっ、注意したところでこいつが俺の言うことなんざ聞くかよ」
「申し訳ありません……一応止めはしたのですが」
分かり切ったことを聞くなと言わんばかりのシャダムさんに口調や表情に抑揚が無さ過ぎて本当に申し訳ないと思っているのかどうかさえよく分からないキャミイさんも含め、額を抑えて溜息を吐くマリアーニさんの日頃の気苦労が見える気がする。
というか、発端がどうあれどちらか一人が悪いというわけではないだろう。
そうなると立場的にも面目的にもサミュエルさんには代表者の僕がそれなりの注意をしなければならないのだけど、僕が叱責したところで逆ギレされそうだし、シャダムさんの言い分じゃないが僕の言うことなんて聞いてくれるとも思えず……そんなわけで今横では代わりにセミリアさんが説教をしているのだった。
とはいえ責めるような言葉を並べるセミリアさんの声すら聞き流しているのだから僕だって溜息を吐きたいさ。
「ごめんな~康平君。一応ウチもミランダちゃんもやめときーって言うてはみたんやけどさ……TKは煽ってたけど」
「いえ、高瀬さんも含め言って聞いてくれる人じゃないことはよーく分かっていますので。取り敢えずお二人が巻き込まれずに済んで何よりです」
なぜなら当の本人は、
「聞いているのかサミュエル、お前の勝手で皆に迷惑が掛かるのだぞ! 国王にもキツく言われたのをもう忘れたか」
「あー、はいはい。聞いてる聞いてる」
「真面目に聞かぬか! いいか、今私達は国を代表して……」
「あー、もううるっさいわね! 何回同じ事言うのよ、しつこいっつーの! 国なんか関係無いっての、これは個人間の問題よ!」
「それで済む問題か!」
といった具合なのでした。駄目だこりゃ……。
なんて言ってる間にあちらもあちらでも不思議なやりとりが展開されている。
「エル~、姫の言うことが聞けないのかしらぁ?」
いつものにこやかな顔、ふんわり口調でお説教を引き継ぐウェハスールさんだったが、その声音では率直に言って怖さも威厳も感じられない。
なのに、何故かあの強気のカエサルさんがギクリとした顔をした。
「べ、別に姫に逆らってるわけじゃないもん。姉さんは誤解してるだけよ、大体あたし悪くないし」
「あら~、この期に及んでまだ反省していないのかしらぁ。これじゃ帰ったらまた……」
「あー、嘘嘘っ! あたしが悪い! いや、あたしも悪い! ちょっとはしゃぎ過ぎたっていうか、もうほんと調子乗ってごめんなさいっていうか、そんな感じ!」
「分かってくれて嬉しいけど、ごめんなさいはわたしに言う言葉じゃないでしょ~?」
「ごめんなさい、姫っ!」
「うんうん~、それから? 謝るのは姫だけでいいの?」
「うぅ……ご……………………ごめんな……さい」
そんな会話の最後にはカエサルさんがこちらに向かって随分と葛藤したのち初めて謝罪の言葉を口にした。
なんだこの二人の関係は……あのカエサルさんが怖がっているってどうなってんの?
しかもあのほんわかしたウェハスールさんにだよ?
そもそも姉さんって……姉妹だったの?
ていうか、帰ったらまた何?
色々と疑問はありすぎるけど、例え渋々であっても向こうが詫びた以上はこちらも誠意をもって返さなければなるまい。
間違ってもサミュエルさんが頭を下げることなどなさそうなので代表者として僕がするしかないんだけど……。
「こちらこそ、失礼な真似とご迷惑をお掛けしたことをお詫びします」
ひとまず深く頭を下げる。
するとカエサルさんは、
「ほんとよっ、なんであたしがお前に頭下げなきゃいけないのか全然分かんないっ」
見事に態度を変えた。
何故に僕が悪態を吐かれなければならないのか……ていうかあなた別に頭は下げてなかったですけどね。
「こらエル!」
すかさずマリアーニさんの叱責が飛ぶ。
もうなんだか無限ループというか……山に入る前から不安要素だらけのパーティーだった。
○
色々とあったものの僕の方の揉め事は和解を済ませ、サミュエルさんの方の揉め事は二人を引き離し効果があるかどうかは別として少しの説教をして僕とカエサルさん、マリアーニさんが頭を下げ合うことで一応は解決した。
そしてようやく山の中へと足を踏み入れた僕達は少し歩いてこの旅の目的地である洞窟に到着した。
緩い傾斜とはいえ坂道を歩くのはそれなりに体力を消耗するし、あまり上の方にあるようだと辛いなぁなんて心配していたのだけどそれも杞憂に終わり、ほんの十分で山登りは終わってしまっていた。
目の前には洞窟というよりは断崖といった方が近い表現になる様な岩の壁が広がっていて、岩をそのまま扉にした感じの大きな扉が二つの鍵穴によって閉じられている。
マリアーニさんとアイコンタクトを取り、それぞれが手に入れた鍵を取り出して同時に鍵穴に差し込むと回すまでもなくそれだけで岩の扉は自動的に開いた。
ゴゴゴゴゴという音を立てて開いた扉から中を覗いてみると、薄暗いせいでほとんど確認出来ないながらも確かに洞窟といって差し支えのない造りになっていることが分かる。
印象から言うと不気味だなぁ。という感じなんだけど、逆にそれでテンションが上がっている高瀬さん夏目さんコンビとなぜか同じくはしゃぐ向こうのカエサルさんや一人で闇の気配がどうのこうの言っているシャダムさんの言葉を遮るマリアーニさんが全体に向けて話を進めるための提案を発した。
「ではまず中に入る人間を決めましょうか」
それは一体どういう意味だろうかと考える。
中に入る人間を決める、つまりは入らない人間もいるということなのか?
