40 / 49
愛翔と優里亜
12
しおりを挟む
今日の体育は、バスケを試合形式でやるらしい。
女子は4チーム、男子は6チームで、トーナメント。
チーム分けは、先生がクラス関係なく事前に決めていた。
私のチームに見慣れない細身の女の子がいた。
三つ編みに丸いメガネで、一応変装しているが、どうみても松下恵里奈ちゃんだ。
何しろメガネをした時の愛翔にそっくりだから。
「あの…松下恵里奈ちゃん?」
「は、はい。良くわかりましたね。」
男子の試合を見ながら、隅に座っている恵里奈ちゃんに声を掛けた。
「私の友達が、男子なんだけど恵里奈ちゃんにそっくりで、たまにメガネ掛けた顔も見ているから。
ほら、あそこに座っているよ。」
恵里奈ちゃんも愛翔を見て驚いている。
「確かに私に似てるけど…私よりうちのパパの若い頃の写真にそっくりだわ。」
その一言に引っ掛かりを覚えたが、すぐに私たちの番になって、立ち上がったため、そのままになってしまった。
「改めて松下恵里奈です。よろしく。」
「片瀬優里亜です。試合頑張りましょうね。」
恵里奈ちゃんは、運動が得意なようだったけれど、ほかのメンバーと馴染みきれずに、チームプレーをするのは大変だったようで、一回戦負けになり、後は男子の応援に回ることになった。
「恵里奈ちゃん、奏くんも変装しているの?」
「優里亜ちゃんは、誰が来るか知っていたんだね。」
「この後、恵里奈ちゃんが行く家庭科部の部長だから、準備の為に先に聞いているの。他の人には言ってないよ。」
「奏くんは、あっちのチームみたい。」
決勝戦は、愛翔のチームと奏くんのチームらしい。
愛翔は、比較的球技が得意なのと頭脳でみんなを動かす参謀タイプ。
奏くんは、バスケ経験者で中心になって動くタイプらしい。
ここまでの試合でお互いライバル視していたのと愛翔の顔を見たせいか奏くんが、メガネを外して髪をかきあげた途端、体育館中に悲鳴が上がった。
「高橋奏くん!」
「キャー!」
少しうるさくて耳を塞ぎながら恵里奈ちゃんは苦笑い。
「奏くん、自分からバラしちゃダメなのに…
まあ、優里亜ちゃんの彼氏が、あれだけイケメンだと目立ちたくなるか。」
「えっ。そんな事ないよ。」
「イケメンは否定しても彼氏は否定しないのね。」
「あははは…」
「まなとくんだっけ?モデルとか俳優に興味ないかな?」
「うーん。多分ないと思う。やりたいことが決まっているから。」
「そっか。残念。今度のドラマで私の兄役にぴったりなくらい、そっくりなのに。
でも、この試合がテレビで流れたら絶対スカウトとか問い合わせ来るよ。」
恵里奈ちゃんの言葉に少し不安になった。
女子は4チーム、男子は6チームで、トーナメント。
チーム分けは、先生がクラス関係なく事前に決めていた。
私のチームに見慣れない細身の女の子がいた。
三つ編みに丸いメガネで、一応変装しているが、どうみても松下恵里奈ちゃんだ。
何しろメガネをした時の愛翔にそっくりだから。
「あの…松下恵里奈ちゃん?」
「は、はい。良くわかりましたね。」
男子の試合を見ながら、隅に座っている恵里奈ちゃんに声を掛けた。
「私の友達が、男子なんだけど恵里奈ちゃんにそっくりで、たまにメガネ掛けた顔も見ているから。
ほら、あそこに座っているよ。」
恵里奈ちゃんも愛翔を見て驚いている。
「確かに私に似てるけど…私よりうちのパパの若い頃の写真にそっくりだわ。」
その一言に引っ掛かりを覚えたが、すぐに私たちの番になって、立ち上がったため、そのままになってしまった。
「改めて松下恵里奈です。よろしく。」
「片瀬優里亜です。試合頑張りましょうね。」
