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愛翔と優里亜
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「優里亜、どうかした?」
「ううん。ところでさ。松下恵里奈ちゃんって愛翔に似てない?」
「そうか?」
「映画見てるとき、愛翔が女の子ならそっくりさんに出れると思っていたもん。」
観る前に買ったパンフレットを広げて、彼女の紹介ページを見せる。
「え?2つ下?同じ年くらいだと思った。」
「でしょ、でしょ。大人っぽくて美人よね。しかもどっかの会社の社長令嬢らしいよ。」
「ふーん。そう…なんだ。」
「まぁ愛翔も社長令息ってのだよねー。」
愛翔の様子が少し変だったので、女の子にそっくりと言われるのが嫌だったのかと思って、話を変えた。
「買い物は、何を見るの?」
「来週の水曜日は優里亜の誕生日だろ。せっかく付き合い出したんだから、一緒に見て欲しいものをプレゼントしたいなぁって…」
多分、いま私、マンガならぼふんとか音をさせて真っ赤になっている。
「そ、そ、そうなんだ。」
「一応、優里亜の好きそうな店はチェック済みだから、帰るまでに決めような。」
私の誕生日は、パパが仕事でなければ家で、パパが仕事なら愛翔の家でお祝いしてもらっている。
家でお祝いした時は、別の日に愛翔の家でも愛莉ちゃんの手作りケーキでお祝いしてもらって、みんなからプレゼントを貰うんだけど、愛翔は小さい頃からキレイな石とか折り紙とか毎年欠かさず用意してくれていた。
去年は、一緒に高校へ行けるようにと参考書と問題集というプレッシャーをかけるプレゼントだった。
それが今年は、一緒に選ぶって…
愛翔は、どんだけ私を喜ばすつもり?
私はすっかり舞い上がっていた。
愛翔が連れて行ってくれたのは、同じ建物の2階にあるアクセサリーや雑貨のお店。
「わぁ、かわいい。」
「だろ?絶対、優里亜が気にいると思ってたんだ。」
私の好きな不思議の国のアリスがモチーフのアクセサリーや時計、雑貨があり迷ってしまう。
「優里亜、一応、俺の候補。」
そう言って愛翔が指をさしたのは、淡いピンクのベルトのレディースウォッチで文字盤にウサギやトランプが描かれているものだった。
「かわいい!」
「アクセサリーだと学校に付けていけないけど、時計ならいいだろ?」
「うん。これ、いいね。でも…」
ちらっと見えた値札には、高校生が買うには、ちょっとお高い金額が書いてあった。
「大丈夫。そのためにお年玉とっておいたから。」
愛翔がそう言っているのを下手に断ると拗ねて、後が大変なのはよく分かっているので、好意は素直に受け取ることにした。
「ありがとう。嬉しい。大切にするね。」
愛翔は私が喜んでいるのをみて、嬉しそうな顔をした。
「ううん。ところでさ。松下恵里奈ちゃんって愛翔に似てない?」
「そうか?」
「映画見てるとき、愛翔が女の子ならそっくりさんに出れると思っていたもん。」
観る前に買ったパンフレットを広げて、彼女の紹介ページを見せる。
「え?2つ下?同じ年くらいだと思った。」
「でしょ、でしょ。大人っぽくて美人よね。しかもどっかの会社の社長令嬢らしいよ。」
「ふーん。そう…なんだ。」
「まぁ愛翔も社長令息ってのだよねー。」
愛翔の様子が少し変だったので、女の子にそっくりと言われるのが嫌だったのかと思って、話を変えた。
「買い物は、何を見るの?」
「来週の水曜日は優里亜の誕生日だろ。せっかく付き合い出したんだから、一緒に見て欲しいものをプレゼントしたいなぁって…」
多分、いま私、マンガならぼふんとか音をさせて真っ赤になっている。
「そ、そ、そうなんだ。」
「一応、優里亜の好きそうな店はチェック済みだから、帰るまでに決めような。」
私の誕生日は、パパが仕事でなければ家で、パパが仕事なら愛翔の家でお祝いしてもらっている。
家でお祝いした時は、別の日に愛翔の家でも愛莉ちゃんの手作りケーキでお祝いしてもらって、みんなからプレゼントを貰うんだけど、愛翔は小さい頃からキレイな石とか折り紙とか毎年欠かさず用意してくれていた。
去年は、一緒に高校へ行けるようにと参考書と問題集というプレッシャーをかけるプレゼントだった。
それが今年は、一緒に選ぶって…
愛翔は、どんだけ私を喜ばすつもり?
私はすっかり舞い上がっていた。
愛翔が連れて行ってくれたのは、同じ建物の2階にあるアクセサリーや雑貨のお店。
「わぁ、かわいい。」
「だろ?絶対、優里亜が気にいると思ってたんだ。」
私の好きな不思議の国のアリスがモチーフのアクセサリーや時計、雑貨があり迷ってしまう。
「優里亜、一応、俺の候補。」
そう言って愛翔が指をさしたのは、淡いピンクのベルトのレディースウォッチで文字盤にウサギやトランプが描かれているものだった。
「かわいい!」
「アクセサリーだと学校に付けていけないけど、時計ならいいだろ?」
「うん。これ、いいね。でも…」
ちらっと見えた値札には、高校生が買うには、ちょっとお高い金額が書いてあった。
「大丈夫。そのためにお年玉とっておいたから。」
愛翔がそう言っているのを下手に断ると拗ねて、後が大変なのはよく分かっているので、好意は素直に受け取ることにした。
「ありがとう。嬉しい。大切にするね。」
愛翔は私が喜んでいるのをみて、嬉しそうな顔をした。
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