「全員で入るんじゃないんですか?」
そういう段取りを聞いていない僕は素直に質問してみる。
マリアーニさんは小さく首を振った。
「それは出来ないのですよコウヘイ様。サミットの会場こそ外敵の侵入が困難になっていますが、この場所はそうではないのです。ここしばらくのサミットにおいても水晶の試練と名付けられたこの任務では過去四度連続して洞窟に入って間もなく魔王軍の襲撃に遭っているという報告が上がっています。どこで情報が漏れているのかは定かではありませんが、魔王軍にしてみても世界中の主要人物が集まる絶好の機会。ゆえに洞窟に入り水晶の元へ向かう者と入り口で敵の襲撃を防ぐ者で別れるというのが通例となっているのです」
「なるほど……そうだったんですか」
そんな報告があったのなら教えておいてよ王様……。
という文句は後でいいとして、ではどう分けるのがベターなのだろうか。
危険やリスクを折半しようとすると半分ずつを選抜するしかないのだろうけど、そう単純な話でもあるまい。
ではどうすべきか、と考えていると。
「わたくしはユノとグランフェルトでそのまま分けるのが一番だと思うのですが、どうでしょうかコウヘイ様」
「そうですね……半数ずつに分けてしまっても上手くいかない気がしますし、それが一番お互いにとってやりやすいのかもしれませんね」
「ええ、お恥ずかしながら先程までの有様を見ても仲良くというわけにもいかない者もおりますし、別れてしまってはそれを諫める者も居なくなってしまいます。何より敵と相対する際に、或いは見ず知らずの洞窟に入るにあたって連携を取る上では信頼のおける者同士でいることが一番でしょう」
「ですが、中に入って水晶の元へ行く人物は魔法力がなければならないんですよね? となると自動的に中に入るのがマリアーニさん達ということになってしまいますけど……」
どちらが危険なのかは分からないけど、選択肢の無い選択というのは双方の納得を得るのは難しいところがありそうだ。
と思ったりもしたのだが、予想に反してっさりとマリアーニさんはそれを受け入れる。
「そうですね。なので、中に入るのがわたくし達ユノ勢とコウヘイ様ということで問題がないようであればそういう分担でどうでしょうか」
なんで僕だけそちら側に入るんですか? そう言おうとしてやめた。
そりゃそうだ。滞りなく任務を遂行したことを証言するのは国の代表である僕とマリアーニさんが二人揃っていなければ効果が薄れてしまう。
責任という意味でも、僕はその瞬間を見届けて報告しなければならないということなのだろう。
「皆さんはどうですか? 特に、セミリアさんとサミュエルさんは」
そんなわけでグランフェルト勢の意思を確認することに。
残るこの人達は敵に襲われますと言われているも同じなのだ。
そう考えるとむしろこっちが割に合わないのかもしれないが、じゃあ交代してあげると言われても魔法を使える人間がいないので無意味なのが現実である。
敵が現れたとしてもやはりセミリアさん、サミュエルさんの二人が戦うことになるだろう。
毎回毎回二人頼りという感じで情けないけど、二人に全員の命を預ける形になる。ならば僕の一存では決められない。
「待ってくれコウヘイ、お主が洞窟に入るのであれば私もそうさせてもらう。お主の身を守る者が必要だ」
すぐにセミリアさんが待ったを掛ける。
そう言ってくれるのはとても嬉しいのだけど、個々の主張をしていては決まるものも決まらないことも事実。
さてどうしたものか……と思っていると、代わりに反応したのはマリアーニさんだった。
「あら勇者様、わたくし達は信用出来ませんか? わたくしや軍師であるシャダムを除けばこの三人はどこででも通用する手練れ揃いです。コウヘイ様の安全は保障させていただきますよ?」
「そうではありませぬマリアーニ王。しかしながら、先程も申しました通りコウヘイを無事に帰すことが私の使命。であれば私自らが傍に付いていたいのです」
「きっとわたくしが逆の立場だったとしてもこちらの誰かが同じ事を言うでしょう。その意志を退けることは出来ませんね。では勇者様もこちらの班に加わっていただくということでよろしいですか?」
それは不味い。