恵里奈ちゃんは、運動が得意なようだったけれど、ほかのメンバーと馴染みきれずに、チームプレーをするのは大変だったようで、一回戦負けになり、後は男子の応援に回ることになった。
「恵里奈ちゃん、奏くんも変装しているの?」
「優里亜ちゃんは、誰が来るか知っていたんだね。」
「この後、恵里奈ちゃんが行く家庭科部の部長だから、準備の為に先に聞いているの。他の人には言ってないよ。」
「奏くんは、あっちのチームみたい。」
決勝戦は、愛翔のチームと奏くんのチームらしい。
愛翔は、比較的球技が得意なのと頭脳でみんなを動かす参謀タイプ。
奏くんは、バスケ経験者で中心になって動くタイプらしい。
ここまでの試合でお互いライバル視していたのと愛翔の顔を見たせいか奏くんが、メガネを外して髪をかきあげた途端、体育館中に悲鳴が上がった。
「高橋奏くん!」
「キャー!」
少しうるさくて耳を塞ぎながら恵里奈ちゃんは苦笑い。
「奏くん、自分からバラしちゃダメなのに…
まあ、優里亜ちゃんの彼氏が、あれだけイケメンだと目立ちたくなるか。」
「えっ。そんな事ないよ。」
「イケメンは否定しても彼氏は否定しないのね。」
「あははは…」
「まなとくんだっけ?モデルとか俳優に興味ないかな?」
「うーん。多分ないと思う。やりたいことが決まっているから。」
「そっか。残念。今度のドラマで私の兄役にぴったりなくらい、そっくりなのに。
でも、この試合がテレビで流れたら絶対スカウトとか問い合わせ来るよ。」
恵里奈ちゃんの言葉に少し不安になった。
0
お気に入りに追加
109
あなたにおすすめの小説
転生王女は異世界でも美味しい生活がしたい!~モブですがヒロインを排除します~
ちゃんこ
ファンタジー
乙女ゲームの世界に転生した⁉
攻略対象である3人の王子は私の兄さまたちだ。
私は……名前も出てこないモブ王女だけど、兄さまたちを誑かすヒロインが嫌いなので色々回避したいと思います。
美味しいものをモグモグしながら(重要)兄さまたちも、お国の平和も、きっちりお守り致します。守ってみせます、守りたい、守れたらいいな。え~と……ひとりじゃ何もできない! 助けてMyファミリー、私の知識を形にして~!
【1章】飯テロ/スイーツテロ・局地戦争・飢饉回避
【2章】王国発展・vs.ヒロイン
【予定】全面戦争回避、婚約破棄、陰謀?、養い子の子育て、恋愛、ざまぁ、などなど。
※〈私〉=〈わたし〉と読んで頂きたいと存じます。
※恋愛相手とはまだ出会っていません(年の差)
ブログ https://tenseioujo.blogspot.com/
Pinterest https://www.pinterest.jp/chankoroom/
※作中のイラストは画像生成AIで作成したものです。
傍若無人な姉の代わりに働かされていた妹、辺境領地に左遷されたと思ったら待っていたのは王子様でした!? ~無自覚天才錬金術師の辺境街づくり~
日之影ソラ
恋愛
【新作連載スタート!!】
https://ncode.syosetu.com/n1741iq/
https://www.alphapolis.co.jp/novel/516811515/430858199
【小説家になろうで先行公開中】
https://ncode.syosetu.com/n0091ip/
働かずパーティーに参加したり、男と遊んでばかりいる姉の代わりに宮廷で錬金術師として働き続けていた妹のルミナ。両親も、姉も、婚約者すら頼れない。一人で孤独に耐えながら、日夜働いていた彼女に対して、婚約者から突然の婚約破棄と、辺境への転属を告げられる。
地位も婚約者も失ってさぞ悲しむと期待した彼らが見たのは、あっさりと受け入れて荷造りを始めるルミナの姿で……?
