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あれから五年 ※

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side:涼一


まだ柚希の記憶は戻らない。
だがリシェが居なかった時と比べたら、俺は安定していた。
リシェもだいぶ育って、そろそろ色気とか感じてきた……拙い。
風呂なんか一緒に入らなければいいだけの事なのだが、五年間見続けてきた成長を見止めるなど俺の信念が許さない。
だが、最近少々気になっている事がある……。

「ただいまリシェ。」
「お帰りなさい。」
「あれ?風呂もう入ったのか?」
「うん。」
風呂に一緒に入る事を避けられている?
もしや、これが反抗期?
俺は反抗期が無かったから、どういうものかわからない。
リシェの明日の予定を調べて、リシェより先に家に帰る事にした。

「あれ、涼一さん、もう帰ってたんだ。」
翌日、予定通りリシェより早く家に居た俺。
俺の姿を見付けて驚いた顔をする。
「ああ、珍しく早く帰れたからリシェ、風呂に…。」
「んーと、涼一さん、僕もう一人で入れるよ?」
「…そうか…。」
やっぱり敢えて一人で入ろうとしていたか。
だが俺も諦められない。
「俺が一緒に入りたいんだ。」
「そうなの?」
意外そうな顔になるリシェ。
五年前にもまるっきり同じ台詞を言ったが、俺の気持ちは変わっていない。
「…うん、それなら一緒に入ろう。」
おや?反抗期では無かったのか。
安堵して早速一緒に風呂場へと。

リシェは明日で、柚希と初めて逢った年齢になる。
初めて見た柚希の体付きと殆んど一緒だ。
俺がガン見しているのに気付かれてしまったようで、リシェは裸体を隠しはしないが、恥ずかしそうに顔を染めて俺を見る。
「大きくなったな。」
誤魔化す為に、俺は敢えて成長を見てましたと言った感じで振る舞う。
「…涼一さん、やっぱり僕は子供だよね。」
「ん?俺の年齢からしたら子供になるかもな。」
「あのね、涼一さんや家族は僕に何か隠してるよね?」
隠していても何処かで柚希の話をしている事があったかも知れない。
それを聞かれてしまっていたのだろう。
「リシェに嘘は付けないからな。確かにリシェに隠している事がある。」
リシェはショックを受けた顔になる。
嘘で言いくるめることは出来たが、俺は愛する相手に嘘は付けない。
「それは…僕が、涼一さんの奥さんと似てるから?涼一さんが僕を引き取ったのは、それが理由?」
間違った情報になっている。
隠し事は何処かでねじ曲がるものだと思わされた。
「僕は……奥さんの代わりにはなれないのかな?」
そう言ってリシェは泣き出した。
ん?ちょっと待て!
これはもしかして…。
「リシェは、俺が好きなのか?」
「…うん。涼一さんみたいに格好いい人が、ずっと優しくしてくれて、好きにならないのは無理だった。涼一さんは一緒にお風呂とか未だに子供扱いだし。それに涼一さんは奥さん以外を見ないって聞いてたし……。」
やっぱりリシェは俺の為に存在するんだ。
俺からアプローチしなくても好きになってくれる。
「り、涼一さん?」
俺は感激の余り返事が出来なかったから、リシェは不安そうに俺を見ている。
「そうだよな、リシェは聡い子だから俺らの話が大体だが理解出来ていたよな。色々説明したいが…後四時間だけ待ってくれるか?」
「四時間…?」
リシェの頬を撫でながら言うと、リシェは頷いた。

記憶が無くても、何度でも俺を好きになってくれるのを確信出来て嬉しくなる。

前のリシェ、そして柚希と出逢った時と同じ歳まであと僅か。
俺の考えが間違い無ければ、リシェは同じ年齢で、身体の成長が神力を完全に使いこなせるようになるはず。
だが記憶を戻せばまた若く死んでしまうが、そこは作戦を考えてある。
「リシェ……俺はリシェをちゃんと愛してる。」
「奥さんの代わり?」
「違う。詳しくはもうすぐわかるからな。」
言いながらリシェを落ち着かせようと頭を優しく撫でる。
時間を見計らい、時が十二を刻んだ瞬間、リシェに顔を近付けて、その唇にキスをした。
驚きに目を見開くリシェ。
すぐに泣いていたリシェの目に、幾筋もの涙が増える。
「り、ょう…いちさ…。」
唇を離して少しドキドキしながらリシェの様子を見る。
「ごめ……ぼくは…にども……っ。」
「柚希っ!?わかるか?」
コクコク頷く柚希。
「あんなにっ…アレク様を苦しめたのに…っ、涼一さんまで置いて…っ…。」
「泣かないでくれ、俺は…寂しかったが、必ず俺の元に戻ってくれると信じていた。」
柚希の涙を舐め取りながら、背中を撫でて宥める。
小一時間程、柚希は「御免なさい」を言い続けた。


久し振りの眼差し。
俺を愛おし気に見つめてくれる。
「柚希…逢いたかった……。」
前世の方が逢えなかった時間は長かったのに、今回の方がとてつもなく長く感じた。
「僕も…もう離れないって誓ったのに…。」
「大丈夫だ、別れるのはこれで終わりだからな。」
「涼一さんが言うんだから何かあるんだね。」
「ああ、もう二度と別れる事は無い。」
「うん、嬉しい…。」
ゆっくりと柚希が目を閉じる。
俺はそれを合図に、柚希の唇を吸いながら浴室のドアを開き、浴室マットの上に柚希をそっと押し倒す。
「涼一さん、更にカッコよくなったね。」
「五年も一緒に暮らしたのに、今更か?」
「子供目線だったんだもん…。」
恥ずかしそうに顔を赤くする柚希。
「その反応、久し振りだな。」
「相変わらず意地悪…。」
ちょっと拗ねて見せてから、すぐにクスッと笑う柚希。
「男は好きな子を苛めるものだろう?」
「聞いた事はあるけど、その心境はわからないんだよね。」
「柚希を苛めると可愛いから仕方がない。」
「そう言えば『柚希』なんだ?」
呼び方に気付いたらしい。
「もうすぐ、柚希とは呼べなくなるからな。」
「え?」
「柚希と別れずに済む方法を、この後実行する。そうすると、柚希じゃなくリシェになるんだ。」
「説明されても多分僕は理解出来ない気がするから、後で宜しくね。」
「ああ。取り敢えず今は……恋人の時間だ。」
「んと……初めてだからね?」
「わかってる。」
確認する態度に思わず笑ってしまう。
「もう一度…柚希を俺色に染めないとな。」
「涼一…さん…。」
俺の言葉に赤くなりながら、俺の背に腕を回す柚希。
ああ…俺の柚希が帰って来てくれた。
十年以上SEXしてないから、愛する相手を目にして我慢出来るわけも無く。
しかしリシェの身体は初めてなんだから優しくしなくては!と自分に言い聞かせながらも口を吸うと、もう俺のモノはフルになっている。
先端を柚希の後孔に押し付けると、柚希の入口がひくついた。
身体は初めてでも、記憶が行為を覚えているという事だ。
「んっ、んっ…。」
俺の口を夢中で吸う柚希。
それだけで腰が動きそうになる。
キスをしながら手探りでソープを手に取り、指を一本慎重に柚希の後孔に侵入させる。
「ん…ふぅ…っ!」
柚希の腰が揺れる。
それだけで俺の興奮が高まる。
早く入りたいが慎重に指を追加して、念入りに中に塗り付ける。
「あっ…あ!」
ぐるりと回すように壁にソープを塗り付けると、合わせるように柚希の腰が動く。
興奮で息が荒くなってしまう。
柚希を高める為に後ろを弄りながら、唇を首から胸へと這わせていく。
「美味しそうだな、ここ。」
まだ自分でも弄っていない状態だろう薄ピンク色の胸の飾りを、舌先でちろちろと舐める。
「あっ、ああっ!!」
初めての身体が二ヶ所同時に弄られて、自然に勃起した下半身を俺に押し付けるように柚希の身体がくねる。
快感の液体でぬめる柚希自身が、何度も俺に押し付けるように腰が揺れる。
エロくてもう入りたい。
後孔は三本目の指を受け入れた。
もうそろそろ行けそうだ。
先程から押し付けて来る柚希のおちんちんをぬめりを利用して片手で扱いてやる。
「あっ、あっ!りょう、いちさ…んっ!もうっ…!」
先端から溢れる蜜は、殆んど白くなっている。
指を引き抜くと再び先端を柚希の後孔に押し当てた。
「入るぞ、柚希…。」
一応声を掛けるが、駄目と言われてももう無理だ。
「りょういちさん……来てっ!」
柚希も身体が初めてだから、必死に息を吐いて弛めようとしている。
柚希の秘部に先端を少しずつ沈めていく。
久し振りの柚希の中に早く入りたい。
急く気持ちを必死に抑えながら、ゆっくりと己を沈めた。
「あっ…あぁっ!!き…つい…っ!」
やはり初めてのそこに俺のは大き過ぎるようで、何度も息を吐き出して俺のモノに対処しようとする柚希。
「一度抜くか?」
俺も余裕は無いが、痛みで涙をボロボロ出しながら深呼吸しているのを見ると、さすがに心配になってしまう。
「だいじょ…うぶ……。」
息荒く必死になっているのを見て、俺に出来る方法で協力する事にする。
一気に力付くで押し入り、柚希の前立腺をガシガシ突き上げる。
「痛…っ、あっ…ふぁああっ!!」
最初は狭かったが、次第に締め付けが緩まる。
「あんっ!そこ……あっあっ!!」
痛そうな声が突き上げの度に艶を帯びて来る。
最初こそ気遣っていたが、久し振りの挿入の気持ち良さ、以前より狭い締め付けが心地良過ぎて、いつの間にか俺は夢中で柚希を加減無しで抉り上げていた。
「りょ…いちさ…っ…!すごいのっ、きちゃう!ああっ!イっちゃう!イっちゃう!!」
切ない声で絶頂を訴える柚希に止めを刺すべく、更にスパートを掛ける。
「りょういちさ…っ!も…っ、くるっちゃ…っ!ああっ…あああっっ!!」
初めてとは思えないエロさで柚希は達し、全身をビクビクさせながら射精し、俺を食い千切らんばかりに締め上げてくる。
俺の射精を望むかのように。
「俺の…柚希!」
「あ、あ…またイ…くぅっ!あああ―――っっ!!」
柚希が再び俺を締め上げるのと同時に、大量に中に放った。
「柚希…お帰り。」
「……ただいま、涼一さん…。」
柚希は気怠そうにも笑顔で俺に返事してくれた。



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