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後日談

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カリアス帝国皇帝アレックスは、正式に元クレア王国王女アナスタシアをただひとりの正妃とし、例え世継ぎが生まれなくても側妃を持たないと宣言した。
代わりに自身の妹の次男で、5歳になるアーロンを養子に迎えることも発表した。

「エド様。良かったのですか?」
「アーロンは、俺たちに子どもが生まれたら、その子の補佐にするつもりで養子にした。だからアナスタシアが世継ぎを生むために無理をすることもない。子どもは授かりものだから。」

そう言いつつも同じベッドで朝まで手放さないエドのおかげ(⁈)で翌年には王女が、3年後には世継ぎの王子が生まれた。
アーロンは、王女の婚約者として一緒に育ち、成人したら新しい公爵家を与えて、クレア領主にする予定だ。


「お母様、聞いて欲しいことがあるの。」

8歳になった娘、オリビアはアナスタシア譲りの青い瞳と銀髪の子だ。

「なぁに?」
「アーロンがね。赤毛の女の子と仲良くしていたの。私みたいな髪の子は嫌いなのかな。」
「お父様は、お母様のことを月光の乙女って言って一目惚れしたそうだけど、アーロンはオリビアのことを赤ちゃんから知っているから、髪色で嫌いはないと思うわよ。」

14歳になったアーロンは、学院で学ぶため寮に入って、なかなか会えない。やっと長期休みに帰ったのだが、同級生の女子と一緒にいたところにオリビアは出くわしたらしい。

「大丈夫よ。あなたはアーロンにとってもだいじなお姫様だから。」

心配そうな娘に内緒の話のヒントだけ与える。
6歳の年の差はあるが、アーロンはオリビアにべた惚れだ。まるであの頃のエドをみているように。もちろん、エドとアナスタシアはそれをよーく知っている。アーロンは、おそらく3日後のオリビアの誕生日プレゼントを準備しているのだろう。

「それより、お誕生日のお祝いのドレスを決めましょう。お父様の用意したのとお母様のとどちらにする?」
「うーん。お父様のはかわいいけど、お母様のはちょっと大人っぽくなるから、お母様のかな。アーロンにふさわしいレディになりたいもの。」

そう言って笑う娘を見ながら、アナスタシアは幸せだと思った。

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