虐げられた落ちこぼれ令嬢は、若き天才王子様に溺愛される~才能ある姉と比べられ無能扱いされていた私ですが、前世の記憶を思い出して覚醒しました~
日之影ソラ
恋愛
異能の強さで人間としての価値が決まる世界。国内でも有数の貴族に生まれた双子は、姉は才能あふれる天才で、妹は無能力者の役立たずだった。幼いころから比べられ、虐げられてきた妹リアリスは、いつしか何にも期待しないようになった。
十五歳の誕生日に突然強大な力に目覚めたリアリスだったが、前世の記憶とこれまでの経験を経て、力を隠して平穏に生きることにする。
さらに時がたち、十七歳になったリアリスは、変わらず両親や姉からは罵倒され惨めな扱いを受けていた。それでも平穏に暮らせるならと、気にしないでいた彼女だったが、とあるパーティーで運命の出会いを果たす。
異能の大天才、第六王子に力がばれてしまったリアリス。彼女の人生はどうなってしまうのか。
緑の指を持つ娘
Moonshine
恋愛
べスは、田舎で粉ひきをして暮らしている地味な女の子、唯一の趣味は魔法使いの活躍する冒険の本を読むことくらいで、魔力もなければ学もない。ただ、ものすごく、植物を育てるのが得意な特技があった。
ある日幼馴染がべスの畑から勝手に薬草をもっていった事で、べスの静かな生活は大きくかわる・・
俺様魔術師と、純朴な田舎の娘の異世界恋愛物語。
第1章は完結いたしました!第2章の温泉湯けむり編スタートです。
ちょっと投稿は不定期になりますが、頑張りますね。
疲れた人、癒されたい人、みんなべスの温室に遊びにきてください。温室で癒されたら、今度はベスの温泉に遊びにきてくださいね!作者と一緒に、みんなでいい温泉に入って癒されませんか?
茶番には付き合っていられません
わらびもち
恋愛
私の婚約者の隣には何故かいつも同じ女性がいる。
婚約者の交流茶会にも彼女を同席させ仲睦まじく過ごす。
これではまるで私の方が邪魔者だ。
苦言を呈しようものなら彼は目を吊り上げて罵倒する。
どうして婚約者同士の交流にわざわざ部外者を連れてくるのか。
彼が何をしたいのかさっぱり分からない。
もうこんな茶番に付き合っていられない。
そんなにその女性を傍に置きたいのなら好きにすればいいわ。
異世界転生したけどチートもないし、マイペースに生きていこうと思います。
碧
児童書・童話
異世界転生したものの、チートもなければ、転生特典も特になし。チート無双も冒険もしないけど、現代知識を活かしてマイペースに生きていくゆるふわ少年の日常系ストーリー。テンプレっぽくマヨネーズとか作ってみたり、書類改革や雑貨の作成、はてにはデトックス効果で治療不可の傷を癒したり……。チートもないが自重もない!料理に生産、人助け、溺愛気味の家族や可愛い婚約者らに囲まれて今日も自由に過ごします。ゆるふわ癒し系異世界ファンタジーここに開幕!
本物の恋、見つけましたⅡ ~今の私は地味だけど素敵な彼に夢中です~
日之影ソラ
恋愛
本物の恋を見つけたエミリアは、ゆっくり時間をかけユートと心を通わていく。
そうして念願が叶い、ユートと相思相愛になることが出来た。
ユートからプロポーズされ浮かれるエミリアだったが、二人にはまだまだ超えなくてはならない壁がたくさんある。
身分の違い、生きてきた環境の違い、価値観の違い。
様々な違いを抱えながら、一歩ずつ幸せに向かって前進していく。
何があっても関係ありません!
私とユートの恋は本物だってことを証明してみせます!
『本物の恋、見つけました』の続編です。
二章から読んでも楽しめるようになっています。
ママの大事な寝ぼすけメシア
ちみあくた
児童書・童話
毎日がんばるシングルマザーのユカリさんにとって、何より大事な宝物は一人娘のタマキちゃんです。
毎日、グッスリ眠って、たくさん夢を見るタマキちゃん。
一見、何処にでもいる子供のありふれた姿に思えましたが、実はそれだけではありません。
夢の中でタマキちゃんは、世界を救う救世主の力をふるっていました。
そして、その夢は或る夜、現実の世界に大きな異変を呼び起こしてしまうのです……
エブリスタ、小説家になろう、ノベルアップ+、にも投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる