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最近ディランは、私が持ち込んだ話のせいかあちこち走り回っていて、王都を留守にしている事が多く、ゆっくりとは、ほとんど会えていない。
一度、それに対して愚痴になるのかなぁ、ちょっと不満を漏らしたら盛大に怒られた。
ディランからしたら、『誰のせいだ?』と言うところだったのだろうし、少しでも合間をぬって会いに来てくれたディランに対して言うセリフじゃなかったと後悔はしている。
悔しいから謝らないけれど。
ディランが私たち2人を呼び出したのは、キャサリンの話をした日から1ヶ月ほど経った週末だった。
「ディラン、お父様はどうだった?」
「うん。感触としては、6、4で有りかな。キャサリンの事は覚えていて、母上に似ている女の子って言ってたから。ただシャーリーの同じ歳の友達って聞いて、引いてたけど。」
「歳の差より娘の友達って言うのが、ネックなの?」
「らしいよ。まぁ貴族の政略結婚なら年齢差なんて、あってないようなものだからね。あとシャーリーと俺が結婚すると自分が1人寂しいってのもあるらしい。」
「だそうだけど、キャサリンどうする?」
「叔父様、私がディック様のところに押しかけたら、2人の結婚が大変になるって言ってたわよね。」
「そっちは父上の感触が良かったから、根回ししてある。父上に確認するよりそっちに時間がかかったけどね。」
「ディラン、どう言うこと?」
「シャーリーが卒業したら、5年ほど隣国のダッセルトに行くことになった。」
ディランの突然の報告にびっくりする。
「ディラン、私たち離ればなれになるの。」
「シャーリーを妻としてダッセルト駐留大使になるんだ。」
「はい?大使って…」
「ただの子爵じゃなくて、大使やって実績残せば、辺境伯の婿養子にならなくても、くそじじいが納得できるだろう。後押しさせといて中途半端な立場じゃ、他の縁組を考えられるから、大急ぎで陛下にねじ込んだ。」
「叔父様って、どんなコネを持っているのよ。」
「大したコネはないが、色々とねじ込むだけの手札は持っていると言った方が正しいかな。コネがあるなら、くそじじいに子どもと認めてもらう必要はなかったんだから。」
「とにかく、キャサリンは夏休み中シャーリーと父上のところへ行って、婚約もぎ取ってこい。お前なら出来るだろう?」
「ありがとう、叔父様。私頑張るわ。」
こうして、キャサリンは夏休みに、お父様に突撃することになり、意気揚々と帰りました。
「ところでディラン。私は大使夫人としてダッセルトに行くのよね。」
「大使は妻帯者というのが基本だからね。陛下に父上の話をして代わりに大使の仕事をもらったんだよ。」
「陛下は、ディランのことを息子と公表する気はないの。」
「それはないな。そのかわり大使として仕事こなせば上位の爵位を叙爵するってさ。」
「ディランが本気出せば、なんとかなるでしょうね。」
「おーい。シャーリーさん?大使夫人となるとダッセルト語を話せないと困るけど大丈夫かな?」
「えー⁈ 勉強しなきゃいけないの?」
「当たり前だ。ビシビシ鍛えてやるから期待して待ってろ。」
私はあと半年、ダッセルト語と歴史や情勢の勉強漬けになりそうです。
一度、それに対して愚痴になるのかなぁ、ちょっと不満を漏らしたら盛大に怒られた。
ディランからしたら、『誰のせいだ?』と言うところだったのだろうし、少しでも合間をぬって会いに来てくれたディランに対して言うセリフじゃなかったと後悔はしている。
悔しいから謝らないけれど。
ディランが私たち2人を呼び出したのは、キャサリンの話をした日から1ヶ月ほど経った週末だった。
「ディラン、お父様はどうだった?」
「うん。感触としては、6、4で有りかな。キャサリンの事は覚えていて、母上に似ている女の子って言ってたから。ただシャーリーの同じ歳の友達って聞いて、引いてたけど。」
「歳の差より娘の友達って言うのが、ネックなの?」
「らしいよ。まぁ貴族の政略結婚なら年齢差なんて、あってないようなものだからね。あとシャーリーと俺が結婚すると自分が1人寂しいってのもあるらしい。」
「だそうだけど、キャサリンどうする?」
「叔父様、私がディック様のところに押しかけたら、2人の結婚が大変になるって言ってたわよね。」
「そっちは父上の感触が良かったから、根回ししてある。父上に確認するよりそっちに時間がかかったけどね。」
「ディラン、どう言うこと?」
「シャーリーが卒業したら、5年ほど隣国のダッセルトに行くことになった。」
ディランの突然の報告にびっくりする。
「ディラン、私たち離ればなれになるの。」
「シャーリーを妻としてダッセルト駐留大使になるんだ。」
「はい?大使って…」
「ただの子爵じゃなくて、大使やって実績残せば、辺境伯の婿養子にならなくても、くそじじいが納得できるだろう。後押しさせといて中途半端な立場じゃ、他の縁組を考えられるから、大急ぎで陛下にねじ込んだ。」
「叔父様って、どんなコネを持っているのよ。」
「大したコネはないが、色々とねじ込むだけの手札は持っていると言った方が正しいかな。コネがあるなら、くそじじいに子どもと認めてもらう必要はなかったんだから。」
「とにかく、キャサリンは夏休み中シャーリーと父上のところへ行って、婚約もぎ取ってこい。お前なら出来るだろう?」
「ありがとう、叔父様。私頑張るわ。」
こうして、キャサリンは夏休みに、お父様に突撃することになり、意気揚々と帰りました。
「ところでディラン。私は大使夫人としてダッセルトに行くのよね。」
「大使は妻帯者というのが基本だからね。陛下に父上の話をして代わりに大使の仕事をもらったんだよ。」
「陛下は、ディランのことを息子と公表する気はないの。」
「それはないな。そのかわり大使として仕事こなせば上位の爵位を叙爵するってさ。」
「ディランが本気出せば、なんとかなるでしょうね。」
「おーい。シャーリーさん?大使夫人となるとダッセルト語を話せないと困るけど大丈夫かな?」
「えー⁈ 勉強しなきゃいけないの?」
「当たり前だ。ビシビシ鍛えてやるから期待して待ってろ。」
私はあと半年、ダッセルト語と歴史や情勢の勉強漬けになりそうです。
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