そう思って口を挟もうとするが、それはセミリアさんが代弁してくれた。
「そのことなのですが、勝手ながら代わりにそちらの戦士を一人残していってはもらえぬでしょうか。というのも、こちらには私とサミュエル、そして精々カンタダぐらいしか戦える者がいないのです。六人のうち半数が戦闘要員ではないとなるとコウヘイと私が不在とれば敵の襲撃に対して十分な対応が出来ない可能性があります」
「なるほど、そうでしたか」
ならば、とマリアーニさんが言い掛けると同時だった。
今度は反対側から物言いが入る。
「ちょっと待ちなさいクルイード。何を勝手なことを、私がいる以上魔王軍の襲撃なんざ取るに足りないわ。一人で十分蹴散らせる」
やや苛立った風に口を挟んだのはサミュエルさんだった。
この期に及んでまた揉め事が起きそうだ。
「お前一人が無事であっても意味がないだろう。カンタダやアスカ、ミランダを守りながら戦えると思っているのか」
「んなもん知ったこっちゃないわよ。私は敵を潰す、それだけ。自分の身は自分で守れって教わらなかったの?」
「話にならん! お前は仲間を見捨てる気か!」
「アンタの仲間でしょ。私の仲間じゃないっつーの」
「ちょっと、落ち着いてください二人とも。喧嘩はやめてくださいってば」
取り敢えず割って入ってはみたけど、この調子じゃサミュエルさん一人を残していくわけにはいかなそうだ。
恐らくではあるけど、口で言っているほどシビアな行動は取らないとは思う。きっとサミュエルさんは守ってあげると言わなくても自分が敵を倒すことでそれをしてくれる人だ。
しかし、例えそうであってもどんな敵がどんな規模で攻めて来るかも分からない状況でサミュエルさん一人に任せきりというわけにもいかない。
かといって全員が納得するように話し合う時間もないわけで、こうなると納得よりも安全であることを優先して決めるしかないだろう。
「サミュエルさんは残る、セミリアさんは入る、ここまではいいですね?」
「そうね、私は別に水晶とやらに興味は無いし、敵が来るならこっちの方が性に合ってるわ」
「私も異論は無い。むしろ駄目だと言われても中に入ることを諦めないぐらいだ」
「では二人はそうしてもらうとして、他の方にも残ってもらうことになるんですけど、やっぱり相手の規模が分からない以上戦えるのがサミュエルさんだけというのは危険だと思うんです。サミュエルさんがどれだけ強くてもミランダさんや夏目さんは特に」
口を挟むことなくこちらのやり取りを聞いていた三人の方に目を向ける。
本音を言えば僕達が中に入ってマリアーニさんとウェハスールさんに付いてきてもらうのが一番安全だろう。
だけどそれは僕達だけの言い分でしかない。
ただでさえ合流までに遠回りをさせてしまっている以上はこちらの都合ばかりを押しつけるわけにも行かないのが今僕が置かれている立場というものだ。
といっても、中にも罠が仕掛けられているという話なので一概に言えたことでもないのだけど……。
「ウチそれでええで。化けモンが襲ってくるってのは普通に怖いけど、それも含めて康平君に任すわ。この状況で我が儘言ってられへんしな」
「勇者たんが中に入るなら俺だって入るぜ康平たん」
「ちょ、お前空気読めやTK。好き放題言ってたら一生決まらへんて分からんのかいな。康平君やあちらさんや王様に迷惑掛かんねんで? ホンマお前は創造神KYやな」
「誰が創造神KYだゆとり。俺は敵と戦いたいんだよ、あの誘拐犯共との戦いを見てたらちょっと俺も触発されるだろ常考。戦いを求めるのが戦士ってもんだろJK」
「お前話聞いてなかったんか!? ここに残ってたら敵が襲ってくるっちゅう話しとんねん。中の連中に危険が及ばんようにどうやってそれを退けるかって話しとんねん」
「なぬ? そうなのか? 中に入る奴らを守るためにここで敵と戦うのか? ヒュンケル的なあれなのか? 先に行け、ここは俺が食い止める的なやつなのか??」
「なんやねんユンケル的なアレて。なんでもええし、そういうことでええわもう」
「よし、じゃあ俺様が残ってやろう。仲間の為に我が身を賭して戦う俺かっこよくね?」
「はいはい、格好良い格好良い。ウチやミランダちゃんは何も出来ひんねんから、頼りにしてんでホンマ」
夏目さん、高瀬さん居残り決定。
残るはミランダさんだが、ふとその姿を探すといつの間にか僕の傍に居た。しかも泣きそうな顔で僕を見上げている。
「コウヘイ様……わたしも一緒に行っては駄目ですか?」
その顔で言われると弱い。
縋る様なこの表情を見て突っぱねる事が出来る人間が果たして存在するだろうかと思わせる程に保護欲、庇護欲が沸いてくる可愛らしさ愛らしさがある。
が、今ばかりはそうも言っていられない。
夏目さん、高瀬さん、ミランダさんの三人には特に出来る限り安全な配置でいて欲しいのだ。
戦う事も、僕みたく身を守る術も持たない以上は万が一の時に逃げることも出来ない洞窟内よりはいくらかマシなはずだし、僕やセミリアさんなら喜んで盾になってあげるけどユノ王国の面々にそれを望んでいいものかどうか、はっきり言えばアテには出来ないという現状だ。
「今回は聞き分けてくださいミランダさん。中に入ってもそう危険度は変わらないでしょうし、それぞれが出来るだけ安全にこの任務を達成するためです。きっとサミュエルさんが守ってくれますから」
「コウヘイ様……」
こんどは泣きそうな顔で見られた。
ズキズキと心が痛むが、食い下がらないということは納得していなくても受け入れてはくれたのだろう。
フォローになっているかどうかは怪しいが、取り敢えずミランダさんの頭を撫でつつマリアーニさんに向き直る。この小動物的な感じ、夏目さんがしょっちゅう頭を撫でている理由がよく分かるな……。
「マリアーニさん、そういうわけなので先程のお願いを聞いていただけませんでしょうか。出来ればカエサルさん以外で」
勿論最後の一言は周りに聞こえない様に小さな声で言っている。
「承知いたしました。レイラ、勇者様と入れ替わりであなたがここに残ってください」
指名を受けたのはレイラと呼ばれた女性、すなわちスカットレイラ・キャミィさんだ。
歳は夏目さんと同じぐらいで背は高め、左手の肘から先が真っ赤な甲冑で覆われ手元には爪を模した大きなクロウがキラリと光る物静かで綺麗な顔立ちをしていても美人というよりは格好良いという感じの女性だ。
それでいて口数は少なく、先程発した言葉が僕が聞いた初めての声だったぐらいで、表情や口調の変化はさらに乏しい寡黙な人である。
少ない交流の中で見た印象としてはマリアーニさんに従順な印象だったのだが、意外にも返した言葉は異議の申し立てだった。
「お待ち下さい天子様。それではもしもの事があった場合に……」
「大丈夫よレイラ。わたくしは敵と戦いにいくのではないし、これだけの顔が揃えばそうそう危険な目には遭わないでしょう。それよりも魔王軍の襲撃に備える方が双方に取って重要なことだわ。あなたとそちらの勇者様がいれば余程の敵じゃない限り安心でしょう、くれぐれもグランフェルトの方々に怪我なんてさせては駄目よ。お願いね、レイラ」
「………………承知致しました」
マリアーニさんが優しい笑みに対し、キャミィさんは珍しく感情を露わにして少し歯痒そうな表情で渋々それを受け入れた。
ミランダさんの時とは違って悲しみや寂しさではなく悔しそうなその様子はやはり大切な人を傍で守りたいという心情の表れなのだろう。
しかし、天子様とか言ってたけど王だったり姫だったりと国王の表現にも色々あるものだ。
兎にも角にもこれでメンバーの振り分けは完了。
二人のやり取りにサミュエルさんは大層気に入らなそうに舌打ちをしていたが、それ以上は何も言わなかった。
こちらは我慢したのではなく、いつまで経っても話が進まないのがいい加減鬱陶しくなってきたのと、それでいて誰が残ろうと協力も共闘もするつもりがないから知ったことじゃない、ということなのだと容易に想像出来る。どうにも不安が残るが、こればかりは信じる他なさそうだ。
こうしてメンバーを決めた僕達は洞窟へと進むことに。
それぞれが無事に再会することを誓い合い、僕自身どうにか全員が無事で帰れますようにと深く願って、薄暗い洞窟を足を踏み入れた。
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